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コウさん、ころりんさん:
はじめまして。うちは主人と14歳の息子がASの診断を受けています。どのような療育が必要なのかについては一人一人違いますが、息子が診断を受けてから6年間で考えてきたことを、ちょっとお話しします。
発達障害の診断を受けたら、すぐに療育を望むのは当然なのかも知れませんが、例えば他の子と遊ぶことに関心がない子供にソーシャルスキルを教えても、その子にとってはあまり意味がないでしょう。それよりも、関心が出てくるまで、しばらく親が遊び相手になってあげて、その中でルールを教えていってあげてもいいではないですか。そして、他の子供たちに興味が出てきて、遊び方が分からなくて困っているのなら、その時に「仲間に入る方法」、「遊ぶ方法」などひとつひとつ教えていけばいいんじゃないでしょうか。「普通の子と同じように」なってくれることを望むのではなく、今現在の子供の状態から出発していく方が、親も子もストレスがたまらず楽ですよ。
▼ころりんさん:
>ですが、実際には 家では着替えなどスムーズに行えない、
着替えがスムーズに行えないというのは、気が散ってしまうからでしょうか?それなら、できるだけ刺激(テレビや玩具その他、関心の向きそうなもの)のない場所に、「着替えの場」を作ってあげたらいかがでしょう。小さめの籠に着替え用の服を入れて「着替えの場」に置いてあげると、もっと分かりやすいかも。
息子の場合は周りに漫画本があると絶対にそちらの方に関心が行ってしまうので、漫画は「漫画室」に置いてあります。そして、時間を決めてそこへ行くようにしています。
不器用で着替えに時間がかかるなら、親が助けてあげてもいいではないですか。息子も7〜8歳まで助けが必要でしたが、今では親の前でなど絶対着替えません(笑)。発達の様子が「一般」と違うのですから、育て方も子供にあわせればいいと、私は思っています。
>話は聞いていない。
話を聞かないのは、自分に話しかけられているのが分からないからかも。先ず名前を呼んで、お母さんの方に注意が向いていることを確認してから話をするといいかもしれません。
それから、息子がそうだったんですが、そっぽを向いて聞いていないようでも、実際は聞いていることがあります。一方でこちらをじっと見ているから聞いているかと思うと、ぜんぜん耳に入ってないこともあります。「話し相手を見ると、話の内容が理解できない」という当事者はたくさんいます。「聞いていない」と思う前に、聞こえたかどうか、確認してあげてもいいと思います。
>園では 指示に従えない、
指示の出し方を変えてみたらいかがでしょう。「みなさん」と呼ばれても、先生の指示が自分にも適用するとは思ってないかも知れません。先生にお願いして、先ずお子さんの名前を呼んでいただき、それから指示を出すようにしていただいたらいかがでしょう。
また、指示が複雑すぎて、言葉だけでは忘れてしまうようなら、絵や図に描いてみせれば記憶に残るし、後で忘れても、もう一度それを見ることができます。
>活動になかなか参加できない等、
園にお願いしてイラスト付きの時間割を作っていただき、「今は何の時間」「次は何の時間」ということをはっきり見えるようにしてあげると、結構上手くいく場合があります。それから簡単そうな社交のルールでも、はっきりイラストなどで描いて説明してあげなければ気づかないかも知れません。
また、グループ活動はまだ難しいのかも知れませんから、様子を見て、ルールが単純ではっきりしているゲームなどから始めてみてください。大勢の子供たちと一緒だとできないことも、1対1、あるいは2〜3人とならできる、という場合もあります。他の子供たちとはどうしても一緒にできないなら、先生と一緒にやるとか、あるいはそういう活動は抜けさせていただくとかして、無理のないところからマイペースで進めてあげないと、ストレスがたまり爆発する原因となります。
「子供を周りに適応させる」のではなく、「周りにお願いして、子供が楽しく学べるように適応してもらう」ようにするのが、先ず第一歩だと思います。そういった環境にあって始めて、周りへの適応のしかたをひとつひとつ覚えていけるというものです。一度に適応させようとしても、子供にとっては複雑すぎて混乱するばかりです。
具体的に何が困難なのか分からないので、どこまでお役に立つか分かりませんが、今のところ思いついたのは、この程度です。
ブンコ
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