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はじめまして。アスペルガー当事者の笛と申します。
まず、医療機関で確定診断を受けることの必要性ですが、
知能テストなどによってご自分の弱み・強みがわかります。
その強みを活かせるような職業を考慮してみる、というのは効果的かと思います。
(こう考えてみると、専門性の高い分野に行き当たることが多いようです。)
それと私の場合は、パニックを起こす原因のひとつに脳波が関与していることが医療機関でわかり、
薬を処方してもらったことで、随分と楽になりました。
また、ご自分でご自身の「うまく出来ること」「困難なこと」をリスト・アップしてみるのも良いと思います。
例えば私の場合、話を聞きながらメモをとる、ということが非常に困難です。
視覚と聴覚を同時にコントロールできないのですね。
(小学校の頃から黒板をノートにとりながら先生の話を聞く、ということが全くできず、
私のノートは途中まで書いてあとは白紙というのが多かったです。)
また、上司からは「人間嫌い」、家族からは「偏屈」と言われるほど人間関係が不得意です。
一人でいることは一向に平気で、何時間でも自分の席に座って調べ物をするのは苦になりません。
更に、中学生時代には英語のポップスを100曲以上歌詞もメロディも暗記してしまい、
今でもそれらの歌は歌うことが出来ます。
(おかげで、同級生が授業で習うことのない単語をたくさんおぼえることが出来ました。)
英語の方が構文が論理的なことも幸いしてか、あまり誤訳なく理解することが出来ます。
これらを総合的に判断し、(というより今思えばそれ以外の選択肢は皆無に近かった)
翻訳の道を選びました。
最初は自宅で仕事することを考えたのですが、自分の体調に関して非常に鈍感なところがあるため、
スケジュール管理ができないせいで、夜も眠らず、食事も忘れて仕事に没頭してしまうことが判明し、
それ以来、企業で翻訳の仕事をしています。
翻訳の分野ですが、やはり文芸翻訳は考えられませんでした。
反面、技術系の論文などはその分野の知識があまりない段階から結構楽しく仕事が出来ました。調べ物が得意だったからです。
翻訳というのは便利な職種で、一人仕事ですから人間関係もわずらわしくないし、
多少偏屈・変人でも、放っておいてもらえる利点もあります。
これは翻訳に限らず、専門分野全般に言えることかもしれません。
というように、ご自分の強みと弱みを知ることは職業だけでなく、今後の人生のQOLを考えるに当たり、重要だと思います。
アスペルガーの人は、特に出来ることと出来ないことの差が激しいようですので、
まずはそれを分析することからお始めになることをおすすめします。
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