アスペルガーの館の掲示板（旧）

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グース改めペパーミント wrote:
。急いで考えて「コンビニに」（薬屋と方向が同じ）と答えたら、「遊びに？」とびっくり仰天した顔で言いました。母は耳が遠いからですが、私の行動に不信感を抱いているからそのように聞き間違えたのだと思います。
>「コンビニ！」だともう一度言って納得させましたが、こういう接触さえうっとうしくてうっとうしくて、正直言うと死にそうなほどつらいです。

親御さんが年を取ると、発音がおぼつかない・どもりがあるという人は、やっぱり苦労しますよね。このてのトラブルは、しょっちゅう僕にもあります。

>これは一番軽い例です。実際にはもっとややこしくて感情的な接触を強要してきます。暗にプレッシャーをかけるのが母の得意技です。

親から離れたい⇒けど働けない⇒お金がない⇒結局無理だとあきらめる。（子供）
いざというときに頼れる存在⇒なんか心もとない⇒可愛くって手放せない。（親）

ああ、疲れるぅ～（～＿～）

シペラスさん wrote:
>あなたがＡＳである（らしい）ということで、一番困っていることは、何ですか？

　ひとつの言葉にとらわれると、それが気になって気になって、どこまでもそのことを考えつづけ、不安や悩み事を増やし、軽いパニックや日常生活に支障をきたしたりすることがある。それが日常となってしまった感がある。

　きのうは「乖離」「離人症性障害」のことばかり考えていた。自分はそうかもしれないと思った。その証拠（と思われる）事柄を探した。いつからだろうと考えた。ＡＳだろうか、二次障害だろうか、わたしは“変で妙でオカシイ”のが、ずっとウリだった。それが本当のわたしだと思った。今は違うのかもしれない。休息がほしい、精神病院に入りたい、“うそ”の自分をやっつけたい、その他もろもろの思考が頭をよぎって消えた。泣いて、わめいた。これを治めなくてはならないと思い、半日は新聞を読み続けた。外に出たい、海を見に行きたい、でもしてはいけないから、それはしない。本当は、放浪の旅に出たい。でも、してはいけないから、しない。コントロールできているじゃないか、それがふつうの人の証しだ、と自分を慰める。でも、でも、楽しくない！！　頭痛と吐き気とめまいで、ふらふらな夜を迎えたのだった。

　こういうのはＡＳである（らしい）から困るということではないだろう。しかし、いつからわたしはこういうふうにしか生きられなくなったのか？　その原因はなんなのか？　追求し続けるだろう。

　質問に答えられなくなって、失礼しました。
　明日はどんな言葉に惹かれるだろうか……。

私が今切実にこまっているのは、母との関係です。母が接触を求めてくるのが煩わしくてたまらないのに、すぐ側に住んでいるので拒否することもできないということです。それに年寄りに淋しい思いをさせてはいけないという気持ちもあるので、悩んでいます。
何の関わりも持ちたくないという自分の感情と、人間としての義務の板挟みです。
ついさっきも、私が精神科の薬を受け取りに薬屋へ出かけようとしたらぱったり会ってしまいました。すると不思議そうな顔で「今頃からどこへ行くのか」と聞かれました。急いで考えて「コンビニに」（薬屋と方向が同じ）と答えたら、「遊びに？」とびっくり仰天した顔で言いました。母は耳が遠いからですが、私の行動に不信感を抱いているからそのように聞き間違えたのだと思います。
「コンビニ！」だともう一度言って納得させましたが、こういう接触さえうっとうしくてうっとうしくて、正直言うと死にそうなほどつらいです。

これは一番軽い例です。実際にはもっとややこしくて感情的な接触を強要してきます。暗にプレッシャーをかけるのが母の得意技です。

シペラスさん
みなさん、こんにちは。

　私が一番困っているのは他人との双方コミュニケ－ションが取れない事です。
ＡＳさん達の中でもなじめず浮いている始末です。

まろんす

あなたがＡＳである（らしい）ということで、一番困っていることは、何ですか？

けいさん、こんにちは！
大変、ご無沙汰しておりますが、ミグでございます。

’’けい’’さんwrote:
>けいです。（覚えているかな？）幹事お疲れ様です。

よく覚えてますヨ！！
ただ、雑踏の中から探して、と言われたら、ちょっと自信はないけど(^^;。

>行きたい・・・。でも２５日は朝からバイトだぁぁぁ～（涙）ワタクシけいは
>不参加でお願いします。

はい、わかりました。
バイトに学校に、頑張ってますね。
前回のミニオフは私の方が都合が悪くって、参加できず、残念でした。
また、お会いしたいです。

ミグの次回参加は、多分、９月２８日（土）です。（自分で企画ってことなんだけど）
その頃、どうなっているかは分からないけど、良かったら、考えておいてくださいね(^^)。
ほんと、また、お会いしたいです～。
では。

