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▼ひきこもり支援相談士さん:
>23日に内閣府から発表されました全国実態調査の結果から、
>ひきこもりが全国で70万人、ひきこもり予備軍が155万人
>にも上ると推計されております。
ひきこもりはは、恐らく古くからある程度はあったのでしょうが、日本で非常に顕在化し始めたのは、38歳の僕が属する『団塊ジュニア』というか『第二次ベビーブーム世代』が20代後半を迎えた、1990年代後半ごろからであろうかとおもいます。
僕たちの世代は、ある意味『まっすぐな直線ベクトル』というものに、いつも支配されて生きてきている世代であるような気がします。
まず住んでいる場所は、団地にしろニュータウンにしろ・マンションと、いずれも箱型の家屋構造体が、直線的に並んでいることが多いです。すると、人と顔をあわせる場所というのは、必然的に縦方向の階段か横方向の通路や道路ということになり、特別に集会やパーティなどエネルギーを使うようなイベントを開かない限り、一日誰とも顔を合わせないということが可能になってしまいます。
それでも、70年代僕が幼かったころの団地は、5階建てくらいで広場があり、母たちもそれなりにコミュニケーションはあったし、僕もそれなりに遊びができる子供の集団の一員でした。でも、10代の後半になったころには、かなりの世帯がより広い居住空間を求めて去っていってしまいました。友達は徐々に消え、次第に僕は、無機的なジャングルジムの中に取り残されて孤立しました、このことは、同世代や一つ上がどのように世の中を渡り歩いているのかを知るチャンスを、確実に奪いさってしまったような気がします。
僕は今は、14階建てのマンションの一室に、母と暮らしていますが、何せ横方向が150m以上、高さ15m以上もある、巨大な構造体ですので、未だに民生委員さんとはもちろんのこと、2階より上・お隣のそのまたお隣という方になると、ほとんど顔を合わせたことがないです。とにかく壁一つ向こうは外国で、人と付き合うにはものすごいプレッシャーがかかるのです。
もう一つは、家と学校と職場という、交わらない並行ベクトルです。この3者は本来かなりの連続性をもっているはずですが、僕たちの世代では、本当に全く違った時間的なベクトルの中にある世界で、子供は職場に行っている父あるいは母のことはごく限られた情報のみしか分からないですし、逆に親たちは子供はどう学校で過ごしているか分からないわけです。
このことは僕たちの世代に、『一体何を努力すれば、幸せに結びつくの??』という強い疑心暗鬼さを、がっちり植えつけてしまいました。
そして今ひとつ、確実にひきこもりの元凶となっているのは、『仕事→お金を稼ぐこと』というベクトルです。この考えでは、企業に利益をもたらさない人間は、切り捨てられるし、そのことを強く意識する人はいつも強いストレスに晒されるわけです。
本当は、『仕事=世の中がより良い方向へ動くために活動する営み』であるはずです。そしてお金というのは、それに対する見返りの一つの形態でしょう。でも、一方で、家族を養う・家を建てる・食べる・清潔を維持する・病から体を守るetc.とにかく人間の生命を維持することすべて金です。
ひきこもりは、ある意味、この矛盾感に対する、抗議てきな行動なのかもしれないです。
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