アスペルガーの館の掲示板（旧）

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　こんにちは。
　連休中は皆さんそれぞれにお忙しいのでしょうね。
　学習意欲をかきたてられるこの掲示板におじゃますることができて、毎日が楽しいわたしです。

　ＡＳの妻もどきさん、青りんごさん、マザーさん、他子供さんたちの教育に熱心に取り組んでいる皆様がた、多くの仲間に出会えて本当にうれしいです。
　またＡＳのひとりとして、わたしの自分さがしの旅はつづきます。これからも、よろしくおねがいします。

　Mariaさん、先生になってくださってありがとうございます。
「生きていることのすべてが勉強なんだよ。学校で教科書をひろげてノートに書くことだけが勉強じゃない。教科学習にとらわれないで、ひろい学習をしてほしい」と娘に言いつづけてきた甲斐あって、きょうは娘から「あたし一年生になったときは学校でするのが勉強だと思ってた。でも生きていることが勉強だって、すこしわかった気がする」ということばをもらえました。なによりの幸せです。

　「ファインマン物理学Ⅴ量子力学」の本が手元にあります。ご近所から借りてきて２年になりますが、わたしには歯がたちませんでした。基礎学習がたりなくて、ついていけないのです。「量子論」「宇宙論」等の読みやすい解説書どまりが、わたしのレベルです。でも、娘にきっかけを与えてやることくらいはできるだろうと考えています。

　今年のＮＨＫスペシャルは『宇宙』だし～、こりゃ～願ってもないチャンスじゃ～ん♪とばかりに娘に誘いをかける母なのでした。宇宙の成り立ち、地球の生い立ち……この世は不思議で満ちてるよ！　楽しく生きよう、お嬢さん（＾ｏ＾）

　　　　　　　　　それでは皆様また７日ころ……　　失礼します。

武田好史さん wrote in No.4518:
＞　カップを日向においておくなんていうまどろっこしいことをしなくても、
＞ふた付きのフライパンがあれば直ぐに実験できます。

Maria wrote in No.4525:
＞　つまり、この学習は「水の三態」あるいは「水の相変化」について学ぶの
＞ではなく、「水の循環」について学ぶための基礎、ということになります。

　というわけで、やっぱり日光にあてて蒸発させてやんないとダメみたいです。ソーラーオーブン（太陽熱利用の調理器具）使って、海水から塩でも作りましょうか。

Maria wrote in No.4519:
＞水１４グラムは、常温常圧で２２．４リットルの水蒸気になります。
　痛恨のケアレスミス。正しくは、
＞水１８グラムは、常温常圧で２２．４リットルの水蒸気になります。
です。水のモル当量を間違えるとは。とほほほほ……

Maria wrote in No.4513:（カキコ向上計画）
＞……わりと好きだったりする(^_^)。（←あたしが顔文字を使うときは、
＞だいたい「似合わないなー」と思いながらちょっと無理して書いてい
＞るときが多い）　　　

青りんごさん wrote:
＞そんなことないですよ。どんどん使ってください。（笑）

　ちょっと誤解を招いてしまいました。ごめんなさい。これは「顔文字が似合わない」のではなくて、「言っていることが似合わない」ときの話です。

　KILROYさんとかMotoさんとかと違って、あたしは「文体で勝負する派」なんですよ。もともと大森総研の他のメンバーはかちっとした「です／ます調」や「である調」を使っているんで、顔文字とか使わないと情感みたいなものが伝わらなくて誤解を受け、喧嘩になりやすいというので「顔文字積極利用派」だというところもあります。

　ですが、あたしの場合、「ことば」そのものの力というのを大事にしようと思って文章を書いているところがあります。その意味で、「女のことば」というのは「情のことば」であるように思います。紀貫之の『土佐日記』なんていうのは、そのあたりを意識してるような気もするし。（ふと思ってしまった。清少納言って本当に女だったのかな。男性のペンネームだっていう可能性ってありそうに思うけど。）

　で、「これはもうどういう書き方をしても、あたしが心の底からそう言っているようには聞こえない」発言、なんかあたしが憤慨したり皮肉を言ったりしているように聞こえてしまいそうな発言のときだけ、顔文字を使う、というふうに、決めている……わけじゃないな。自然にそうなっちゃいました。あと、縦書きの文章に慣れているせいもあるんですけどね。

　－ Maria －

Mariaさん wrote:
>
>　魔女の箒
>
>　魔女は “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” にまたがって空を飛ぶという。このあたりが、じつは謎である。
>
　話題ハンターのMariaさんへ
　ほうき一本でここまで書いてくださるとは……どえぇぇぇぇぇぇぇ（＾＾；；

　わたしやっぱり「おかあさんをほうきに乗せて空とんでよ」を撤回し、
「自分にぴったりのほうきが見つかるまで何度でも乗りかえなさい。いらない
　ほうきは、おかあさんが叩き折ってあげます！」と言いかえることにします。
　　　（冗談ですってば！　本気にしちゃいけませんよ）

　　　　　　　　　　　『落花流水の情』には無縁の、あさかぜより

　魔女の箒

　魔女は “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” にまたがって空を飛ぶという。このあたりが、じつは謎である。

　普通の人は「空を飛ぶ魔女」の姿というと、ふつう「黒の鍔広のトンガリ帽子に黒い服の老婆が、庭を掃く竹箒のような恰好の箒にまたがって空を飛んでいる」姿を想像すると思う。だけど、こういう魔女のイメージはどうやらルネッサンス期以降にできあがったものらしい。あたしたちが「魔女の時代」として想像する中世においては、「空を飛ぶ魔女」のイメージというのは、全裸の若い女性であることが多いのである。それに、悪魔の背に乗って飛ぶとか、悪魔の使いである馬の背に跨ってとか、そういう例がほとんどだ。「箒」という例は、あまり聞いたことがない。それ以外にも問題はある。 “ｂｒｏｏｍ” というのは、箒といっても「手箒」のことなのである。
　と、すれば。文献の記述に忠実ではないということになる。とはいえ、「全裸の若い女性が手箒にまたがって空を飛んでいるの図」というのは―