（鯨夢ミグ）

遅くなりましたが、結果です。

>　ＩＱテスト
>　　http://www.unnmei.com/iqtest/iqtest.html

>　ＥＱテスト
>　　http://www.unnmei.com/eqtest/eqtest.html

#あなたのIQの値い(平均値：100)は127です

#あなたの自己認知力・自己統制力(最高値15)は2です

#あなたの共感性・コミュニケーション力(最高値15)は4です

#あなたの柔軟性・楽観性(最高値15)は7です

#あなたの総合値(最高値45)は13です

と言う事らしいです……EQ低いですね（TT

こうもりさん wrote:
> 　それとも、問題提起の意味が何か別のところにあるのでしょうか？

シペラスさんwrote:
> ただ現行の定義では、「知的障害者＝生活能力のない集団」というイメージが強く、そのことに腹が立つのです。ただ「ＯＯＯは、ＩＱが７０以下である」ということで、その詳細を吟味することなく、漠然と支援が行われているような気がします。

> さてちょっと気が付いたことがあるのですが、『知的障害』というのは、『結果的な見方』であるということではないでしょうか？

> 　　ここで注目すべきは、この判定というものが『結果論』だけで行われているということです。

> しかし判定の材料になるのは、「わからなかった」という結果だけで、「どうしてわからないのか？」という『原因論』的な考察がなされていないのです。

　シペラスさんは、「ＩＱの測定値によって、機械的に知的障害者とみなされ、知的障害者＝生活能力のない集団と判断され、同時に漠然と支援が行われている」ことを問題視しているように受け取れます。

　ケア（介護あるいは看護あるいは援助）というものは、セルフケアの能力が欠けている／不十分な人に必要なものを提供する、ということですから、「生活能力の程度」＝「セルフケア能力の程度」によって障害者の判定を行なうは理に適っています。また、各都道府県等の地方自治体によってその判定基準が異なっているのは、大家族と一人暮らし、あるいは地域の人間関係のありかたによって、民間レベル（家庭内あるいは地域での）相互ケアのありかたが違うので、自治体がどこまでケアを補充するかという点に当然差が出てくるという理由によると考えられます。

　公的な援助のありかたと、一般人のものの見方については、確かに強く関連はしているものの、一応別の問題だと考えるべきものではないでしょうか。

　（Maria）

　皆様こんにちは。心配性(ADDのせい？)の名加野です。

　「秘密結社A」……これはまた、居ない間に大きな話になってますね。

　参加資格が必要と聞いただけで、僕は参加不可能かなと考えてしまうのでありました。「気軽に参加出来ない」上に、「規則に縛られてしまうのではないか」と。

　一応一通り「NPO」だけは目を通してみましたが、見てるだけでドキドキしてきます。

　明日のオフ会も今日始めて知りましたし（＾＾；

　……考えすぎですか？（－－；

　よく考えが「一人でとてつもなく遠い所へ行っている」と人に言われるんですが、どうなんでしょうね（T▽T;

　ではでは。オフ会本当にどうしよう……（＝△＝；。

　某院生さんこんにちは。はじめまして。

> 日本においては「修業年数を守る」ことの方が「成果を上げる」ことよりも
>はるかに重んじられる風土があります。（浪人や留年が望ましくないこと（特に
>企業の就職では不利になる）だと思われるのは、その一例でしょう。）

　そうですね。うちの親も多かれ少なかれそういう考えを持っています。「留年＝勘当」みたいな所が特に。国語だか算数だかが、小学校5年の時「オール1（年間通して最低ランク）」取ったときは凄まじかったですね。留年はしませんでしたが。

　大学の話とは少しずれますが、今や「ゆとり」を求めて学校も土日が休みになりました。

　最近高校の先生と話した時「高校はまだ良いけど、小学校なんかは大変だよ、授業はぎゅうぎゅう詰めでゆとりなんかありゃしない。土曜日のつけを他の曜日に回してる。」と言う話でした。殆ど毎日6時限目まであるそうです。

