私たち夫婦は、昨年(2001年)秋、諸般の事情で事実婚から法律婚へと移行し結婚式というのもやった。そのついでに新婚旅行にも行こうということになり、行った先は、キューバ!
どうしてそうなったかといえば、結婚式の準備のために行ったブライダルフェアで、旅行会社のパンフレットの「カリブ海の真珠・魅惑のキューバ」の宣伝文句を見つけて…。キューバはソ連崩壊後危機に瀕した経済を立て直すために観光に力を入れているらしいとは知っていたけれど、こうしてハネムーンの行き先なんかにもなっているんだぁと感慨。昔ちょっと中南米オタクであった僕としては、キューバというのはいつか行ってみたいところのひとつであった。そのキューバの様子はここ数年でだいぶ変わってきているらしい。「フィデル・カストロ卒倒でささやかれ始めたキューバの今後」 という記事も目にしていた。今のキューバは、今しか見ることができない。で、「ベトナムに行きたいなぁ」という妻を、「ベトナムはこの次にするから、ね、今回はキューバで楽しもうよ…」となんとか説得して…。
初めての海外旅行でまさかこんな遠くへ行くとは…(⇒つづきを読む)
キューバで撮った写真を一部公開します。(photo by S&Y, text by Y)
ハバナ市内で一番高いホセ・マルティ記念博物館の塔の展望台からの眺め。手前はチェ・ゲバラが描かれた内務省のビル
キューバについてのQ&Aがいろいろある。観光スポット、ビザ(ツーリストカード)の取得についてなども。
不祥事やら官僚vs真紀子のアホらしい争いなどで、どうなっちゃってるのかまったく心配な我が日本国外務省であるが、ここを見る限りそれなりに仕事はしているようで、意外に詳しい。ひととおり読む価値あり。 来日したキューバ要人の略歴(ペレス外務大臣、ラヘ国家評議会副議長)では、彼らの「働きぶりは正に超人的」なことや家族や趣味のことまで書かれている。最近のキューバ情勢と日・キューバ関係には、「我が国は97年以来、『対キューバ経済制裁終了の必要性に関する国連総会決議』に賛成票を投じている」とある。こういう対米追従ばかりではないところもあるところをもっとアピールしてほしいものだ。(毎年採択されているこの米国の対キューバ経済封鎖を批難する決議に反対なのは米国を含めてたった3カ国だけで、日本を含め167カ国が賛成している)
特集:「キューバ音楽がすべて分かる!」、「キューバの味とラム酒」、などなど。
「ハバナはただ今変化の真っ最中!」、「人生がラクになるキューバ的生き方」、「ハバナの空気には恋愛粒子が入っているのだ」、などなど。
キューバ関連イベント情報、リレー・エッセイなど。
「なかなか来ない長距離バスを、大勢の乗客たちがひと晩もふた晩も待ち続ける」というお話。2002年1月中旬より渋谷シネ・アミューズにて公開される(楽しみ)。
キューバのキャバレー「トロピカーナ」をめぐるドタバタ喜劇恋愛映画。「1999新ラテンアメリカ映画祭で観客賞を受賞し、(キューバの)全国民の8人に1人にあたる140万人が観る大ヒットとなった」という。見たい!(しかし残念なことに、見る機会を逃してしまっている。また上映してほしい)。
この映画によってキューバとキューバ音楽を知ることになった人も多いはず。
ゲイの芸術家と共産主義青年同盟員という二人の青年の友情を描く。同性愛に対する差別とキューバでの表現活動などの不自由(その結果として多くの人がキューバを去る…)というキューバ社会に対する批判を含んでいるが、しかしこういう映画が作られて観られているというくらいには自由であるようだ。この映画が世界的に有名になるまでキューバ映画は日本ではあまり知られていなかったが、キューバは映画大国らしい。娯楽施設に乏しいキューバでは映画は庶民の大きな楽しみ。
詳細なキューバ年表がある。「インターネットのどこを探してもこれだけの資料はない」と書かれているとおり、すごく詳しい。評論のページにもキューバについていろいろあり。
「1962年10月に人類は悪夢を見た。このホームページは、核戦争への13日間のドラマを再現」 このサイトはすごい。ケネディ暗殺事件の謎にもせまる!