　「―わからん。」
　聞こえるように言うのを、本当は“独り言”とは言わないのだろうけど。
　「わかんないよぉ……」
　長椅子の納屋さんは、それでも新聞から目もあげずにいる。あたしは床をずるずると這いずるようにして、納屋さんの足元に移動する。
　「わ・か・ん・な・い・よぉ」。つんつん、とかいって、シャツの裾を引いてしまう。
　「はいはいはいはいはいはい」。多少イラついた態度で納屋さんはばさばさと新聞をたたみ、それから長椅子にあたしの場所を作ってぼんぼんと叩く。「で、何がわかんないの」
　「魔女というのは、箒の柄にまたがって空を飛ぶといいますよね？」
　あたしは納屋さんの隣の定位置に納まる。
　「絵なんかで見ると、だいたいそうなってますね」
　「あの魔女の絵にあるみたいな、庭掃除に使う竹箒みたいな恰好の箒っていうのは、英語だと “ｂｅｓｏｍ” っていうんですよ。だけど英和辞典を引くと、『魔女は “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” にまたがって空を飛ぶ』と出ているわけです。なんか気になりません？」
　「 “ｂｒｏｏｍ” っていうと、手箒ですよね。日本でいうと荒神箒みたいなやつ」
　「『荒神箒』って、柄がないっていうか、柄まで箒草でできてませんでしたっけ。いわゆる手箒とは違くありません？」
　「荒神箒っていうのは竈の灰を掃除する箒だから、本来は材質とか形状とかじゃなくて用途の差なの。荒神様というのは竈の神様で、その神様がいる場所だから、不浄の場所を掃除する箒とは区別するわけ」
　「つまり、神聖なものだっていうことですか」
　「神聖というより、清浄なものだということだろうね。穢れを祓うという意味では、普通の箒だって神聖な道具だから。他にも『追出す』『掃出す』っていう意味の呪具だったというのがある。日本じゃ安産を祈願するために箒を立てておいたり、長居した客が早く帰るようにっていうんで立てておく」
　「長谷川町子の漫画で見たような気がしますね、それ。『サザエさん』とか『いじわるばあさん』とか」
　「で、 “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” でしたっけ。それのどのあたりが疑問なの」
　納屋さんは、話題をきっちり返してくれるので楽だ。やっぱりディスカッション慣れしているのだと思う。納屋さんのお友達もシステムエンジニアだとか技術系の研究者だとかいったひとが多いので、話していても呼吸が楽な感じがする。「いわゆる世間一般でいう普通の人」（もちろん皮肉で言ってます）と話していると、話題はことごとく尻切れ蜻蛉で終わってしまうわ、話の腰はぼきぼき折られるわで、ストレスばかりが溜まってしまう。「あんた、いつもそんな小難しい話ばっかりしてて面白い？」とか面と向かって言う人もいるけど、そういう人に対話の面白さを説明しようとしても無駄だと思うことにしている。
　「だから、なんで魔女の箒は “ｂｅｓｏｍｓｔｉｃｋ” じゃなくて “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ”　なんだろうかと」
　「 “ｂｒｏｏｍ” には『エニシダ』という意味があるでしょう。『箒の柄』じゃなくて、『エニシダの棒』だということはありませんか？　エニシダって薬草だし（註１）」
　「なんに効くんですか？」
　「枝を煎じたものに子宮の収斂だとか、陣痛の軽減だとかいった作用があるとか……ただし作用が強力なんで専門家でないと使いこなせないらしい。魔女というと産婆と重なるところがあるから、さっきの安産祈願っていうところに結びつくんじゃないかな」
　「それだと『空を飛ぶ』っていうのから外れちゃいません？」
　「それはあるな。で、もう一つ気になったのが、そもそも『箒の柄』っていうんだったら “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ”　じゃなくて “ｂｒｏｏｍｈａｎｄｌｅ” のほうを使いそうな気がする。 “ｓｔｉｃｋ” だと、『柄』というより『棒』でしょう。 “ｂｒｏｏｍｈａｎｄｌｅ” は知ってます？」
　「そういう質問のしかたをするということは、単純に『箒の柄』じゃあ、ないんですね？」
　「一応は『箒の柄』という意味もあるんですけど、もっと一般的に、お茄子みたいな形の手元の部分が太くなった握りのことをいいます。あとは俗語でディルドーのことをいいますね」
　「ディルドーって、何でしたっけ。聞いたことあるような気もするけど」
　「日本でいう張型というやつです。だから “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” っていうのが “ｂｒｏｏｍｈａｎｄｌｅ” の形をした “ｓｔｉｃｋ” 、すなわち張型だっていう連想はありうると思う」
　「そうすると、『魔女は箒の柄にまたがって空を飛ぶ』というのは、もともとエッチな意味だった？」
　「どうなんだろう。だけど、それだと『跨る』というのがわからない」
　「……女性上位とか」
　「最近では、『女性騎乗位』という名称が一般的だそうですけどね」。こういう知識はどこで仕入れてくるのだろうかと思ってしまう。「ただ、『跨る』っていう場合は―英語だったら “ｒｉｄｅ”　なんだろうけどね―『張型』ではなく『男性の肉体そのもの』、つまり『男性のシンボル』と解釈するのが自然なような気がする」
　「ちょっと……その話は置いといて、もっと他の面から検討してみません？」
　このまんまだと、なんとなくまずい方面に話題が行ってしまいそうな気がする。
　「……そのほうが賢明みたいだな。そういえば、『魔女が空を飛ぶ』というのは、薬物の作用だったという説がありますね。『空を飛ぶ』『動物に変身する』『サバトに参加する』『五芒星が魔女のシンボルになっている』っていうのが、これで全部説明できるそうです」
　「だって、薬で空を飛んだりとか、動物に変身したりとかは、できないでしょう？」
　「別に第三者が見て飛んでいるように見えるんじゃなくて、魔女本人に空を飛んでいるような感覚があるということなんですよ。あるいは動物に変身したような感覚がある。専門家が当時の処方を再現して実際に試したところ、確かにそういう作用があることが確認されたそうです」
　「それって、ちゃんとした科学的な裏付けがあるんですか？」
　「『魔女の軟膏』については、薬学関係の専門書（註２）を見ればちゃんと出てますよ。これはヒヨスだとかベラドンナだとかいったナス科植物を油脂で煮込んでアルカロイドを抽出したものなんだそうですが。主に鎮痛とか吐気止めの作用があって、生理痛だとか悪阻だとかに効くという。五芒星が魔女のシンボルになっているっていうのは、ナス科植物の花の形が星型をしてるからだそうです。だいたいナス科の植物というのはほとんどが毒草だから、トマトがヨーロッパに伝えられた当初は毒草の扱いだったらしい」
　「逆にトマトが媚薬だっていう話もありましたよね？　『愛の林檎』とかっていう別名があったとか」
　「イタリアでしたかね、あれは。たぶん、旧約聖書の『創世記』に『恋茄子』（註３）という名前で出てくるマンドレークからの連想だと思う」
　「マンドレークって、マンドラゴラでしょう。人間みたいな形してるんじゃないんですか？」
　「それは根っこの話。実だけ見るとプチトマトとそう変わらんらしいです。マンドレークは地中海沿岸に分布してるから、フランスとかドイツとかいったヨーロッパの北のほうだと根っ子の乾したのしか見る機会がなかった。それでいろんな伝説ができたらしい」
　「朝鮮人参みたいなもんですか」
　「たぶんね。で、さっきの『魔女の軟膏』の話に戻るわけですが、皮膚の柔らかい部分とか粘膜に大量に塗りこめると、幻覚を起こす。主成分がスコポラミン……“スコポラミン”というのは商品名だから、正確には“ヒヨスチン”でしたか。これは第二次世界大戦中にナチスが自白剤に使ったといわれる薬物でね、精神的な抑圧機構を緩める作用がある。要するに抑圧が外れて酒乱状態になるわけです。そうすると被動感というか他動感というか、『身体が勝手に行動している』というか、『誰かに身体を乗っ取られた』というか、『誰かに操られている』とか、そういった感覚があるわけです。これがいわゆるリュカントロピー、人狼化現象という奴なわけです。『動物に変身する』というのはこれであると。で、自白剤というのはこのリュカントロピーを起こす薬なんですよね。だから媚薬としての効果もあると云われてます」
　「自白剤と媚薬って、同じものなんですか？」
　「だから、抑圧が外れて大胆になるわけ」
　「……そうすると、性を抑圧してない女性に媚薬は効かないということですか」
　「そうなりますね。お嬢さんなんかは逆に凄いことになったりして」
　「覚悟しといてください」
　にひひひひ、とか顔を見合わせて笑いあってしまったりして。なにがなんやら。
　「で、それ以外の作用としては、『空間識の失調』というやつがあります。自分の身体がベッドからふわふわ浮いて天井が目の前にあるような感覚が起こったり、床と天井の感覚が逆転したりします。『魔女の軟膏』の別名である『飛行軟膏』というのはここから来ていると。で、これを逆手に取って乗り物酔いの薬にも使われます。アメリカの航空宇宙局では、湿布薬として宇宙酔い防止に使われてます。無重力状態でゲロ吐いたら溺死しますからね、これはかなり深刻な問題であると」
　「ところで、なんで『軟膏』なんですか？」
　「アルカロイドは肝臓で分解されやすいんですよ。そもそも肝臓は解毒をつかさどる臓器で、毒素というのは胃腸から吸収されることが多い。そういうわけで、胃腸から出てる静脈はまず肝臓を通るんです。だから経口投与すると肝臓で分解されちゃって効果が薄いのと、肝臓に負担になるという欠点がある。注射以外の方法を取るとすれば、皮膚や粘膜から吸収させるか、あとは舌下錠か座薬といったところでしょう。ニトログリセリンはアルカロイドじゃないけど、あれも肝臓で分解されちゃうから舌下錠か貼付薬だし。舌下錠は効果が早く出るし、軟膏や貼付薬だと効果が安定して持続する。座薬は大量投与に向くといったところかな？　で……『空を飛ぶ』、『動物に変身する』……あとは何だっけ。そう、『サバトに参加する』」
　「つまり、サバトっていうのは一種のドラッグ・パーティーだったと」
　「そうではなくて、これも薬の作用だそうです。『見当識の失調』というのを起こして、『私はだれ』『ここはどこ』状態になってしまうという。だから、『空を飛んでどこかに連れて行かれてしまう』という感じになるわけです。『悪魔と交わる』というのも同じでね、日本にはハシリドコロというやっぱりヒヨスチンを含む毒草があるんですが、別名を『おにみるくさ』というんです。つまり、妖怪だとか鬼だとかの幻覚が現れるわけ。周りの人間がみんな鬼に見えるとかね」
　「覚醒剤中毒なんかで、あるらしいですね、それ。出刃庖丁持って通り魔殺人とか」
　「そうそう。電算関係の用語で、メモリの内容をぶち壊しながら制御が走ってくタイプの暴走のことを“アモク”っていうじゃないですか。あの語源になったのが、その状態。ハシリドコロの『走る』というのは、狂乱してうろつき回ることを言うらしいです。あるいはハシリドコロの別名に『おめきぐさ』というのがあって、『おめく』というのは『わめく』という意味だし。だから、人狼というのは、そういう状態だと」
　「?人狼?っていうと、狂犬病の発作だっていう説もあるでしょう？」
　「症状としては同じということなんじゃないかな。けっきょく、神経にくるという点では共通してるわけだから」
　「―なるほど。」
　「―うん。」
　……静寂。
　「―で、魔女の箒。」
　あたしが言うと、納屋さんが、うなだれる。
　「―けっきょく何も解決しとらんということか。つまりは軟膏と関係のありそうな『箒の柄』なるものが見つかればいいわけだろ？」
　「そう」
　「箒の柄に油を塗りつけて云々、という話は聞いたことがあるけどね。それでどうするかというと……生殖孔に挿入するくらいしか思いつかないな」
　『生殖孔』という表現が、理科系だと思う。
　「ただ、それだったら別に膣粘膜じゃなくって直腸粘膜だって構わないわけだし、それならむしろ潅腸器かなんか使いそうだし……必然性がわからんな」
　「気持ちいいとか、そういうのって、ないですか」
　「ないだろうね。コカインだったら局部麻酔作用があるから、女性だったら痛み止め、男性だったら早漏の予防効果が期待できるけど……気持ちよくはないだろうし。強いて理由を探すとすれば……粘膜の面積が広いという点と、間口が広いという点かな。なにしろ人間が一人通っちゃうわけだから」
　「なんか、凄いこと言ってません？」
　「だって、赤ん坊だって人間だろ？」
　……衝撃の事実。確かにそうだ。
　「どうした？」
　「どうしよう。あたし、産める自信ない」。自分でも狼狽しているのが分かる。
　「男の私に訊かれても、ちょっと返答に詰まってしまうのだが」
　「そんなぁ！　父親でしょう？」。思わず指さして非難してしまうあたしである。
　「……こういう言い方もなんだけど、『父親』とか言われても、まだヤッてもいないんですが」。言われてみればその通り。「まあ、『案ずるより産むが易し』くらいのことは言えるけど」
　「助言として、ほとんど役に立ちませんね」
　「しかたないでしょう。出産において、男というのはおおむね役立たずなわけです。せいぜい分娩室の前の廊下を青い顔してうろうろするくらいしか能がない」
　「感情的な発言に、理性的に答えないでください。なんか腹が立ちます」
　抱き寄せられて、よしよしよし、とか頭を撫でられて宥められてしまう。それで落着いてしまうあたしもあたしだと思う。
　「……ともあれ、困りましたね」
　「別に解らなくても困るような問題じゃないと思うけど、確かに不愉快だな」
　同じことだと思う。べつに構わないけど。
　「でも、 “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” というのが張型のことだというのは、間違いないですよね？」
　「だから、そうやって安易に結論に飛びつくと、だいたい失敗するんですよ。確かに民俗学的には自然な解釈ではあると思いますけどね。箒の柄が男性器、幻覚体験がセックス、軟膏が精液の隠喩になっているというのはありそうだし」
　「あたしはそれで十分だと思いますけど？」
　「だけどさ、だったら “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” じゃなくて、もっと直接的に “ｂｒｏｏｍｈａｎｄｌｅ” のほうを使いそうな気がする。なぜ “ｈａｎｄｌｅ” じゃなくて “ｓｔｉｃｋ” なのか。そこを解決しないと駄目なんじゃないの？　それに、手箒がどこで床用の箒になっちゃったかというのも、考えてみれば謎だし」
　「公序良俗に配慮したというのは、あるんじゃないでしょうか」
　「あるいは、あまり大っぴらに説明できないもんだから、伝わってく途中で情報が歪んでしまったとか」
　「あるいは、もともとは外国語で、翻訳の過程でおかしくなっちゃったとか」
　「どうなんですかね。魔女狩りが盛んだった地域だと、魔女を話題にすること自体が危険だったでしょう？　だからスペイン、フランス、ドイツあたりはかなり危ない。その点イギリスは英国国教会でカトリックからは独立してたから、民間伝承として広まりやすかったという可能性はある。あとは原則的にプロテスタント国家だったオランダとかね」
　「逆の可能性はありませんか？　軽々しく話題に上らせられないからこそ、曖昧な形で伝えられてって、結果的に情報が歪んじゃったとか」
　「それだと結果的にはさっきの『公序良俗』説とそう変わんないと思うけど。それに、そうやって可能性を広げてくと、ますます問題の解決から遠ざかっちゃうでしょう」
　「ううううう」。確かに自分で自分の墓穴を掘っている。
　「だいいち、『エニシダの棒』説もまだ完全に否定されたわけじゃないし」
　「それは棄却してもいいでしょう。飛行軟膏との関連があるわけだから」
　「……駄目だな。」
　納屋さんは大きく息をついて天を仰ぐ。
　「そんなぁ……納屋さん、厳密すぎます」
　「いや、『駄目だ』というのは、結論が出ないということ。『エニシダの棒』説は、確かに根拠に欠けると思う。それなら堕胎薬としての伝承かなんかが残ってそうだしね」
　「じゃあ、結論は保留ですか」
　「保留ですね」
　珍しく、空振りである。『こういうこともある』と、思うしかない。

