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Re: レス、ありがとうございます。 9510へのコメント
No.9513  Sun, 16 Dec 2001 23:26:00 +0900  みどり [この発言にコメントする]

白 wrote:
>すいません、一つ前の武田さんへのカキコも見てみてください。

あー読みました。

ま、本当に「伝えたいだけ」なら、とっとと明白な形で当たってくだけちゃえばいいだけのことなんですが、普通はくだけたくはありませんから、そうはしないわけです。

>一回彼女が話しかけてきた時(心配云々の会話より前のことです)、進路のことで悩んで元気がないってことも知ってたし、他にも彼女が落ち込むことがあったと人に聞いて知っていたんで、どうしてもこの前からのように黙っていられなくて、「なんか元気ないよな、何もないなら別にいいんだけど」と言ったことがあるんです。僕としては精一杯さりげない表現だったんですけど、これもやっぱ押し付けがましかったですか。

一度くらいならたぶん大丈夫。たとえ押しつけがましかったとしてもその後の話を聴いてるかぎり、そこはそう問題じゃなかったんじゃないかと思うけど。

>でも、そう思っていると、突然彼女が笑顔で話しかけて来たりとか、特別活動のとき、ふと気付くと、僕の真横に立っていたりとかして、僕は混乱してしまうんです。
>そんなに嫌いなら、どうしてまた僕の心をかき乱すようなことをするのかなって。

推測にすぎませんが、やっぱり、別に嫌いではないと思うんですよね。
あんまり思い詰めていじけるのは、おすすめしません。
「どうせ僕のことなんか嫌いでしょ」という態度はもっとおすすめしません。
(といっても難しいわよねー。私もいじけないですむ方法を知りたいわー)

ま、心はいくらでもかき乱されてください。なんにしても時間はかかるものです。

>僕のやることや考えることは、結局彼女のためにならないということですね。
>なんかとてもメゲてしまいます。自己嫌悪です。

えーそういうことではないんです。(なんかやっぱり私にはうまく伝えられないのかもしれない。)
自己嫌悪にはならないでください。
ムチャ言ってますけど、できればならないでください。

それにしても白さんが描写する彼女のかわいらしいこと。いいわねー。(オバサンもーど)


心をかき乱すような相手がいなくなってどれだけ経つかしら、の みどり
うらやましい気持ち半分、あんな面倒なことはもう勘弁の気持ち半分。
(まだ絶望はしていないらしい)


Re: 「光とともに…」読んでみました。 9485へのコメント
No.9512  Sun, 16 Dec 2001 23:14:45 +0900  グルンサ [この発言にコメントする]

鷲羽丸さん wrote:
> この物語は、光という自閉症児を、母親が周囲の偏見と戦いながら育てていくというものです。まあこれだけを聞くと、「ありがち」な話と思ってしまいがちですが、読んでみてけっこう、印象に残る部分がありました。

 勝手に割り込んですみません。この本の1巻に、こんなセリフがあります。
主人公(光の母親):「だいたい自閉症のことみんな知らなくて、話が長くなっちゃうよ。いまだに『自分で心を閉ざしてる暗い人』とか鬱病と勘違いされたり、『育て方』や『しつけ』のせいにされたり」
同じく自閉症児持ちの母親:「原因不明の発達障害で、人と上手に関われへんて説明したって『はぁ?』やもんな」
主人公:「うん…。見た目が健常と言われてる子たちと同じなだけにね…。わかりづらいよ」
(なお、読売新聞8月11日付朝刊生活面で、この本が紹介されています。とうにご存知の方もいるとは思いますが、ご一読してみてはいかがでしょうか?なお、このマンガでの自閉症は、カナータイプのようです。)

> 評判はいいほうのようです。
  ↑上記の(新聞)記事にもありましたが、主人公と同じく自閉症児をお持ちのお母さんが、理解してほしい…とまとめ買いして、近所や身内の方に配布したり、医療関係者の方も買われる方がいるようです。(なんだか、宣伝じみてきましたが、自閉症について何も知らなかった頃にこの本にめぐり合えた身としては、すごく参考になりました。)