　中学校の時は第二、第四土曜日は休みというのが凄くうれしかった気がしますが、あらためて考えると、授業が毎日6時限目までと言う事がありませんでした。

　内容びっしり積めこむのはどうなんでしょうね？
　ついて行けない人が増えるような気がします。

　まあ、夏休みも在るけれど……。

　ではこの辺で。

こうもり wrote:
>シペラスさん wrote:
>
>>「知能」という言葉の意味は、学者によって異なっています。
>
>　ここで問題になるのは、発達障害の知能検査で用いられる「知能」
>という言葉です。けっきょく、シベラスさんのはじめの問題提起にあ
>った公的支援の審査で使用されている知的障害とは、知能検査で使用
>される知能という意味に限定されていると考えられるからです。
>
>　で、今の知能検査で計測できる知能というのは
>
>（１）情報を入力する早さ（のみこみの早さ）
>（２）入力した情報を維持する能力（主に記憶）
>（３）質問されたことや出された課題に対して、出題者の期待通りに
>　　　反応できているか。（言語ゲームの達成度）

そう現在の知能テストで見られているのは、確かにこの３つの事項です。
　そして、その結果から「ＩＱ」というものが算定され、それが７０以下だと、「知的障害」という判定が下ります。
　　ここで注目すべきは、この判定というものが『結果論』だけで行われているということです。
　例えば『算数的』なことで、Ｎちゃんは「１０-７＝３」がわからないとすると、
それには、

1.視覚認知の障害で、『-』の記号が見えず、何をすべきかわからなかった。

2.外の嵐の音やＮちゃんの注意力の低下のために、検査官の声がうまく聞こえなかった。

3.数式を頭の中で、「りんごを食べた」など具体的な状況に置き換えて考えることができなかった。

4.本当は知っていたのに、慌てて「２」と答えてしまった。

など、複数の「理由」があるはずです。

しかし判定の材料になるのは、「わからなかった」という結果だけで、「どうしてわからないのか？」という『原因論』的な考察がなされていないのです。
　

シペラスさん wrote:

>「知能」という言葉の意味は、学者によって異なっています。

　ここで問題になるのは、発達障害の知能検査で用いられる「知能」
という言葉です。けっきょく、シベラスさんのはじめの問題提起にあ
った公的支援の審査で使用されている知的障害とは、知能検査で使用
される知能という意味に限定されていると考えられるからです。

　で、今の知能検査で計測できる知能というのは

（１）情報を入力する早さ（のみこみの早さ）
（２）入力した情報を維持する能力（主に記憶）
（３）質問されたことや出された課題に対して、出題者の期待通りに
　　　反応できているか。（言語ゲームの達成度）

でしかありえないように思えるのです。シラベスさんが紹介された「
知能」の定義はいずれも知能検査で使用されている「知能」の定義よ
りも広い範囲を指しているのではないでしょうか。

　今回は公的支援から端を発した問題であったため、意味を限定して
「知能」という言葉を使用しております。

　それとも、問題提起の意味が何か別のところにあるのでしょうか？

こうもり wrote:
> 発達障害の世界で使用されている「知」と言う言葉は「知性」よりは狭い
>意味で使用されているような気がします。発達障害の世界で言う「知」とは
>もっぱら情報処理の早さ（のみこみの良さとか習得の早さ）を問題にしてい
>るのではないでしょうか？自閉の世界でも共感性の欠如というのは相手の気
>持ちを分析できることではなく、相手の気持ちを直感的にすばやく理解でき
>る能力のことです。ＷＡＩＳの知能検査を受けた時にも、課題を解いている
>最中に検査者が度々ストップ・ウオッチを確認して課題を達成するのにかか
>った時間を測定しておりました。で、情報処理の早さという面から見れば、
>わたしは間違いなくあまりよいとは言えません。
>
「知能」という言葉の意味は、学者によって異なっています。

ターマン：知能とは、高度な抽象的思考能力であり、文字や数字などの記号を用いた高度な精神作用である。知覚や機械的な記憶とは区別される。この抽象的な思考をなしうる程度において、個人は知能的である。

ディアポン：知能とは学習能力である。すなわち物事を学ぶための力で、経験によって獲得された知識や学力とは区別されるものである。

シュルティン：知能とは、新しい生活問題・生活条件に対する一般的な心的順応力である。

また「『知能』は、経験・学習によって蓄えられた知識に相当する『結晶性知能』と、新しい環境に順応し活路を開いていくための力に相当する『流動性知能』の２種類に大別できる」というのが、最近の見方であるようです。

