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Our Voices 第4回
「発達障害 苦手なことを克服すべき?vs.ありのまま受け入れる?」
放 送 10月8日(月)9日(火)夜8:00〜8:29【Eテレ】
再放送 10月15日(月)16日(火)昼1:05〜1:34【Eテレ】
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/300/132307.html#more
担当ディレクターの一人です。
先日、「Our Voices」第4回の収録が無事終了しました。
今回のテーマは
「苦手なことは克服すべき?ありのまま受け入れる?」
発達障害のある人たちがスタジオに集合し、自分の“苦手なこと”とどう向き合っていけばいいのかについて、熱いトークが繰り広げられました。
3時間近くにわたる収録の間、みなさんから発せられる言葉ひとつひとつに、いつしか自分のことを重ね合わせていました。
実は、今年の初めに体調を崩し、精神科を訪れたところ、ある精神疾患だという診断を受けたのです。
毎朝決まった時間に起きられない。
気分が乗ると、飲まず食わずで十数時間も集中できる。
なのに、いったんスイッチが切れると一日20時間くらい寝こむ日々が続く。
そんなときは意欲が低下し、思考力・判断力が極端に落ちてしまう。
緊張や興奮することがあった日は、気分を切り替えられず、朝まで眠れない。
感覚が過敏になり、どうしようもなく涙もろくなる時期がある。
自分にとってはずっと当たり前だったこれらのことが、周囲の多くの人は、なんだかそうではないらしい。
しかも、自分のこういう状態には波があり、辛くてもものすごく頑張れば、表面上は人並みにできてしまう(ときもある)。
気合いが足りなかったり、性格の問題だったりするのではないかと思っていた現象が、脳の神経伝達がうまくいかないことによる「疾患」なのだと言われたときは、「人生の謎が氷解した!!」という気持ちになりました。
「片づけができない」「空気が読めない」といったことに、長年悩んできた発達障害のみなさんが、診断を受けたときの「自分のせいじゃなかったんだ!」という感覚、とてもよく分かる気がします。
しかし、本当の戦いはそこからです。
診断を受けたからといって「治る」わけではありません。日常生活や仕事を進めていくためには、自分の症状・特性を理解して、うまく付き合っていくことが必要です。
どこまでだったら無理がないのか。どこから先は無理なのか。
けれども、実際には「頑張ること」と「無理すること」の境目はなかなか分からないし、「無理しない」と「怠けている」の境目も分かりません。
役に立てない自分は申し訳ない、人に迷惑かけたら悪い・・などと、ついつい頑張りすぎてしまい、気づいたときには体調を崩している。
いったいどうすればいいのか、今も試行錯誤しながらジタバタしています。
そんな私が、今回スタジオでみなさんのお話を聞いていて感じたのは、「自分をよく知る」ことの大切さでした。
克服するにしても、受け入れるにしても、誰かの助けを借りるにしても、「自分はこういうことができない」「こういう状況に弱い」といったことを、まず自分自身で理解していないとできないこと。
それは一足飛びにできるものではなくて、痛い思いをしたり、失敗経験を積み重ねたりしながら、時間をかけて分かっていくもの。
そうした体験をくぐり抜けてきた彼らの姿は、自分の“苦手な部分”に悩むすべての人に、きっとさまざまなヒントを与えてくれると思います。
ぜひ、2日間通してご覧ください!
Our Voices 第4回
「発達障害 苦手なことを克服すべき?vs.ありのまま受け入れる?」
放 送 10月8日(月)9日(火)夜8:00〜8:29【Eテレ】
再放送 10月15日(月)16日(火)昼1:05〜1:34【Eテレ】
【番組のMCの皆さん】
石田 衣良さん
1960 年、東京都生まれ。
成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。
97年「池袋ウエストゲートパーク」で、第36回オール讀物推理 小説新人賞を受賞しデビュー。
03年「4TEENフォーティーン」で第129回直木賞受賞。
06年に「眠れぬ真珠」で第13回島清恋愛文学賞受賞。
「アキ ハバラ@DEEP」「美丘」など、著書多数。
最新刊「ラブソファに、ひとり」(角川書店)
エリイさん
アート集団「Chim↑Pom」(チンポム)の紅一点。
原爆が炸裂する悲劇の瞬間を描いた岡本太郎の壁画「明日の神話」に福島原発事故の絵を付け足すなど、現代社会に全力で介入するメッセージの強い作品で評価を得、世界的にも注目を集めている。
Chim↑Pom公式ホームページ
http://chimpom.jp/
杉山文野さん
1981 年東京都新宿区生まれ。
フェンシング元日本代表。日本女子大学附属の幼・小・中・高校を経て、早稲田大学教育学部を卒業。
同大学大学院に進学し「セクシュ アルマイノリティと教育」を中心に研究した後、その研究内容と性同一性障害である自身の体験を織り交ぜた『ダブルハッピネス』を講談社より出版。
重たい テーマをストレートかつポップに語り大ヒット。
さらに韓国語翻訳やコミック化されるなど話題を呼んでいる。
その後一般企業に就職し、現在は家業であるとん かつ屋を手伝う。
街をきれいにする原宿表参道発信のプロジェクト「グリーンバード」の新宿・歌舞伎町チーム代表。
東京・渋谷を舞台に活動する「シブヤ大 学」の運営メンバーもつとめる。
杉山文野さんのページはこちら!
http://fuminos.com/
ナレーション:AIさん
1981年 アメリカロサンゼルス生まれ。父が日本人、母が日本人とイタリア系アメリカ人のハーフ。4歳で、父の都合で鹿児島へ。中学卒業後渡米し、アートスクールでダンスやパフォーマンス、音楽を学ぶ。2000年、日本に帰国しデビュー、2005年「Story」のヒットで紅白歌合戦の出場を果たす。現在、アメリカと日本を行き来しながら、音楽活動をしている。
ホームページ:http://www.aimusic-ai.tv/
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