 最後に鷲羽丸さんへ。重複しますが、勝手に割り込んでしまい、申し訳ありませんでした。(グルンサ)


Re: お返事ありがとうございました 9498へのコメント
No.9511  Sun, 16 Dec 2001 22:47:10 +0900  グルンサ [この発言にコメントする]

るうさん wrote:
>父に「電話の時はちゃんと「はい」と声に出して言わないと通じないぞ」
>と教えてもらったのですが、自分では返事をしているつもりなので
>「そんなの当たり前じゃん」とその時は思いましたが、
>まさかその返事をできていなかったとは…。
 私は朝の挨拶ですら、相当声が小さくなっているらしく、上司から「ほとんど無反応(というよりそれっぽい)」と言われてしまいました。(「電話の時、声小さいよ」とは、他の上司から言われていましたが…。横道に逸れてますけど。)

>むむむ、ず〜っと反応し続けて緊張しているのと、
>無反応でひんしゅくを買うのはどちらがいいのでしょう…
>ほんと、バランスとるのってむずかしい。
 そうですね、ホントに。(溜息)


Re: みなさんにQ(広汎性発達障害児の教育について) 9491へのコメント
No.9509  Sun, 16 Dec 2001 22:43:55 +0900  るおう [この発言にコメントする]

みどり さんwrote:
みどりさん。私と同じですね。。なんだかちょっと嬉しくなってしまいました。

>>ちょっとこの文章で思い出しました。家の母親は私に小さい頃いつのころまででしょうか。ものすごく完璧であること、を強要していました。
>
>うちもそうでした。というか今でもそうです。
家は今は違います。
みどりさんが今お母さんにされているようなことを反対にしたりした結果、お互いに何も求めない、とてもとても離れた関係になりました。

>でも、他人に完璧を要求してしまう性格は私もしっかりひきついでしまいました。
>母との違いは、母は単に要求するだけですが、私は他人がその要求を満たせないともういらいらしてたまりません。
それもわかります。経験しました。そして他人も自分も完璧ではないことも知ったり、でもわからなかったり。そして今度は諦めとか、色々アンバランスです。

>30を過ぎてから、反抗期に入りました。母に完璧を要求しては嫌がられています。他人よりかなり遅い第二反抗期ですが、分別がついたぶん、タチがいいのか悪いのか。
私も今だに、仲良くなっていません。要求もしないです。
他の人より色々遅いのかもしれないなと思います。


Re: レス、遅くなってごめんなさい。 9499へのコメント
No.9508  Sun, 16 Dec 2001 22:29:39 +0900  こうもり [この発言にコメントする]

るかさん wrote:

>どうも・・・彼には友達がいないらしい・・・。
>仕事上で表面的な付き合いはあっても、プライベートな人との付き合いは
>皆無!!!!!

 う〜む。確かに対人関係を維持するための地道な努力が欠けているよう
な…。今の関係もるかさんの努力で維持されているようなものだし。

>こうもりさんから見て、
>私は「自己開示」できる存在ですか?

 非軽度発達障害者以外の人との関係では、わたしが他人に自己開示でき
るのは相手がどんな悩みや問題意識が持っている人なのかが理解できた時
です。不思議な話なんですけど、相手が何に悩んでいるのかが理解できた
時のみ、わたしはその相手に親近感を持つことができます。

 るかさんは既にご自身の悩みを語ってくださいましたので、自己開示し
やすくなっていると言えます。


Re: お返事ありがとうございました 9498へのコメント
No.9507  Sun, 16 Dec 2001 22:13:23 +0900  こうもり [この発言にコメントする]

るうさん wrote:

>しかし、例えばこうもりさんのレスにあったようなこと、
>皆さんはず〜っとやり続けていらっしゃるんですか?