　「わかった」という電話を貰って納屋さんの部屋を訪ねると、用意されていたのはドイツ語の辞書だった。
　「申しわけない。お嬢さんの外国語起源説が出た段階で、文献をチェックすべきでした。情報収集を怠った私のミスです」
　「“怠った”っていうほどのことは、ないと思いますけど」
　「いえいえ、これは明らかに私の怠慢です。和独辞典も独和辞典も目の前の本棚にあったんだから」
　このあたりが律義だと思う。
　「で、ですね、このドイツ語の “Ｂｅｓｅｎｓｔｉｅｌ” が『魔女の箒』の正体です。 “Ｂａｓｅｎ” が?箒?、 “Ｓｔｉｅｌ” が?柄?。字面からいうと “ｂｅｓｏｍｓｔｉｃｋ” に似てるし、意味の上では “ｂｒｏｏｍｈａｎｄｌｅ” と同じ。字面から判断して絵を描いた奴がいて、ドイツ語はちょっと知ってるけど現物の “Ｂｅｓｅｎｓｔｉｅｌ” をよく知らない奴が “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” と訳した」
　そうかなぁ。それも安直な結論のような気がするけど。
　「それって、根拠は？」
　「まず、英語の大きな辞書がなかったんで、図書館へ行ったんですよ。そうしたら英語の “ｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋｍａｒｒｉａｇｅ” には、『簡便な結婚』という訳のわからない訳語があるというのが分った。 “ｊｕｍｐｏｖｅｒｂｒｏｏｍｓｔｉｃｋ” は、『簡便な結婚をする』。これって、ひょっとしたら『ヤッちゃった婚』なんじゃないかな？」
　「それで？」
　「それで、ドイツ語の辞書です。見てください。熟語で “ｓｔｉｅｆ　ｗｉｅ　ｅｉｎ　Ｂｅｓｅｎｓｔｉｅｌ．” 」
　直訳すれば、「箒の柄のように硬くなって」。意味は「しゃちほこばって」とある。
　「つまり、『しゃっちょこばる』というのは、『人がコチコチに硬くなった状態』でしょう？　そこで、人体の一部で、硬くなって、箒の柄のように先が太くなっているものといえば―」
　「―あ。」

