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脳の前頭前野のトレーニングでコミュニケーション障害が改善する可能性、
および、ADHDが改善する可能性
ジョンです。下記の関係ページをご参考になさってください。
http://www.geocities.jp/johnhealing/brainpage.html
脳の前頭前野は感情と記憶をコントロールする機能を持っていると言われていますが、東北大学未来科学技術共同研究センター教授の川島隆太先生は、最近の研究の結果として、前頭前野がコミュニケーションに重要な役割を果たしており、しかも、それは、活性化可能であるという報告をしています。
前回私が、人の感情は古い脳と呼ばれる大脳で包まれた部分にある偏桃体が司っているという話をしたと思います。図を参照してください。
ところが、この偏桃体の持っている感情をコントロールし、ストップをかけるのが、前頭前野です。また、後で出てきますが、衝動的な行動にストップをかけるのも前頭前野です。前頭前野は脳のどの部分かと言いますと、おでこのところにあり、左脳の前面および右脳の前面にあります。
先生は、その講演の中で、前頭前野は(健常者の場合)活性化することができ、その方法は、単純な計算、音読などがある、と研究の成果を紹介しています。先生の成果は痴呆症のお年よりの役に立っており、NHKでもクローズアップ現代(3月14日放送)で紹介されました。一般に、前頭前野は、簡単な計算や音読で活性化され、複雑な思考やテレビゲームなどの場合には使用されませんので、活性化されない状態になります。現代社会では、コンピューター時代を向かえたため、簡単な計算や音読の機会はなくなり、計算も文章作成もパソコンで行うという状況が続いています。お年よりの場合、会話の機会もなくなり、前頭前野が使用されない場合が増えたと言えるでしょう。子供の場合に、学習が必要なコミュニケーション能力も、前頭前野が昔ほど使われなくなってから、低下の一方だといっても過言ではないと思います。そのための、先生の考案された計算グッズ、音読グッズが多数発売されており、皆さんも書店の店頭で見かけた方がいるのではないでしょうか。以下に、先生の講演の中から、コミュニケーションに関する部分を抜粋しましたので紹介します。
なお、私の場合も、計算は電卓を使い、文章作成はワードプロセッサであり漢字変換を使用している関係上、前頭前野が活性化される機会はなく、機能低下した恐れはあると思っています。
「だますということに使っていますので非常に悪いことに聞こえるかもしれませんが、相手の性格を考えて、自分がどういうヒントを出す、どういう行動を出せば相手が何を返しているかということを考えているときの脳活動になっています。私たちは左右の前頭前野を使いながら、他者の気持ちをおもんばかりながら行動するということがわかってきました。そして、この前頭前野の領域をよく見てください。右も左も読み書き計算で活性化されている場所とぴったりと一致をします。すなわち読み書き計算のトレーニングで鍛え上げられた脳を使って、相手の気持ちのことをわかるやさしい子どもに育てることができるということがわかるわけです。」
一方で、アスペルガー症候群のコミュニケーション障害の原因はなかなか特定されていません。現在、いろいろ調べていますが、見当たる説明としては、前頭葉内側面や辺縁系の異常、偏桃体の関与、帯状回の前方、側頭葉の先端、上側頭回が関与して神経系統に異常が出現とありますが、明らかにはされていません。その点、川島隆太教授ははっきり、コミュニケーションは前頭前野の能力である、と言っています。そこで、前頭前野をトレーニングすれば、アスペルガー症候群のコミュニケーション障害の改善につながるのではないか、と考えました。
ADHDの場合はもっとつながりがはっきりしています。ADHDは一般に、前頭前野の行動の抑制に関する部分の機能不全であって、薬物の投与が効果がある、といわれています。この場合は、アスペルガー症候群の場合に比べて、前頭前野の活性化の効果が現れやすいのではないかと思っています。
http://www.geocities.jp/johnhealing/brainpage.html
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