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▼フリッツ藤井さん:
>Lao Tzuさんもあなたも当事者の方でしょうか?? やはり、脳の性能が違うと思いました。適切な教育を受ければ辛いことにはならなかったはずですよ。
Lao Tzuです。私は最近診断された当事者ですが、それまでの10年以上は自動車メーカーや防衛機器メーカーでエンジニアをしていました。
確かに教育の面でいい思いをしたことはありませんが、今はうつ等の二次障害を克服したので辛くはないです。
パニック発作などは今でも起こりますが、それは自分が考えすぎてしまうからであり、他人が何気なくする行動がとても無神経に思えてしまうからであり、自分と他人の感受性の違いを計ることができるようになってからコントロールできるようになりました。
フラッシュバックなども、見てしまうものは見てしまいます。まるで世界中の人を敵に回したように感じてしまったりしても、それを怖いと思わないようにすることは慣れや認知療法で抑えることができますから、ASであることと関係ありません。言うほど簡単ではないですが。(この掲示板を見ていて現在苦しんでいる当事者の方達に、誰でも恐怖を克服できると言っているわけではありません。人によって受けた傷は違うでしょうし、僕自身死んでもおかしくないと思うようなことが何度もありました。普通の人なら余程のことがない限り背負わないようなトラウマを宿命的に背負ってしまうことは多分にあるでしょう。僕はたまたま理解者や支援者に恵まれただけで、それらが無ければ不可能でした。)
>一般に自然科学系といっても様々な分野があるし、アスペだっていろんな人がいるので、一人一人にあった進路を決めなくてはいけないですよね。それに、偏差値60以下は理系ではないという格言どおり、レベルの低い大学(一般からみればすごい大学もある)では、アスペルガーが自立できるとは思えません。
アスペルガーの能力が、IQテストや偏差値で計れるとは思いません。何故なら私は読書障害のLDですから、問題文を読むのに時間を費やしてしまい、テストで最後まで問題を解けたことがないからです。
しかし仕事では、一流大卒や院卒の人達の中でも、そこそこの結果を残せています。
つまり、今のIQテストや学校で行なわれる試験では、アスペルガーに多いLDを潜在的に持ち合わせた人の能力は計れないのです。それらのテストは、あくまでも普通の人を基準に作られたものだからです。
>普通の人は適当な環境でも自立できますが、アスペは適当が通用しないのです。アスペが社会問題になるのは、適当な親が増えた証拠だと思います。
適当な親という言葉は少し乱暴な言い方ですね。確かに、昔はアスペだからと社会問題にならなかったのですから、それが問題になってきたということは社会環境が変化したからだと思います。
僕は、都市化、核家族化が進んで育児に孤立した親が増え、伝統的な経験則に基づく祖父母からの養育支援を受けられずに、育児がマニュアル化してしまったからだと思います。
そして会社の内部においても、今は昔ほど職人的な才能を認める環境が少なくなって、融通の効かない画一的なマネージメントによって会社を運営する経営者が増えてしまったのがいけないのだと思います。
>成人アスペの方は、過去を振り返って、自分に適した家庭環境、高いレベルの学校で育っていたら、自分はどうなっていたかを考えてみて欲しいです。
僕は幼少中とカナータイプ自閉症児との混合教育で育ちましたし、最近診断を受けてからアスペルガーの小中高生と関わるボランティアもしました。
親御さん達に「医者とは違うことを言っている」という理由で反発され呼んでもらえなくなってしまったのですが、他の心理学系の学生ボランティアなどには手に負えない子供達ともすぐにコミュニケーションが出来るようになり、僕の理論が通用するという手応えはありました。そして主催者の方には僕の意見を分かってもらえたようです。
だから、今行なわれている療育というのは、自閉症児が脳の障害(defect)によって劣っているという仮説を前提に行なわれている限り、僕も能力を伸ばせるとは思いません。
それから、普通の人達向けに作られた今の社会ルールを押し付けるような教育も良くないと思います。
劣っているのではなくて、思考のパターンが違うだけだという仮説を前提に療育する必要があるでしょう。
友人のイギリス人ジャーナリストに聞いたのですが、ドイツで行なわれているシュタイナー・スクールというのが僕にとっては理想的だったように思います。
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