 この心理的負担に耐えかねて、普段は受動型の対人交流
をすることを余儀なくされております。相手に話しかけら
れた時だけ、前述のような「共感を示す技術」を活用して
いる状態です。

>むむむ、ず〜っと反応し続けて緊張しているのと、
>無反応でひんしゅくを買うのはどちらがいいのでしょう…
>ほんと、バランスとるのってむずかしい。

 そして緊張がひどくなりすぎると、孤独が恋しくなって
しまうという悪循環…。でもこの技術のおかげでかろうじ
て職場で適応できているのは確かです。


Re: レス、ありがとうございます。 9494へのコメント
No.9506  Sun, 16 Dec 2001 21:29:10 +0900  みどり [この発言にコメントする]

白 wrote:
>>親切の押しつけはすごく迷惑だよね。
>>本人が困ってもないことを勝手に心配されて、勝手にそれをありがたく思えと言>われても困る。
>>好意を理解しろと押しつけることがあなたの好意ですか。
>>あなたの投稿を読むかぎり、「好意を見せてるんだから好意で返せ」と取引きし>てるようにもみえます。
>>本当の好意は、相手の幸福を願い助けることであって、自分で願望で作り上げた>好意を受け取らせることではありません。
>>あいさつがあったということは彼女は別にあなたのことを嫌いではないと思いま>すが、彼女が快適と思う距離範囲を越えてあなたがずかずか近づいてくるので、>それに対しては拒否反応を示しているのだと思います。
>
>すいません。ここの部分が良く分かりません。僕は自分の好意に対して、好意を返してくれなくても、僕の気持ちをわかってほしいと思うだけなんですが、それがそんなに迷惑なことなんですか。

彼女はあなたの気持ちをとっくにわかってるかもしれません。
「気持ちをわかってほしいだけ」というのは、本当に「だけ」ですか? 実はわかってほしいだけでなく、わかったということを表明してほしいとか、気持ちをわかって今よりフレンドリーに接して欲しいと思っているんじゃないでしょうか。
あ、その気持ちを責めてるわけじゃありません。そう思うのはすごく健全なことだと思います。
でも、「気持ちをわかってほしいだけ」なんて言葉遊びのきれいごとでごまかして、うまくいかない理由を相手のせいにするのはやめましょう。

>これも根本的な価値観が違うので、説明する気がなくなると仰るかもしれませんが、ぜひとも教えてください。人に愛されることは迷惑なんですか。

>でも、彼女のことを分かりたいと思って、話し掛けるのは迷惑なんですか。

愛されること自体は別に迷惑じゃないと思います。
話しかける方は、ときと場合と話しかけ方によるでしょう。普通はそんなに迷惑じゃないと思いますけど、おしつけがましい内容だったら私は嫌ですね。

>快適な距離と言うのもわかりません。遠くから見ているだけで、どうやって好意を伝えればいいんですか。もう一度教えてもらえませんか。

ちょっと落ち着いて考えてみましょう。本当にまだ伝わってないと思うのですか? 伝わってないと思うのなら、なぜそう思うのですか?

伝わってるかもしれないと思うのなら、「好意を伝える」の次の望みはなんでしょう。


Re: アスペの人の、好きな人への態度はどんなふうですか。 9503へのコメント
No.9504  Sun, 16 Dec 2001 20:16:44 +0900  武田好史 [この発言にコメントする]