　（了）

註１）エニシダ
　マメ科。南ヨーロッパ原産の落葉低木。日本には十七世紀頃に長崎経由でヨーロッパから渡来した。ラテン語のゲニスタがオランダ訛りになってヘニスタ、それが日本語のエニシダになったという。枝にはアルカロイドのスパルティン、サロタミン、ゲニスティンなどを含み、ヨーロッパでは枝を煎じて強心利尿薬として用いた。硫酸スパルティン製剤は強心剤、あるいは子宮収斂不全や陣痛微弱の改善に用いられる。

註２）薬学関係の専門書
　たとえばジョン・マン著、『殺人・呪術・医薬　毒とくすりの文化史』などを参照されたい。

　ジョン・マン著／山崎幹夫訳、『殺人・呪術・医薬　毒とくすりの文化史』、東京化学同人、１９９５、ＩＳＢＮ４－８０７９－０４２８－０

註３）恋茄子
　『創世記』、三十章、第十四節から第十六節。受胎の促進作用があったということになっている。

こんばんわ
きました。きました。例のトロイの木馬君が・・・。キロイさんのお陰で回避
出来ました。ありがとうござました。教えて下さって。

このところ、ゴールデンウィークに入り、私は自分の時間がまったくなく
せっかく買った本も読めない状態。教育論で皆さん盛り上がっているのに
寂しい・・・・。
いっぱいカキコしたいのになあ。ガーデニングにまだまだ時間とられそうですし
また、七日すぎたら、割り込みに参ります。では、皆さんまたね。
キロイさん、あさかぜさん、青りんごさんまたね。良い休日を。

　リチャード・ファインマンさんという、たしか湯川秀樹さんと一緒にノーベル物理学賞を取った理論物理学者のひとが、『「ご冗談でしょう、ファインマンさん」』という本の中で、アメリカのカリフォルニア州で数学の教科書の選定にかかわったときのことを書いています。で、その内容のひどさ、その選定の実態のひどさについてめちゃめちゃこき下ろしています。
　そのファインマンさんには、『ファインマン物理』という、名著といわれる物理の教科書があります。

　数学者の遠山啓先生は、娘さんの算数の教科書を見て、その内容のひどさに憤慨し、研究の道を捨てて数学教育に身をと投じました。そうして作られた教科書、『みんなのさんすう』もやはり古典と言われています。ですが、教科書検定で何度も不合格にされ、ついには広域採択性によって駆逐されてしまいました。この『みんなのさんすう』廃刊に関して、「水道方式つぶし」といわれるいろいろな政治的な圧力が働いていたというのは、わりと有名な話です。

　文部省の学習指導要項というのは、あたしが見るところ、そう悪くはないと思っています。問題は、それを教えるカリキュラムが整備されていないことと、教科書検定制度が政治的な問題や教科書ビジネスと結びつくことで歪められていることにあります。

　ですから、そういう歪みの犠牲者として、「学校教育制度」というものから「落ちこぼされてしまう」子供というのが、どうしても出てきてしまいます。

　ところが、普通の親御さんというのは、いわば子供を人質に取られているようなものなんですね。しかも、「教育」というものの正体が、よくわからない。だもんだから、学校教育にも口出しができない。だから学校教育がよくならない。こういう構図です。

　そんなわけで、所長さん率いる大森総合研究所は、遠山啓先生が開発した「水道方式」とソフトウェア開発技術を武器に、小学校の算数における一大人質救出作戦を展開し、「教育」というものを親と子供の手に奪還しようと思っていたりなんかするわけです。

　（もう一つのターゲットは、中学校の日本語文法教育です）

　ところが……肝心の親御さんが、「教育」というものが本来親と子供のものだ、ということを、分かってくれてないんですね。はなっから「学校にお任せしなければいけないこと」みたいに思っているんです。

　いいですか？　小中学校の教師なんていうのは、大したことを教わってるわけじゃないんですよ。それに、一人一人の生徒をちゃんとフォローするほどの時間も能力も持ち合せていません。

　小学校の４年の理科では、「空には、明るさや色の違う星があること」というのを教えることになっています。「じゃあ、明るい星と暗い星、赤い星と青い星は、どこがちがうの？」と質問されて、ちゃんと答えられる先生は、まず小学校中学校にはいらっしゃいません。
　（なんならヘルツシュプルングとラッセルの図とか、主系列星と赤色巨星と白色矮星とか、スペクトル型だとか、p-p反応とCNOサイクルとか、そういった話をしてもいいんですけど……まあそれは置いておきましょう）

