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▼三月うさぎさん:
こんにちは、秋桜です。レスをありがとうございます。
>うちの子達は、WISCもWPPSIも田中ビネーもやりましたわ。長男のときは2時間ぐらいかかりました。よく辛抱したと思います。
本当にそうですよね。子どももよくやっているなぁ、と思うことは多々あります。特に初対面の相手とは緊張もしているでしょうからそんな中で検査を受けるというのは想像以上にストレスがかかってる状況です。だから初回の面接時には大抵の場合お母さん方に「お母さんから見たら普段の実力を出していないと思いますが、初めての相手である私に合わせようとがんばってくれました。だからおうちに帰ったらがんばったね、と褒めてあげて下さい」と伝えています。
ウェクスラー検査の場合時間がかかるので私は2回に分けてやることが多いです。子どもが本当に集中できる時間は定型発達のお子さんでも学年×10分が目安だと言われています。ですから小児の場合本当の実力を引き出すにはマニュアル通りの反応だけでは難しいですし、様々な状況を想定して検査を進めていく柔軟さが必要です。
解釈については[#5094]に少し書いておきましたので、参考にしてください。
>保護者によっては、
>家ではそんなことないのに、場所変わると、または検査者が変わると子供の実力が発揮できなくて、低い数値が出た。
>と、落ち込まれることが多々あるようです。
>
>うちでは、病院で低い数値が出るとか、問題行動を起こすとかしてくれた方が、通院に繋がったろうと思われたので。
>今の病院は、ちょうど調子の悪いときで、落ち着いて先生の話を聞けない、ウロウロしたがるときだったので逆に助かりました。
家での反応と検査での反応が違うのはよくあることですが、原因としては言語・非言語面のルール理解が難しいということだと私は考えています。
知能検査というのは課題自体は全くやったことがない物ですが、似たようなものは必ずどこかでやっているものです。でも過去の経験と結びつけて考えることが難しいために方略がつかめていないということがあります。また言語面でもいつも言われている表現ではないために分からなかったということがありますが、これらはいずれの場合も[#5068]に書いたような「物事を自分がやりやすい形に直して考える」能力が未熟なために起こる問題です。
以前知り合いのお子さん(定型発達)に1歳半から3歳まで半年置きに新版K式や田中・ビネー検査をしたことがあるのですが、自分の経験から上手に答えを導いていく様を目の当たりにして「やっぱりこういう所が違うんだなぁ」と実感したことがありました。
>検査の質問内容を読んで、最初は「え?おにいちゃんならこんな言葉ぐらい知ってるでしょ?」「きっと、先生の質問が悪かったのよ。私が質問を変えればみんなわかることばっかりじゃない」などと思ってしまいました。
>やがて、それは、「質問の角度を変えれば答えられなくなる…その程度の理解。それが発達障害なんだ…」と、理解しまして…。
そう捉えられる三月うさぎさんを私は素晴らしいと思いました。その通りなんです。
私も以前あるお母さんと話をしていたら「他の機関では検査をするとお子さんは年齢相応の能力です、心配ないですよって言われるんですけど、私から見ればすごく薄っぺらい知識だと思う。普通の子は小さい頃から地かためをしてしっかりしたお山を作っているけど、うちの子はちょっと突付けばサラサラ崩れていく砂のお山なんですよ」と寂しそうに言われてハッと胸を突かれたことがありました。
だから検査の結果だけで判断する専門家は私はあまり好きではないのです。やはりどういう解き方をしたのかが大切であり、なぜそのような解き方をしたのかをきちんと解釈できる人が本当の意味で検査ができる人なのだと私は考えています。
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