白 wrote:
>武田さん、またさっそくレスして下さって、本当にありがとうございます。
>武田 wrote:
>>特にASの女の子は、普通の女の子よりも広いそのようなものをも
>>っていて、ちょっとでもミーンな男が中に踏み込むと、怒ったり・逃
>>げ出してしまいます。
>>これは猫も同じです。猫も自分の気にくわない人間が、なわばりに
>>入って抱き上げようとすると、その野心を見抜いて、ぎぐっとした表
>>情をして逃げてしまいます。
>
>これって、要するに、彼女は僕が嫌いだと言うことですか。それとも誰に対しても、一定の距離を保ちたいと言うことですか。それとも、僕が異性だからですか。じゃあ、同性の友達なら近づいても大丈夫なんですか。
>僕は今まで、独善的なことは大嫌いで、ついでに言うと押し付けがましいことも嫌いで、人にも自分から強くアプローチしたりすることはめったになくて、誰とでもバカ話で過ごしたりする事が多いんですが、でもめったにいないんですが、すごく好きな人(同姓の友人を含む)になら、何も言わないのは何も伝えないことだと思うので、たとえフラれるとしても、自分の好意は伝えたいと思ってきました。
>それが迷惑になるなんて思っても見なかったんです。
>自分では彼女が好きで、彼女が落ち込んでいたら、励ましてあげたいし、そっとしておくのがいいと言われても、「元気出せよ」って言うぐらいは言うのがいいかなと思っていました。しばらく自分でわざと声をかけなかったときは、彼女を無視しているようで、自分のことが嫌いだったからです。
>アスペのマナーは難しいです。
>僕は知らずに、彼女にとって、すごく不快なことをしてしまっていたんですね。
>でも、それだと、アスペの人の好きな人に対する態度はどんな風になるんですか。
>しつこくて申し訳ないんですが、一つ一つ聞かないと全然分からないんで、お願いです。皆さん、もう少し色々教えてもらえませんでしょうか

なにを隠そうこの僕ですら、この法則を知らなかったばかりに、相手に気味悪がられてしまい、もう2回も振られているのです。
 二度目の恋以来、「二度とこちらから女性にアプローチをかけまい。一生独りでいよう!」と、僕は硬く心に結び目を作っています。
 人に好かれたいならば、真に相手を尊重する思いやりを持つことです。シラノのように華やかさを捨て、裏方に徹し何事も嫌がらずさりげなくできる人物になるのが、早道だと思います。
 あとこれは2人目に振られた子から、口が酸っぱくなるほど言われたことなのですが、「男女の関係には、大好き・大嫌いという白黒で割り切れない、灰色の部分が多い」ようです。君はひょっとして「彼女と結婚したい・・・したい」とばかり考えていませんか??もしそうだとしたら、それこそまさしく彼女に嫌われた元凶でしょう。むしろ、「彼女がボーイフレンドの1人として、見てくれたら、それだけで僕は・・・幸せ!」と思えるくらいの懐の広い男になりなさい!

名前に「好=女の子」を背負った、頼りない先輩より。


Re: レス、遅くなってごめんなさい。 9461へのコメント
No.9499  Sun, 16 Dec 2001 18:17:11 +0900  るか [この発言にコメントする]


こうもりさん、こんばんわ。
早いレスありがとうございます。

こうもり wrote:

> わがままな奴…(気を悪くされたらごめんなさい)。でも、やっぱり
>その彼氏がるかさんにどうしてほしいのかはっきり表明しないと話が進
>まないような気がします。

うん、確かにわがままですね。
根はいい奴なんですけどね・・・、優しい時はやさしいし。
わかりやすけど、扱いが。(笑)

> 次に顔を合わせる機会があったら、直接連絡のつく連絡先だけでも聞
>いておいてはいかがでしょうか?

「何で連絡しないといけないの!?」って、言うような人なので
所在がわかっていて失踪していないだけ
今はまだいい状態です。(苦笑)

どうも・・・彼には友達がいないらしい・・・。
仕事上で表面的な付き合いはあっても、プライベートな人との付き合いは
皆無!!!!!

前はよく「友達と」とか、「友達が」とか言ってたんですけど
その「友達」の存在が全く見えてこなくて。
最近は言わなくなってきたけど。


> 過去形になってしまっていましたね。正確には今も恋愛関係にまで発
>展したことはありません。普段から、障害をカモフラージュするのが大
>変で、恋愛のように距離の近い関係が心理的に負担になってしまうので
>す。ただ、わたしと同じ軽度発達障害を持つ異性とは現在よりは親密な
>関係を結ぶことはできそうです。単に「同じ障害者同士だから分かり合
>える」というのではなく、お互いに自己開示がしやすいためなのではな
>いかと思ってます。
>
> 自分の障害のことを自己開示できない相手とは、どうしても距離を置
>いた関係(他人からよそよそしいと思われるレベル)でしか接すること
>ができないんです。

こもりさんから見て、
私は「自己開示」できる存在ですか?