あさかぜさん wrote:
＞「あたし、星のかけらのほうがいい」「じゃ、そうしとこう。目に見えない
＞宇宙のかけらが、長いながぁい時間をかけて集まって、星になることもある
＞んだから。星のかけらでも悪くはないと思うよ」

　じつは、人間というものは、そもそも星のかけらでできているんです。宇宙空間には、もともとは水素と中性子と電子くらいしか、物質はありませんでした。で、それが集まって、ようやくヘリウムというものができあがったんです。

　そして、大きな大きな星の中で炭素ができ、窒素ができ、酸素ができ……といろんな物質ができて、とうとう鉄ができました。で、この星の芯になっている鉄が、「光分解反応」というのを起こして、エネルギーを吸収して「ぐしゃっ！」と潰れたんです。そうすると、周りの物質が一気にそこに落込んで、「超新星爆発」というとんでもない規模の爆発がおきます（一六〇四年のケプラー新星は、よりにもよって火星・木星・土星が会合していたへびつかい座に出現したものですから、「すわ、キリスト再誕か！」とヨーロッパのキリスト教世界に一大パニックを引き起こしました）。

　……で、私たちの身体を構成している炭素・窒素・酸素といった物質は、超新星爆発によって宇宙空間にまき散らされた「星のかけら」そのものなんです。

　子供にそういうこと教えてやれなくてどうする？と思うんですけど、先生のほうもそこまで暇じゃない、というところがあったりすます。もちろんあたしだって暇じゃないんだけど。

＞「大きくなったら何になりたい？」と聞けば「だれにも内緒だよ」と約束した
＞うえで「あのね、魔法使い！」と答える娘がいとしくて、「そりゃあ、けっこ
＞う厳しい道のりだねぇ。むずかしいけど、あんたならなれるかもしれん。もし
＞うまくいったら、おかあさんをほうきに乗せて空とんでよ」と本気でお願いし
＞てしまうのですよ。「え～、おかあさんて重いからムリなんじゃない？」「そ
＞んなことないよぉ、がんじょうなほうき作ってよ。強い魔法使いになればいい
＞じゃん」「あ、そうか」

　じつは、うちの所長さんも、「魔法使いになりたかった」一人です。で、いまやコンピュータの世界では、「魔法使い（ウィザード）」と呼ばれるひとであり、占星術から生まれた天文学、錬金術から生まれた化学、魔女たちが長い時間をかけて貯え、整理してきた薬草・毒草に関する知識をもとに構築された薬学といった知識をそなえた「現代の魔法使い」だったりします（ついでに心臓病持ちで、中世にイギリスの魔女が使いはじめたといわれるジギタリスのお世話になってたりもします）。
　で、現在でも所長さんの魔術への取組みは続いておりまして、「魔女狩りはなぜ行なわれたのか」について、社会心理学や精神医学や薬学の方面からいろいろとアプローチしていたりもします。

　だけど……「自分の知りたいことを追い求める」っていうのは、所長さんのような特別なひとにだけ許されたことでもないし、謎の入口はどこにでも存在して、ちょっと人通りのないところをうろうろしていると、けっこう大きな謎が大口を開けていたりするんです。

　たとえば、なんで魔女というのは箒の柄にまたがって空を飛ぶか、考えたことがありますか？　それに、そもそも魔女が空を飛ぶのに使う「箒の柄」というのは、「ブルーム・スティック」なんです。「ブルーム」っていうと、「手箒」なんですよね。絵本なんかで魔女が空を飛ぶのに使っている箒は、「ビーサム」といいます。だけど、どの英語の辞書を引いてみても、魔女の箒は「ブルーム・スティック」なんです。「手箒の柄」であって、決して庭を掃くような「箒」じゃないんです！

　追っかけました、あたし。結論、出ました。正解だという自信はあります。おかげで、「魔女というのは箒の柄にまたがって空を飛ぶ」という伝承の出所が、ヨーロッパのどこかをつきとめることができました。

　追って発表します。お楽しみに。　－ Maria －

Mariaさん wrote:

>＞石で拭くのだぁ～！

　これって、戦国時代ですかぁ？？？　いや失礼（汗）

>　当研究所への調査のご依頼は、メールでも受けつけております。
>　　kilroy@syd.odn.ne.jp
>　までメールをお寄せください。
>
>　－ Maria －

　　あ、あ、あ、ありがとうございます（汗まみれ）
　　いやその、風俗関係のサイトって思ったよりありまして、キーワード検索で
　なんとかなりましたもので、はい。

　　御好意には厚く感謝申し上げますですどす・・・ｍ(__)ｍ
　
　いつかは研究所の皆様方へ調査の依頼をさせていただく日も来るかもしれませ
　んが、そのときには何卒よろしくお願いいたします。　　　　　あさかぜ拝

Mariaさん wrote:
>　『小学校学習指導要項解説　理科編』（文部省、平成１１年５月）というのを買ってきました。まだ「文部科学省」ではないのですね。本体９０円＋税、です。電車代で足が出てしまいました。しくしく。
>
　おじゃまします。
　もしかして、神田まで行かれたんですか？　お疲れさまです。

>　あたしたちは、ふつう「水」という言葉を、最低二つの意味で使っています。
>
>　（１）液体で、ぬるま湯よりも温度が低い、という意味の「水」
>　（２）化学物質としての「水」
>
>　ところがです。この「水の循環」の指導では、「（２）の水の循環」について教えていながら、「水」という言葉を（１）の意味で使ってるんです。
>
>　（１）「もの」としての「水」と（２）「物質」としての「水」があります。ですが、（２）の『「物質」としての水』、というものをちゃんと教えている教科書というのは、見当たらないんです（「純水」を取りだす実験と称して、「蒸留水」を得る実験をしている教科書があったりします。そういう問題じゃないんだぞ）。
>
>　教科書会社は、なんか基本的なところで勘違いをしている気がします。
>　「正しいことを教えても子供には無理だから、多少間違っててもわかりやすく教える」みたいなことを言う人がいます。だけど、それってけっきょく「ウソを教えてる」ってことなんじゃないでしょうか。
>　これもテストの弊害だと思います。「テストで測れないものは学力ではない」みたいな、価値観の逆転がそこにあるのではないでしょうか。
>
>　そんなわけで、あたしはまず教科書から見直してゆくべきだと思います。
>
>　－ Maria －

　ここのところ毎日読ませていただいて、必死になって学習しようとしています。
なんか、わたしって思い違いをしているかもしれない・・・という気持ちから抜けきれないんですよ。
　教科書をもらって来たきり名前も書かずにほうったまま、身ひとつで学校へ行っている娘とどう向き合っていけばよいのか、ちっともわからないままでして。

