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現在、法律と福祉にまたがる専門職に就いています。
国家資格が必要なので30代で取得しました。
それまでは会社員でしたが今は独立開業しています。
難関と言われる類の国家資格を取得すれば将来安泰というのは過去の話です。猛勉強で国家資格を取得しても、独立開業できるだけの実務能力がなく、資格取得後に独立開業したものの食べていけず、会社員に逆戻りする人が最近特に増えてきています。資格取得はあくまでスタートラインに過ぎず、本当に苦労するのは、資格試験の受験勉強よりも、開業後の事務所経営です。フリーランスは自分でスケジュールを組んで仕事を進めるので自由でいいと思われがちですが、実際には、自分のミスはもとより、事務員のミスの責任もすべて経営者の自分ひとりが負うことになるので、精神的負担はサラリーマンの時とは比較にならないほど重く、見かけほどの自由もありません。訴訟リスクも当然覚悟しておく必要があります。フリーランスに高学歴は無用の長物です。自分の体力とストレス耐性と実務能力が成功するか否かの明暗を分けることになります。
高学歴が通用するのは民間企業に就職する時だけで、就職後に実務能力が劣ることが判明すると、簡単にリストラされてしまうのが今の実情です。障害者雇用は、企業が自社のブランドやイメージを良くするための経営戦略のひとつに過ぎませんので、企業の経営状態が悪化すると、当然、リストラの対象になります。長期にわたる円高の影響もあり、大企業でも、急速に経営拠点を海外に移転しており、現地法人を設立または買収して国内拠点の機能を代替する方向にあるのが現状ですので、国内法である傷害者雇用促進法も中長期的には頼りにならないと思っておいたほうがよいでしょう。
ストレス耐性と実務能力があれば、独立開業できる職種が多数ありますので、企業への就職活動と平行して自営業も考慮に入れて、自分に合った職種を調べてみるとよいでしょう。ネット販売やライターなど自宅の一室でパソコンだけあればできる仕事で食べていければ一番よいのですが、通常は、安定した収入を得られるまでそれなりノウハウと年数を要します。
障害者年金についてですが、アスペルガーの人で障害者年金を受給している人は1人しか知りません。どうやって受給資格を取得したのかたずねると、主治医に頼み込んで統合失調症の診断書を書いてもらい、精神障害2級の認定を受けることに成功したそうです。これは不正受給ですので、本来やってはいけないことですが、アスペルガーだけでは障害者年金の受給資格を取得するのが困難だったため、方便として、そういう方法を取らざるを得なかったという事例です。違法行為ですので、決してまねしないでください。
アスペルガーの場合、障害者枠での就職や障害者年金の受給は、あくまで、最後のセーフティネットと認識しておいたほうがよいと思います。事務職をこなすだけの知的能力は十分あるのに、自分に合わないという理由で転職を繰り返す人は、アスペルガーなどの特定障害を持つ人に限らずたくさんいますので、福祉政策のうえで、知的障害がないアスペルガーの人については、どうしても後回しにせざるを得ないというのが本当のところだと思います。
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