 


お返事ありがとうございました
No.9498  Sun, 16 Dec 2001 18:04:15 +0900  るう [この発言にコメントする]

mintさん、シンタロウさん、タレイヌさん、武田さん、こうもりさん、
みるさん、グルンサさん、みどりさん、レスありがとうございました。

ぼーっとしているように見えるときというのは、
「相づちしよう」という意識がとんじゃっている時だと気付きました。

子供の頃、誰かの言葉に対して返事を心の中でしかできないことがありました。周囲から見ればそれは「無反応あるいは無視」していることだと気付いたのは最近でした。
よく電話の相手に向かって「うなづいて」返事をしていたものだから、
相手は「ちょっと、聞いてんの!」とだんだん怒ってしまったりして。

父に「電話の時はちゃんと「はい」と声に出して言わないと通じないぞ」
と教えてもらったのですが、自分では返事をしているつもりなので
「そんなの当たり前じゃん」とその時は思いましたが、
まさかその返事をできていなかったとは…。

ということを最近考えるようにようになって、
先の投稿となったわけなのですが、
しかし、例えばこうもりさんのレスにあったようなこと、
皆さんはず〜っとやり続けていらっしゃるんですか?
すごい。
私は相手が「心理的に」距離が遠い人だと、
緊張しているから「はい」「ええっ!」「なるほど」とか
多少は反応しているみたいなのですが、
心理的な距離が近い人には、気が緩んでしまってるのか、
無反応になってしまっているみたいなのです。

むむむ、ず〜っと反応し続けて緊張しているのと、
無反応でひんしゅくを買うのはどちらがいいのでしょう…
ほんと、バランスとるのってむずかしい。


Re: レス、ありがとうございます。 9494へのコメント
No.9497  Sun, 16 Dec 2001 17:27:14 +0900  武田好史 [この発言にコメントする]

白 wrote:
>。
>僕は武田さんの仰るようにストーキング的なことはしていないと思うし、度を越して話し掛けているとも思えません。
>快適な距離と言うのもわかりません。遠くから見ているだけで、どうやって好意を伝えればいいんですか。もう一度教えてもらえませんか。

「これ以上近づくな!」というなわばりとか間合いというのは、動物だけがもっているように思うかもしれませんが、人間にも存在しています。
 特にASの女の子は、普通の女の子よりも広いそのようなものをもっていて、ちょっとでもミーンな男が中に踏み込むと、怒ったり・逃げ出してしまいます。
 これは猫も同じです。猫も自分の気にくわない人間が、なわばりに入って抱き上げようとすると、その野心を見抜いて、ぎぐっとした表情をして逃げてしまいます。私が「猫に聞いてごらん!」と言ったのは、そういうことなのです。


Re: 普通について 9479へのコメント
No.9496  Sun, 16 Dec 2001 17:18:52 +0900  KILROY [この発言にコメントする]


pennpennさん wrote:
> KILROYさん、疲れがたまっていますね.KILROYさんの悲鳴が聞こえるような気がする。KILROYさんを助けてくれる人はいないのですか?KIROYさんを大切に思っている人の気持ちがKILROYさんには届かないのですね。

 これはべつに私個人としての疲れというわけではなく、ある世代以上の人間の多くに共通する疲れなのである。俺たちが頑張ってきたのはいったい何だったんだー、といった喪失感というのは当然のようにある。

 『企業戦士ヤマザキ』や『ロッカーのハナコさん』のような、過労死したサラリーマンやOLが死してなおサイボーグや幽霊となってこの世に舞い戻り、「救い手」として働きつづける、といった物語が生まれてしまうのが現代だ。「あの犠牲は何に捧げられたのか?」という問いに対する答えというのを、我々はまだ手にしていないのである。

