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▼POLINECIAさん:
はじめまして。秋桜と言います。他のレスにも書いたのですが、発達障害児の訓練専門の医療機関で働いています。私自身もアスペです。
現在は体を壊して自宅療養をしています。
>これはよく発達障害専門家サイドから専門家の増員,養成という形で、
>よく要望が出されている。
>確かに児童精神科医あたりは不足しているというのは事実だろう。
>この辺りの事情は俺も少しわかっている。
>
>一方でこの要望が専門家サイドの自己増殖のために利用されることもある。
>例えば、専門家を増員することによって後進の雇用を確保したい場合や、
>専門家を養成するためのセミナーを開いて資金稼ぎをしたい場合などだ。
>この場合、専門家サイドは
>「専門家が足りていない」「専門家を育成すべきだ」
>「専門家,あるいは専門的知識を有する者でなければ、この問題に対処することはできない」
>と声を大にして主張しておいた方が得をするだろう。
>じっさい、俺が発達障害で利潤を得ようと思った場合、
>やはりそのように主張する可能性が限りなく高い。
>(誤解がないように言っておくと、ここでその手口を明かしてしまった以上、
>俺自身はこの手口で金もうけをすることはできない。
>もうけるためには裏の意図を隠して沈黙しなければならないからだ)
>
>発達障害支援者も食っていかなければならない以上、プロ化が全く悪いとは言えない。
>しかし、最悪の事態も想定しておく必要がある。
>例えば発達障害者に対応できる職員の雇用,施設の増設,
>専門家育成のためのセミナーに莫大な予算を費やした結果、
>発達障害者及びその家族を直接支援することに予算が回せなくなってしまう場合だ。
>この場合、支援法案は専門家サイドの利益にしかならなくなる。
こちらの意見に対しては現場サイドにいる人間として違和感を感じます。
他のレスにも書いたのですが、私の職場も予約をしてからドクターの初診に入るまで1年近くかかっている状態です。それでも自治体の訓練よりもこちらの方が適切な訓練をしてもらえるからと言って訓練を希望される人が殺到しています。中には車で1時間以上かけて通ってきている人もいます。
そのため職員は全員ギリギリの状態で仕事をしています。私も倒れる直前まで12時間位仕事をしていました。倒れても代わりの人がいないので訓練はストップしています(患者さんたちには本当に申し訳ないのですが、他の人も限界に近い状況なので頼めないんです)。
こう書くと中には疑問に感じられる方がいると思います。私の実家の家族も不思議がっていたので、下に簡単に事情を書きます。
私が勤務している県は各自治体で訓練士がいることにはなっています。でもどうしてそんなに訓練希望者が殺到するのか?というのは、自治体で雇用している訓練士は非常勤職員がほとんどで、勤務日が限られているので、訓練の回数が少ないというのが1つ目の事情です。
2つ目は私が勤めているような専門病院に比べて職員に入ってくる情報量が圧倒的に違ってきます。大抵の自治体は一人職場が多いですし、スパーバイズしてもらえる環境が整っていないのが現状です。中にはがんばっている方もいますが、相当本人が努力する必要があります。その結果、指導の質に差が出てきているのが現状です。
3つ目は長期間診てもらえないという事情があります。官僚の縦割り行政のため、就学までは厚生労働省、就学後は文部科学省の管轄になります。そのせいで自治体でも就学までは保健センター、就学後は教育委員会ということが多く、そこで情報が途切れてしまうのです。私の職場にも就学で自治体の訓練が終了するので、できたら専門家の訓練を継続して受けたいといって来院される方が多数います。
特にアスペルガーは対応に慣れていないと難しく、自治体でもどうしたらいいか分からず、混乱しています。そのため最近は丸投げ状態で紹介されてくることが増えてきました。他のスレッドでも書いていますが、学校現場も適切な対応ができていない(できないというのが正確でしょう)ため、困っている人がたくさんいます。
就学後こそ指導が必要なのに、その時期に医療的なケアが難しいというのは問題だとは思いませんか?
POLINECIAさんがおっしゃっているように、中には営利をむさぼっている人も確かにいます。でもこういうことは他の病気などでもありますよね(例えば「ガンに〜が効く!」など)。
大多数の発達障害の専門家は身を削ってがんばっていますよ。とにかく安心して診断・訓練できる基盤すらない現状を何とかする必要があると思います。
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