さてちょっと気が付いたことがあるのですが、『知的障害』というのは、『結果的な見方』であるということではないでしょうか？

某院生さん wrote:

> 理由① 大学院は（特に修士課程は）修業年数が決まっている。修業年数を
>引き伸ばすことは、特にわが国では経済的にも文化的にも困難である。

> 理由② 物の見方の前提を疑うことが、学会や研究者仲間の間でも困難

>理由③ 就職には業績が必要。年齢制限もあり

　これらの理由はのみこみの悪い人が研究で大成しない理由というよりは、
日本でなかなか研究者が育たない理由であるように思えます。

　また、研究者として就職できることと優れた研究ができるというのは別の
次元の問題です。わたしも大学院生時代に「研究職を目指す人はとにかく内
容に関係なく論文を量産せよ」と言われてきましたが、単に就職を目指すの
であれば、いい論文を書くよりもその方がずっとうまくいくでしょう。

　院生くずれのわたしが言うのもなんですが。

シュッツさん wrote:

>発達障害には、ダウン症、トゥーレット症候群、XYY症候群、クライン
>フェルター症候群（XXY、XXXYなど）も含まれます。

遺伝子レベルで見ればそうですが、これらの障害もまた認知の障害が
つきまといます。

　ところで、

　「理由? 」「理由? 」「理由? 」は、うちのマシンでは「理由（日）」「理由（月）」「理由（火）」のように見えます。

　丸数字やカッコ数字、時計数字（あるいはローマ数字）、半角カナ文字、「株式会社」「郵便番号」「電話番号」などの記号は、システム互換性を考慮して、なるべく使わないようにしてください。

　うーむ、管理人さんみたい……(-_-;)。

　（Maria）

I wrote:
> 　つねづねあたしが疑問に思っていることなのですが、「知的障害」と「認
> 知障害」と「学習障害」と「精神障害」というのは、それぞれ具体的にどう
> いうことで（あるいはそれ以前にどこでどういう定義がされているのか、あ
> るいはされていないのか）、それぞれがどういう関係にあるんでしょうか。

こうもりさん wrote:
> 　Ｍａｒｉａさんは認知障害を知的障害や学習障害とは別ものと考えておら
> れるのですか？わたしは発達障害（知的障害と学習障害）と呼ばれている障
> 害は、全て認知によって引き起こされると考えていました。つまり、全ての
> 発達障害は認知障害に含まれると考えていたのです。

　「認知」というと、たとえば「空間認知」「図形認知」の問題があります。説明図を見てもそれがどういう意味かわからない、なんていう人は実際にいますし。「図ではなくて、模型で示してくれればわかる」「現物を見ないと、実際の大きさや位置関係がつかめない」ということは、あるんじゃないでしょうか。あるいは、「数概念の獲得」なんていうのも、そうかもしれません。

　あるいは、「遠心力と求心力」「重量と質量」「無限と極限」「微分・積分」「エネルギーとエントロピー」といった概念を理解できるかどうかというのは、ある一定以上の複合的な概念を理解できるかできないか、みたいな部分にかなり左右されそうに思います。また、「“背理法”が理解できない」とか、「ε－δが理解できない」とかいうのは、推論に問題があります。

　さらに、記憶障害があった場合は、学習に支障をきたします。

　認知のレベルで問題がある場合は、実験や実習、あるいはコンピュータ・グラフィックスやビデオ教材、模型などの活用といったことが役に立つかもしれません。

　推論の部分に問題がある場合は、一つの問題を何日もかけて徹底的に考えぬく、といったことの繰り返しがたぶん必要です。

　もの覚えが悪い場合は、反復学習が必要になってくるでしょう。

　そんなわけで、

　認知障害⊂知的障害⊂発達障害⊂学習障害

といった関係が、おおざっぱに言って成立つと思います。もちろん知的障害を伴わない認知障害による発達障害、なんていうものもあるかもしれませんが。

こうもりさん wrote:
> 　ただし、のみこみがよいとか習得が早いということは必ずしもその人の理
> 解の深さを保証するものではありません。わたしが学生時代に中国史を習っ
> た教授の１人は「のみこみがよくすっきりと物事を理解できてしまう奴は研
> 究者に向いていない。研究で大成するのは頭が悪くて、色々な問題につまづ
> いてのめりこんでしまうような奴だ」と度々述べておられました。哲学につ
> いては言うまでもないでしょう。のみこみのいい人間にはまず不可能な学問
> です。