いろいろなニュース。
服部 雅博氏によるシリーズ「ハバナ・クレイジー」は、なかなか実態を知ることのできなかったキューバの医療のことなど教えてくれて興味深い。
服部氏がかなりの部分を書いている、キューバについてのガイドブック「ワールド・カルチャーガイド:キューバ - 情熱みなぎるカリブの文化大国」(トラベルジャーナル)もお勧め。
「キューバの精神病院訪問(上)・(下)」、「フィデル・カストロ卒倒でささやかれ始めたキューバの今後(上)・(下)」、「米国テロ事件・キューバの中立が語るもの」、「エイズ療養院訪問で考えた『キューバらしさ』(上)・(中)・(下)」。
キューバを旅行すると、観光客にたかろうとする輩に必ず出会う。
「かつてカリブ海は、キューバ危機など米ソ対立の場だった。アメリカはカリブ海諸国への経済援助を惜しまなかったが、冷戦後は援助が減り、カリブの人々の不満が高まっている。そんな中、キューバは自国もソ連に見捨てられて苦しい中で、周りの国々国に向けて『貧者の一灯』的な援助を増やしており、カストロ議長の評判が高まっている。」
冷戦後、欧米と仲直り目指しキリスト教を容認しローマ法王との相互訪問を実現したカストロと、キューバを「テロリスト」と呼びつづける米国と…。
キューバでIT産業を開花させて、シリコン・バレーならぬ「シリコン・アイランド」にする、というのは夢のまた夢?
キューバのあまり自由でないインターネット事情について。
(ちなみに Cuba Libre――クーバ・リブレ、自由なキューバの意味――というのは、ラム酒をコーラで割ったカクテル。キューバの象徴ラム酒と自由の国米国の象徴のコーラの混ぜ合わせ。しかし、キューバには米国のコカコーラではなくて、「Tu Cola」、「Tropi Cola」というキューバ国産のコーラがある。)
インターネットは自由でなければまったくつまらないと思う。しかし経済的に大変で通信のインフラもなかなか整備できないというのはそれ以前の問題。米国が敵対政策をやめて、いままで国際法的に違法な経済封鎖で損害を与えた償いにキューバにインフラ整備の援助をしてキューバまでケーブルを引いて(すごく近いんだから)、なんてことをすれば、キューバも不自由を貧しさと米国のせいにもできなくなるし、政府がアクセスを規制なんてナンセンスになるだろうしでいいと思うのだが…。
キューバにも面白いウェブ・サイトがあるぞ、という記事。そのサイト La Jiribilla(いたずらっ子の意味らしい)の製作者(キューバ革命を擁護する側)の声と亡命キューバ人からの批判の声とをのせている。
第三世界の解放・革命運動に思いを寄せてきたものとして、革命のダメなところに目を向けている。
太田昌国氏の本『ゲバラを脱神話化する』もおすすめ。
「ゲイどうしの結婚:第2のキューバ革命」など、いろいろ。
キューバのカストロ体制への左翼(トロツキストらしい)からの痛烈な批判。
キューバ国家と政府の公式サイト。
キューバでの観光ツアーについて、いろいろ。
キューバのあるゆるWebサイトが網羅されている。
キューバ社会の IT 化をすすめるために Linux は重要という。キューバは米国から経済封鎖を受けていて、マイクロソフトなど米国の製品はキューバへの輸出が禁止されている。実際は第三国経由でキューバに入ってきているのだが、貧しいキューバにとっては米国の独占企業の製品などあまり使いたくないはず。そこで、世界のだれもが自由に無料で使える OS、Linux ということになる。とはいっても、キューバ政府のサイトがマイクロソフトの Windows2000 のサーバー(IIS 5.0)を使っていたりする(ここで分かる)というのは、対キューバ禁輸政策に対する皮肉なのか、それともキューバ政府は案外マイクロソフト好きなのか、別に意味ないのか知らないけれど、反カストロ派のハッカーにいたずらされないかと余計な心配…。
キューバ旅行者のための最新情報がやりとりされている掲示板があります。
「キューバの人間の血は熱い,沸騰している、そして悲しい。」
ちょっと変態な趣味のページ。
キューバ大使館便り、チェ・ゲバラ特集、など。キューバ情報が「編集中」のまま更新が止まっているのが残念。
日本在住のキューバ人アーティスト Marlen のホームページ。「Cuban salad」(マルレンの「キューバ風サラダ」)など面白い。
キューバと関係が深い歌手。ラテンジャズ・バンド HAVATAMPA のヴォーカリスト。彼女の本もおすすめ。
キューバ・ハバナのライブアドレス、ラジオの紹介、国際結婚、キューバ料理、など
随時更新予定…
murakami@nadita.com