 さて、この構図、どこかで見たことがないだろうか。そう、太平洋戦争の英霊たちである。戦国時代の落武者の霊だとか、太平洋戦争当時の兵隊さんの霊だとかが現われるという心霊スポットは日本国中にいくらもあり、その手の怪談話は後を絶たない。ただ、そうした怪談の主体が帰属していたのは「軍隊」だったのに対し、過労死者が帰属していたのは「会社」だったという点が大きく違う。軍隊をなくし戦争を止めるというのはまだしも理念として理解できるけれど、企業をなくし企業競争を止めるということは資本主義の死でしかない。自給自足の生活に戻るとか社会主義を選択するとかいった訳にはいかない。
 これはいじめ自殺も同じだ。だったら学校教育を止めてしまえ、というわけにはいかない。

 こういうことを言っていると「お前は小林よしのりか」と言われそうなのだけれど、本来「公」の部分を担っていたはずの「会社」というものが、その公的な役割を果たさなくなってしまったのである(で、こういうことを言うと「もともとそんな役割は持っていないのだ」とか居直る奴が必ず出るのだ)。会社が「安心して働ける環境を提供する」ものではなくなってしまったとか、学校が「子供を安心して通わせることができる場所」ではなくなってしまったとかいった、今までの信頼が裏切られたことの傷というものを、どう癒すか。で、その信頼をどう回復するか、なのだと思う(「そもそも会社や学校を信用したのが間違い」とかいった話はなしにしよう)。

 我々は「守るべき大切なもの」があると思って、秩序に従ってきたのである。それは戦国時代だったら「お家」だったろうし、太平洋戦争だったら「日本の国体(国民体育大会じゃないよ)」だったろうし、企業活動においては「企業としての責任と信頼」だったろうし、学校教育においては「教育機関としての信頼」だったろうと思う。で、「そんなものは幻想であり錯覚だった」で片付けちゃっていいのかよ、という話なのである。

 俺たちは単なるお題目のために戦ってきたのかよ。みんな信じてたんじゃなかったのかよ。そういう気分が根底にある。「戦中派」の気分というのはたぶんこんなものだろうと思う。「そういうのはマインド・コントロールから抜け出せていないのだ」という意見もあるだろう。そうかもしれない、と思ったりもする。

 だけど、「自分よりも大切なもの」を持っていない人間は、怖い。信用できない。欧米人が「無神論者」を獣と見なし、イスラム教徒が異教徒を敵視する理由がこれだ。

 いまさら個人主義とか自己責任とか言われても困るよなぁ、という投げ遺りな気分があったりするのである。そんなこと言ってたら誰も信用できねえじゃん。そんなんで生きてゆけんのかよ。そう思う。じっさい紛争地域じゃそういう状態なんだろうし、台湾だってつい何年か前までそんなような状態だったらしい。「台湾を、人々が安心して眠れる国にしたい」と李登輝さんは言っていた。日本をおちおち寝てられないような国にしたいとは誰も思ってないんだろ?

 電気やらガスやら水道やら電話やらが勝手に止まっちゃったり、銀行や証券のオンラインシステムがダウンしちゃったり、電車が来るべき時間に来なかったりしないように、みんな働いてたんじゃなかったのかよ、と思う。朝起きりゃあ朝刊がちゃんと配達されている。そういうことのために働いていると思ったからこそ、自分を犠牲にしてでも働いたんじゃなかったのかよ、と思う。
 払ったはずの金が届いてないとか、買ったはずの品物が届かないとかいったことがない世の中であってほしいと思う。ところがここ数年、こうした商売上の約束事というのがあんまり守られない世の中になっていたりするのである。景気のいい時に約束が守られるのはそんなに重要じゃないと思う。問題は、こういう切羽詰まった時期に、「何が起きるかわからない」という不安だ。こういう時にこそ、石に齧りついてでも「信頼」というのを守んなきゃいけない、と思う。だけど、なんだか世の中は逆の方へ動いてるような気がする。「こんな時だからしょうがない。誰だって自分がいちばん可愛いんだ」。で、こういう奴がやたら目につくので、なんだか自分を大切にすることがすごく穢いことのような気がしてしまうのである。

 時代錯誤、懐古趣味、アナクロニズムという気はする。

 だけど、俺たちが信じていたものは決して幻想や錯覚ではなく、もはや失われてしまったものでもなく、まだちゃんとここにあることを信じたい。そう思う。

 (KILROY)

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