　「水」のちがいなんて考えてもみませんでした。
たとえば「人は死んだらどうなるの？」と聞かれて「宇宙のかけらになるんだよ」と答え、（うそは言ってないぞ～）などと心のなかで自分にいいきかせたりしているわけで・・・「う～ん、星のかけらと言ってもいいかもしれない」「あたし、星のかけらのほうがいい」「じゃ、そうしとこう。目に見えない宇宙のかけらが、長いながぁい時間をかけて集まって、星になることもあるんだから。星のかけらでも悪くはないと思うよ」とかなんとか、実にアバウトな会話をしている親子なんですね、わたしどもは。
　
　「大きくなったら何になりたい？」と聞けば「だれにも内緒だよ」と約束したうえで「あのね、魔法使い！」と答える娘がいとしくて、「そりゃあ、けっこう厳しい道のりだねぇ。むずかしいけど、あんたならなれるかもしれん。もしうまくいったら、おかあさんをほうきに乗せて空とんでよ」と本気でお願いしてしまうのですよ。「え～、おかあさんて重いからムリなんじゃない？」「そんなことないよぉ、がんじょうなほうき作ってよ。強い魔法使いになればいいじゃん」「あ、そうか」

　科学とは縁遠いですね～（＾＾；　精進せにゃいかんです、はい。

　　　　　　　　　　三点リーダーってどうやって出すんだ～と、あたふたあさかぜ

あさかぜさん wrote:
.＞うぅ……ここの品位を下げてしまうかも……とか思うと、やっぱりやめるべき
＞なのか悩みますけど……。

KILROY（所長）wrote in No.3299:
＞＞でも紙は使わな……（この話はもう終わり）
＞
＞すみません、一言だけ言わせてください。
＞石で拭くのだぁ～！

　これが、うちの所長の『アスペルガーの館の掲示板』への記念すべきデビュー第一声です。

Moto wrote in No.4149
＞BISさん wrote:
＞＞ネチケットってむずかしい……
＞ミサコさん wrote:
＞＞書き込みって難しい！
＞　「あっ……だめ、あたし怖い！」
＞　「……大丈夫。どう反応したらいいかは、君の身体が知ってる」
＞　「そんな……ああっ！　いやぁ……」
＞　こういう馬鹿なことを書いていると明日あたり抗議のカキコの山(-_-)。
＞　案ずるより産むが易し（産んだことないけど）。ヤッちゃえばなんとかなる。
＞　（Mr.Moto）
＞
＞　所長が『初心者のためのカキコ入門』企画中　Presented by 大森総研
＞
＞　ぐぁははははは。やっだああ、Motoさんげっひ～～～～～～～～～～～ん！！

　というわけで、「品位を気にして学問ができるかぁぁぁぁあっ！」というのがうちの所長の立場です。「大森総合研究所」の「総合」の二文字は伊達ではありません！

＞　でも……まずいっすね～、やっぱ。公共の広場だし、人通りのある往来
＞だし……わははははははは。忘れましょう。忘れてください。

　当研究所への調査のご依頼は、メールでも受けつけております。
　　kilroy@syd.odn.ne.jp
　までメールをお寄せください。

　－ Maria －

　私は小学校のとき、水にまつわるテストの問題で、一つ間違えてしまったものがあります。

　水とロウののうち、個体になったときかさが減るのはどちらでしょうか？

　正しい答はロウです。水は氷になる際に、結晶を作るように分子が並び、隙間が開く分かさが増えるのです。

私は、双方の写真を見て、ロウの方が氷よりも周りのせり上がりが多いように感じたので、氷の方が少ないと誤認してしまったのでした。

Maria wrote:
>　『小学校学習指導要項解説　理科編』（文部省、平成１１年５月）というのを買ってきました。まだ「文部科学省」ではないのですね。本体９０円＋税、です。電車代で足が出てしまいました。しくしく。

ご苦労様さまでございました。
>
>　で、第４学年では、
>
>　C　地球と宇宙
>　（２）水が水蒸気や氷になる様子を観察し、温度と水の変化との関係などを調べ、水の状態変化についての考えをもつようにする。
>　ア　水は、温度によって水蒸気や氷に変わること。
>　イ　水は水面や地面などから蒸発し、水蒸気になって空気中に含まれるとともに、結露して再び水になって現れることがあること。
>
>といったところで指導されることになっています。

↑
ココを読むと
「学習指導要項解説」を親が読んで実験方法を考えた方が効率がよさそうではないかな？
自分じゃ駄目か。こちらの博学な皆さんからご意見を伺うという手で・・。（笑）

>　そう、Bの「物質とエネルギー」ではないんですね。「物質とエネルギー」では、水と空気の圧縮性の違いと、熱対流について指導がなされます。

これも散々なテスト結果でした。

>　つまり、この学習は「水の三態」あるいは「水の相変化」について学ぶのではなく、「水の循環」について学ぶための基礎、ということになります。

「循環」か。じゃあ、フライパン実験でOKね。（武田さん、ありがとう）
>
>　そうすると、気になることがひとつあるんですよ。
>　あたしたちは、ふつう「水」という言葉を、最低二つの意味で使っています。
>
>　（１）液体で、ぬるま湯よりも温度が低い、という意味の「水」
>　（２）化学物質としての「水」
>
>　水蒸気だって氷だって「水」です。「雨」も水なら「雪」も「雹」も「あられ」も「みぞれ」も「水」です。つまり、「降水量」といったときの「水」が、いま指導している「水」なんですね。
>
>　そうすると、「氷」というのは、「水が氷った（凍った）もの」だから、「氷り」と書いてよさそうなものだけど、理科のテストで「氷」と書くべきところに「氷り」と書いたらはたして○なのか×なのか、という話になっちゃうんですよ。

そーだ、そーだ。
>
>　教科書会社は、なんか基本的なところで勘違いをしている気がします。
>　「正しいことを教えても子供には無理だから、多少間違っててもわかりやすく教える」みたいなことを言う人がいます。だけど、それってけっきょく「ウソを教えてる」ってことなんじゃないでしょうか。
>　これもテストの弊害だと思います。「テストで測れないものは学力ではない」みたいな、価値観の逆転がそこにあるのではないでしょうか。
>
>　そんなわけで、あたしはまず教科書から見直してゆくべきだと思います。
>
>　－ Maria －

「教科書会社」もそうだけど「テスト業者」も疑問に思わないのかしら？？
　子供を学校に入れたら、そんなことばかり考えてしまう　青りんごでした。

武田好史 wrote:

>　カップを日向においておくなんていうまどろっこしいことをしなくても、ふた付きのフライパンがあれば、直ぐに実験できます。つまり水をフライパンに入れてそのまま熱せば全部蒸発してしまいますが、硝子の蓋をすればその内側が曇り、火を止めてさましてからあけて蓋をフライパン立てかけると、フライパンにいくらかの水が返ってきます。

今夜、台所で実験しましょう。
すぐに「目に見えるので」こっちの方が解りやすいと思います。
>
>　問題が読めなかったというよりも、彼は「蒸発という現象が、日光で暖めるというような火よりも穏やかな感じの熱の加えかたでも起こる」ということに、疑問を感じていたのかもしれません。
>
どうも「時間の経過とともに、緩やかに変化する様々なモノ」に気持ちがひかれるようです。
親の私にはなかなか理解できない感性ですが、大事にしてあげたいです。
ありがとうございました。　　　　　　　青りんご

　　

　『小学校学習指導要項解説　理科編』（文部省、平成１１年５月）というのを買ってきました。まだ「文部科学省」ではないのですね。本体９０円＋税、です。電車代で足が出てしまいました。しくしく。

