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▼ありさん:
おはようございます、秋桜です。お返事ありがとうございます。
>だいぶ遅れてしまってすみません。
>小さいころから受けていた療育とはどういうものですか?
>改善はみられましたか?
具体的に書くと本一冊くらいになってしまうから大まかにしか書けませんが、「社会性を身に付ける」「将来自立するための練習」ということでしょうか。
本当に生活自体が療育そのものでしたが、一番母に厳しく躾けられたのは気持ちを1つ1つ言語化して説明する、相手の気持ちに配慮して行動する、自己管理能力を身につける(特にスケジュール、持ち物、金銭関係)といったことでした。
今から考えると「ちょっとやり過ぎ」という面もありましたが、当時としては最新の理論に基づいたものだったし、今でも少し工夫さえすれば役立つことばかりでした。
きっと療育を受けなかったらここまで来なかったと思います。療育のお陰で人と関わる楽しさを知ったし、何とか専門家になって伴侶を見付けることもできました。
>過去の嫌な思い出から、最近の若い子のほとんどを受け付けられなくなってしまって、
>だからといって、一人でいることも耐えられなくて。
>社会や学校にいることがとても困難で困っているのですが、
>同じような思いをしたことはありますか?
>もしそれについても改善方法があれば教えてください。
私も20代前半まではそうだったなぁ。「何チャラチャラしてんのさっ!」という感じで全身から棘を出していましたね。それでいて人恋しくて街をひたすら歩いていたこともありました。ホントあの頃は空しかったです。
男性と交際経験もない状態で20歳で婦人科の病気にもなって「子どもを産むことは難しいでしょう」と医師から言われ、「どうせ私なんかアスペルガーだし、こんな体じゃ結婚もできないよ!」と破れかぶれになっていたことも事実です。そんな自分が大嫌いで、もうどうしたらいいか分からなくなりかけていた時期でした。
でもある時臨床心理の教授(私は心理学科だったので)に「大変な思いをしていることは分かるけど、そういう経験がいつか役立つ日もあるから、じっくり味わって経験することも大事だよ」と言われて何か胸の使えが少しだけ取れて楽になりました。
その教授は「君は何らかの形で臨床家になれる。でもそのためには君自身の心の整理をする必要があるね」と言われ、教育分析(専門家になるためのカウンセリング)を受けられるよう手配をしてくれました。その後医療関係の専門学校へ進学したので教育分析自体は1年半ほどでしたが、それで自分の考え方の癖のようなものが分かって勉強になりました。
あとは専門学校を卒業して病院という仕事場所で色々な人と接しなくてはいけない経験をしたことで「あ、こういう人にもいい面がある」という長所を発見する練習をしたことでしょうか。訓練の仕事というのは必ずいい所を見つけてそこを褒めるという能力が欠かせません。例えばある人の演奏が一生懸命でもあまりうまくなかったとします。「下手ですね」と言ったらいくら本当のことでも相手は不快になりますよね。でも「一生懸命でしたね」「心がこもってましたね」と言えば、別の部分では事実だから嘘は言わずに無用な争いを避けることができます。
でも一番大きかったのはShinyu(館の管理人)と出会い、私のことを受け入れてくれる人と一緒に暮らし始められたことです。両親の過干渉に耐えられなくておかしくなりかけていた私に「まず秋桜は家を出ないといけない」と言って、部屋を借りてくれました。親から離れて冷静になれる時間ができてやっと自分らしい人生を歩き始めることができたような気がしています。
ありさんは今の情況が嫌で何とかしたいと考えてこの掲示板に書き込みをしたのだと思います。それは今の自分を変えるスタートが切れた、ということです。いきなり全部解決しようと思わなくていいんですよ。まずは嫌だな、と思ったらその気持ちをまず受け入れること。そしてその場では相手には伝えずにその気持ちを紙などに書き、別な角度から捉えてみる(「下手ですね」じゃなくて「一生懸命でしたね」のような)練習から始めてみるのもいいと思いますよ。
当面は今もしていると思いますが、とりあえず「笑顔で挨拶」でお茶を濁してあとは最低限の付き合いで終わらせればいいんじゃないかなぁ。他の人も書いていますが無理しなくていいと思います。
私が仕事で気を付けていたことは過去レス[#2778]に書いてありますので、よかったら読んでみてください。
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