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▼きっこさん:
はじめまして。
非定型自閉症の9歳の息子をもつ母親です。
息子も言葉に遅れがあります。
6歳で医療機関を受診したのですが、初診の時、医師から「幼稚園はどう?」と聞かれた息子は「ジャングルジム」と答え、知能検査の時には、「バケツに雑巾、ちりとりに?」の質問に『掃く』と答えました。正解は、もちろん『ほうき』です。
先の質問では、息子は「園庭のジャングルジムで遊ぶのが楽しい」と言いたかったのかもしれません。
質問されていることに対して、頭に浮かんだ情景から思いついたもの(単語)を即答してしまうので、言葉が足りないのだと思います。
>しかし、悲しい事に世の中はそれでは認めてもらえない事が多いですよね。
>大人の望む返事が出来てこそ、大人の望む態度を取ってこそ、良い子と認められる世の中ですよね。
>
>子供の純粋な感じ方、捉え方は私や旦那がしっかり受け止めるように心構えを持つ事にして、それとは逆に一般社会でのやり方、考え方をパターンで教えていくしかないのでしょうね。
低学年の頃は、かえって型にはまっていない答えのほうが、子供らしくておもしろい時もあるかと思います。
6〜7歳の頃は、定型発達のお子さんでも、まだ会話がヘタで何を言ってるかよくわからないお子さんは周りにもチラホラいます。
そういう子供に対して、学校の先生にしても親にしても、大人は質問の言い方を変えたり、子供の言っていることをくみ取ってあげるので、小さいうちはそれほど問題はないかもしれません。
ところが、段々学年が上がってくると、子供同士で対等の会話が成り立たなくなってきて、家の息子はそれが原因でイジメを受け、仲間はずれにされるようになってしまいました。それでチックがひどくなり、自己肯定感も低くなってしまいました。
私は悩んだ末に、以前は質問の言い方を変えて息子が答えやすくしたり、言いたいことをくみ取ってあげて、息子に言葉の遅れを意識させないようにしていたのを、逆に「何を言いたいのかわからない」とはっきり言うようにしました。正直辛かったです。
でもその上で、どうしたら相手に伝わるように話せるか、会話のコツを教えるようにしました。
例えば、
「今日の天気は何?」の質問に、「朝」と答えたら、
「”朝”は天気を表す言葉じゃないから、”朝”じゃわからないよ。」
「『朝みたいに気持ちがいい天気』なら、まだわかるよ。」「今度から”みたい”ってつけてごらん。」とか・・・、息子の発言に対して、いちいちダメ出ししていました。
でも、決して息子の言っていることが答えとして間違っているとか、否定はしなかったつもりです。
そんな家庭内療育的なことを続けてきたお陰でしょうか、息子もずいぶん話し方が上達してきました。
語彙が増えてきたのも関係があると思います。
3年前に比べると、おしゃべりになってうるさい位です(苦笑)。
でも、自閉的な子供は感受性が豊かだったり、発想がユニークだったりするので、会話が成り立てば話していても楽しい事も多いです。
昨年は担任の先生から、「○○君(息子)の言うことは、言葉に深みがありますね。」と仰って頂きました。
定型発達でも最近の子供は、「別に」「うるせー」「だりぃ(だるい)」「うざい」などの言葉しか使わず、あまりしゃべらない子が多いそうです。
3年前には、ちょっと考えられなかったですね。
『言葉は大切なコミュニケーションツール』であることを、意識して息子に伝えてきてよかったなぁ・・・とつくづく思います。
私の経験談を長々と書かせていただきましたが、少しでもご参考になれば、幸いです。
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