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>見出しに発達障害と出ているし、記事内にアスペルガー症候群と出ているし、
>かつての長崎の事件での「少年は自閉症」という鑑定結果報道を思い出させる問題のある記事だと思いました。
6月3日の毎日新聞に、
「記者の目:発達障害がある人の犯罪と矯正 野沢和弘」
という記事が載っていました。
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20100603k0000m070116000c.html
ご存じの方もいるかもしれませんが、野沢和弘記者は自閉症のお子さんがおり、自閉症や発達障害の取材や講演などを精力的にされている方です。
この記事は発達障害と犯罪報道の鋭い問題提起をしていて、興味深い内容でした。
(記事より一部引用)
『なんとも不可解に思える事件で検挙された人に発達障害があったとき、刑事手続きのあり方やメディアの報道をめぐってよく論議になる。その問題を考えてみたい。
…7年前、4歳児が裸で立体駐車場から発達障害ありとされた少年に突き落とされた事件では、地元新聞各紙が3日連続1面トップで障害名を報じ、障害者の家族や支援者からマスコミ批判が起きた。
そのころから報道は変わった。自宅に放火して家族を死なせたり、母親に毒物を盛って衰弱していく様子を観察したり、若い姉妹を惨殺したり……。これらの事件でも容疑者に発達障害があると診断されたが、障害名が大きく報道されることはなかった。
…英国に比べ日本のマスコミはまだ抑制が利いていると思う。当事者団体やNPOの取り組みも弱いので、この問題が政治課題として注目されることもなく、予算も付かない。批判されなければマスコミは安心だし当事者団体も楽だが、被害者への同情が膨張する裏側に、「ゆがんだ障害者観」が張り付き、いつか偏見が腐臭を放つことになりはしないか。センセーショナルな報道には反対だが、批判を恐れて書かないことは問題を潜在化させるだけだ。…』
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