　で、第４学年では、

　C　地球と宇宙
　（２）水が水蒸気や氷になる様子を観察し、温度と水の変化との関係などを調べ、水の状態変化についての考えをもつようにする。
　ア　水は、温度によって水蒸気や氷に変わること。
　イ　水は水面や地面などから蒸発し、水蒸気になって空気中に含まれるとともに、結露して再び水になって現れることがあること。

といったところで指導されることになっています。

　そう、Bの「物質とエネルギー」ではないんですね。「物質とエネルギー」では、水と空気の圧縮性の違いと、熱対流について指導がなされます。
　つまり、この学習は「水の三態」あるいは「水の相変化」について学ぶのではなく、「水の循環」について学ぶための基礎、ということになります。

　そうすると、気になることがひとつあるんですよ。
　あたしたちは、ふつう「水」という言葉を、最低二つの意味で使っています。

　（１）液体で、ぬるま湯よりも温度が低い、という意味の「水」
　（２）化学物質としての「水」

　ところがです。この「水の循環」の指導では、「（２）の水の循環」について教えていながら、「水」という言葉を（１）の意味で使ってるんです。

　水蒸気だって氷だって「水」です。「雨」も水なら「雪」も「雹」も「あられ」も「みぞれ」も「水」です。つまり、「降水量」といったときの「水」が、いま指導している「水」なんですね。

　そうすると、「氷」というのは、「水が氷った（凍った）もの」だから、「氷り」と書いてよさそうなものだけど、理科のテストで「氷」と書くべきところに「氷り」と書いたらはたして○なのか×なのか、という話になっちゃうんですよ。

　だいたい、「水」と「お湯」と「氷」って、子供にとっては別物ですよね？　「水をください」って言われて、「氷」を出したりはしませんし、「ジュース」や「麦茶」は「水」の中に入るのか入らないのか、みたいな話にもなります。まして「水蒸気」とかいったら、訳わかんないんじゃないだろうか、と思ってしまいます。

　ちゃんと大学まで卒業していながら、「湿った空気と乾いた空気はどっちが軽いか」という質問に答えられない人がけっこういます。空気の相当分子量は２９、水の分子量は１８。水蒸気のほうがずっと軽いんです。ですから同じ一気圧だったら、水蒸気を多く含んだ空気、すなわち「湿った空気」のほうが軽くなります。だからこそ湿った空気は上昇し、雨が降るわけですね。もしも空気が水素（分子量２）やメタン（分子量１６）だったら、雨は降りません。

　（１）「もの」としての「水」と（２）「物質」としての「水」があります。ですが、（２）の『「物質」としての水』、というものをちゃんと教えている教科書というのは、見当たらないんです（「純水」を取りだす実験と称して、「蒸留水」を得る実験をしている教科書があったりします。そういう問題じゃないんだぞ）。

　教科書会社は、なんか基本的なところで勘違いをしている気がします。
　「正しいことを教えても子供には無理だから、多少間違っててもわかりやすく教える」みたいなことを言う人がいます。だけど、それってけっきょく「ウソを教えてる」ってことなんじゃないでしょうか。
　これもテストの弊害だと思います。「テストで測れないものは学力ではない」みたいな、価値観の逆転がそこにあるのではないでしょうか。

　そんなわけで、あたしはまず教科書から見直してゆくべきだと思います。

　－ Maria －

ぴよ wrote:
>
>私は、「受験モード」ということにして、
>受験勉強は「ゲーム」感覚で割り切ってやりました。
>ハイスコアを取ると、楽しいじゃないっすか。
>受験スコアラー。そんな感じです。
>
>＃ついつい、はまってしまうのが問題なのですが。
>＃学問の本質を忘れちゃうと、危険だもんね。

はまりすぎてて「あれれれ？？」という人も少なくない気がする。
うちの娘はゲーマーなので、なんとかなりそう。
（実は母も元ゲーマーなんだが・・。）
６４マリオの「コイン」のつもりで「点」を拾わせればいいのね。
「教科書ガイド」＝「攻略本」て事ね。
中・高あがれば楽なのかしら？難しいのは幼児期だけかしら？？
　　　　　なんとかなりそうな気がしてきて嬉しい　青りんご

Maria wrote:

>　　　減るのは、「水かさ」です。

そう。「水かさ」だわ～！
>
>　成績上げるのに「邪道」もくそもないのね～、
>　そんなこと言ってたら受験産業は成立たないのね～、
>　「できる」と「わかる」は違うのね～、
>　ただ、「わかっている」と、「思ったよりできる」のね～、
>　で、「できるんだけど、わかってない」似非インテリが国を悪くするのね。
>
>　けっきょく教科書から変えないとダメなのよ　－ Maria －

早速、週末あたりに本屋に行ってみます。
だけど「教科書ガイド」って即完売だったりするのよねー。
（だって、大手進学塾の近くの本屋なんだもん）
どうせなら教科書と一緒に配布してくれればいいのにな。
前年度末に次年度使用する教科書のチェックを怠ってました。
（前から計画してたんだなー。実は・・）
自分は散々使って大人のなったクセに
母になると罪悪感が芽生えるのはなぜかしら？？　青りんご

　こんにちは。
あの・・・（汗）　いっこ聞いてもいいですか？
　うぅ・・・ここの品位を下げてしまうかも・・・とか思うと、やっぱりやめるべきなのか悩みますけど・・・。

　あ、あの、・・・やっぱだめだわ（汗）　「チャブ屋」に関する考察は、たいへんおもしろく読ませていただきました（＾＾）　「ちゃぶだい」が正しい日本語だったということを私は知らなくて、（ばかだわ～、またひとつ勉強になったわ～）なんて思ったのです。私が子供だったころは「ちゃぼだい」と呼んでいて、これは単にまちがって覚えていただけなのだということもわかりました。方言ではないと思います、多分。

　質問はまたにしておきます（＾－＾；　実は・・・政府公認風俗地帯（いわゆる赤線のこと・・・なんですが、わたしは赤線と青線のどちらが合法・非合法なのかも忘れてしまっていて、ネットで確認してからここへ来ました）のことで聞いてみたい気がしていたのです。

　でも・・・まずいっすね～、やっぱ。公共の広場だし、人通りのある往来だし・・・わははははははは　　忘れましょう。忘れてください。

　　けっきょく何が言いたかったんだか・・・尻に帆かけて逃げるわたくし　　ぴゅ～～～

Maria wrote:
>＞……わりと好きだったりする(^_^)。（←あたしが顔文字を使うときは、だいたい「似合わないなー」と思いながらちょっと無理して書いているときが多い）　　　
そんなことないですよ。どんどん使ってください。（笑）
>
>　でもって、今回ちょっと試みてみたいと思っているのが、「文章に自信のないひとのためのカキコ向上計画」だったりする。で、テーマは「記号をどう使うか」です。

ここはコピーして後で勉強します。ご指導ありがとうございます。
>
>　とはいえ上手でない文章のほうが味はありますね　－ Maria －

そう、それも「味」だと思うの。（私のも「味」だと思って許してください。）
せっかくなので、こちらでレスします。
>
>　アスペルガーの息子をもってたっくんママ
>
>　小学校入学の際は「言語理解が劣り、コミュニケーションが難しい」という理由から、多人数によるストレスを回避するために特殊学級に入ました。今は四年生ですが、現在もまだ在籍しています。ですが、勉学的には普通級の授業の進みより若干先取りしています。それは高学年に入り、元来の「応用力のなさ」と「概念系の弱さ」がいつ邪魔をしてくるのか……という不安は隠しきれないという理由から、担任の配慮で早め早めに進めているのです。

うちはスレスレ？で普通学級でした。それでも、年々と成績も向上しているようです。1年時は「これ以上、下がりようのない評価」で親は笑うしかありませんでした。自宅で「LD児指導用の本」などを読んで親が付いて教えておりました。（だって日本語が通じてなかったんだもん）早め早めに進めていただけるなんて、いい先生ですね。
>
>　三男は、「芸術分野は優れている」と我が息子ながら自負しています。小学校一年生の時は粘土で、小学校三年生の時は絵画で、区から表彰されました。
>　もちろん特殊の枠内ではあるのですが、他の子も認めてくれるほど、すばらしい作品でした。

素晴らしいじゃないですか。
うちは「文字」は書くけど「絵」は書かない子でした。（園時代はほとんど白紙）１年時は「お隣の席の子」と全く同じ構図、色を使って書いており、お隣の席の子から非常に嫌われておりました。本人は「人並み」に書いたつもりだったのでしょう。
>
>　拓哉はアスペルガーと診断されてまだ１年も経っていませんが、どんな病名であろうと、拓哉は拓哉に変わりはありません。あいつはダイヤの原石だ！　まだ荒削りで、形こそ整っていないけれど、今にきっと光り輝く！
>　たしかに普通のダイヤと比べると、カラーやクオリティの点で違うかもしれない。でも、他にはない輝きを見せてくれるに違いない－と、私は信じています。
>　アスペルガー万歳！　拓哉万歳！
>
>　私は自分の息子を誇りに思っています。

「診断名」の基準が当分、曖昧なようなので私も「うちの子はうちの子」と思って育ててます。親の私より賢い人になりそうな予感もするし、将来が楽しみです。
どんなダイヤになるか、お互いに楽しみに見守っていきましょうね。
　　　　　「拓哉」なんていいお名前ね(笑）　青りんご　
　　　　　

Mariaさん wrote:

>　成績上げるのに「邪道」もくそもないのね～、
>　そんなこと言ってたら受験産業は成立たないのね～、
>　「できる」と「わかる」は違うのね～、
>　ただ、「わかっている」と、「思ったよりできる」のね～、
>　で、「できるんだけど、わかってない」似非インテリが国を悪くするのね。

でも、大学とかで、とんでもない奴に会ったり、
とんでもないものを勉強したりもできるんですよね。

大学に行くのも、無意味というわけではない。
チャンスが増えるからね。

というわけで、私は、なんとなく大学にいったのでした。
で、そのためには、試験にパスしなきゃいけない。

私は、「受験モード」ということにして、
受験勉強は「ゲーム」感覚で割り切ってやりました。
ハイスコアを取ると、楽しいじゃないっすか。
受験スコアラー。そんな感じです。

＃ついつい、はまってしまうのが問題なのですが。
＃学問の本質を忘れちゃうと、危険だもんね。

　「水のすがたとゆくえ」

　水のようすを調べます。
　二個のプリンカップに同じ量の「水」を入れ、
　（１）は「おおいをして日なたに２～３日おく。」
　（２）は「おおいをしないで日なたに２～３日おく。」

問題１）（１）、（２）で、水の体積がへるのはどちらでしょう。
　どちらも減らない。
　（１）では水のままだから、体積は変わらない。
　（２）では水が蒸発するので、体積が増える。

理由：水１４グラムは、常温常圧で２２．４リットルの水蒸気になります。蒸発しても水は水。ですから、「水の体積」は増えます。
　　　減るのは、「水かさ」です。

問題２）１で答えたほうが、水の体積がへるのはなぜですか。
　だから減らないって言ってんじゃん。

問題３）「おおいをしないで日なたに２～３日おく。」ほうの水の「水かさ」がへるのはなぜですか。
　雨が降らなかったから。

問題４）そういうことではなくて。
　雀が水を飲みにきて、こぼしたから。

問題５）そうじゃないっ！
　だって見てたんだもん。見てたんだもんっ！（←私が見てたときはヒヨドリが飲んでたぞ by Mr.Moto）

青りんごさん wrote:
＞うちの子は超能力者じゃないんだから、先生の意図する答えなんて書けないよ。

　そーだそーだ。

＞「教科書ガイド」買って丸暗記させた方が楽そうだな。
＞記憶力はばっちりだもんねー。
＞邪道のような気がしないでもないが、
＞うちの子には最適かも・・。

　成績上げるのに「邪道」もくそもないのね～、
　そんなこと言ってたら受験産業は成立たないのね～、
　「できる」と「わかる」は違うのね～、
　ただ、「わかっている」と、「思ったよりできる」のね～、
　で、「できるんだけど、わかってない」似非インテリが国を悪くするのね。

　けっきょく教科書から変えないとダメなのよ　－ Maria －

青りんご wrote:
>
>今回は四年生の理科「水のすがたとゆくえ」
>
>　　写真のようにして、水のようすを調べます。
>　　
>　　二個のプリンカップに同じ量の「水」を入れ、
>　①は「おおいをして日なたに２～３日おく。」と説明入り
>　　　　のラップと輪ゴムで蓋したカップの写真
>　
>　②は「おおいをしないで日なたに２～３日おく。」と説明入り
>　　　　の蓋なしカップの写真
>　
>問題１）　①、②で、水の体積がへるのはどちらでしょう。
>　　こちらには②と答えて○。
>
>問題２）１で答えたほうが、水の体積がへるのはなぜですか。
>　　これには「日なたに２～３日おくから」と答えて×。
>　　
>　え～、これって○じゃないの？？
>　「蒸発したから」と書かないから×なのかな。
>　私だったら「ふたをしてないから」と書きそうだな。
>　大体、国語でさんざん
>「正解は問題文の中にある。問題をよく読め。」と言ってるじゃないか！
>　うちの子は超能力者じゃないんだから、先生の意図する答えなんて書けないよ。
>
問題２：模範解答！
　「水は温度を上げると、ふたをしない限り、水蒸気（気体）に変化し空気中へ蒸発する。２の場合日光によって、カップの水が暖められ水の一部が水蒸気に変わり、それが逃げていくのをを妨げるものがなく、蒸発してしまったため水の体積が減った。１では、ふたが蒸発していこうとする水蒸気を遮り、凝集させて水へ戻す役割をしていたので、水の体積は減らなかった。」

　カップを日向においておくなんていうまどろっこしいことをしなくても、ふた付きのフライパンがあれば、直ぐに実験できます。つまり水をフライパンに入れてそのまま熱せば全部蒸発してしまいますが、硝子の蓋をすればその内側が曇り、火を止めてさましてからあけて蓋をフライパン立てかけると、フライパンにいくらかの水が返ってきます。

　問題が読めなかったというよりも、彼は「蒸発という現象が、日光で暖めるというような火よりも穏やかな感じの熱の加えかたでも起こる」ということに、疑問を感じていたのかもしれません。

　　

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