某院生さん wrote:
> この発言を見てふと思ったのですが・……
> 確かにこの教授の言うとおりでしょう。多分私の指導教授にしろ、他の諸教授にしろ同じことを思っていると思います。しかし飲みこみの悪い人が研究者として大成するのは、大学院にいる私からすれば、おそらくは不可能に近いと思います。それは大学院という世界で生きていくには、研究能力を育ててゆくという上では様々な障壁があるからです。

　それは、日本と外国の学位に対する考え方の違いだと思います。

> 理由（２）物の見方の前提を疑うことが、学会や研究者仲間の間でも困難
> 様々な言葉には定義があります。しかし、もともとの定義を離れてある言葉が
> 用いられることは、学者の間でも往々にしてあることです。その際にある言葉の
> 意味を理解するのに大切なのは、言葉に対する感覚を他の学者と共有すること
> になります。「理解力のなさ」はしばしば、言葉に対する感覚を共有できないと
> いうところに原因があるのです。
> 特に基本的な言葉（「仮説」「理論」「経験」「歴史」など）の捉え方が一般の人達> と異なると、周囲と理解を共有しがたくなるものです。
> 周りと言葉に対する感覚を共有せずに「「経験的」とはどういうことなのか」「年号と歴史との間には関係があるのか。（戦後の歴史などというが、果たして「戦後」という枠組で論じられる歴史が歴史の全てなのか）」などといった根本的な問いを発するような者は、しばしば誰からも相手にされなくなってしまいます。
> 私は学会で、ある専門用語の用い方がもともとの文脈を離れて用いられているのではないかという批判を発表者に対して行いましたが、どうやら大顰蹙をかったようです。（「あの発表者に個人的な恨みでもあったのかな、あの人」などと聴衆達は私をうわさしていたようです。）

　日本では（特に課程博士では）、その人の業績に対して学位を与えることになっています。とはいえこの「業績」というのが学問的業績というより、大学という体制に対する「貢献」「奉仕」といったもので計られたりするわけですね。だから、学会とかがあると手伝いに駆り出されたり、「自分のとこの親分の学説と異なった成果は出せない」みたいな事情から堤灯記事みたいな後追い論文をいくつも出すはめになったりするわけです。

　そんなわけで、さっさと就職して自分で予算をぶん取るなりなんなりしてガンガン成果を上げているひとは、けっこう学位を持っていなかったりします。
　これは海外ではちょっと考えられないことで、海外では「学位を持っていない」ということは「研究者としてオーソライズされていない（研究者としての資質を公式に認められていない）」ということで、いわば「無免許運転」みたいなものだったりします。そんなわけで、企業が学位も持っていない人間を研究職の職員として雇うことはないし、研究者として認められることもありません。まあ、例外はありますけれど。

　我が大森総研の場合、請負のプロジェクト業務をどこがぶん取るかとか、過去に例のない新製品を出してニッチを確保するといった勝負事の世界で研究をしてきたものですから、「狙ったテーマは安く早くおいしく確実に抜く」といったアプローチを専門にしてきました。こうなると学位もへったくれもないのですが、慎重なコスト計算とマーケティングやタイミングの問題まで考えねばならず、その中で自分の知的好奇心を満たすというのはけっこう至難の技です。

　自分のやりたいように研究をしようと思ったら、理研や北里研究所のように、自分で研究所をぶっ立てるしかないんじゃないでしょうか。うちの場合、企業の駆け込み寺みたいになっていたので赤字になっちゃいましたが、力関係で（設計・管理・開発のほとんどがこっちの仕事であるにもかかわらず）業界大手の請負のコントロールの下で働かされ、あげく支払いをパクられたり仕事をつまんで持ってかれたりとかいったトラブルさえなければ、そこそこ喰ってはいけそうに思います。

　（Maria）

こうもりさん wrote:

>
>　ただし、のみこみがよいとか習得が早いということは必ずしもその人の理
>解の深さを保証するものではありません。わたしが学生時代に中国史を習っ
>た教授の１人は「のみこみがよくすっきりと物事を理解できてしまう奴は研
>究者に向いていない。研究で大成するのは頭が悪くて、色々な問題につまづ
>いてのめりこんでしまうような奴だ」と度々述べておられました。哲学につ
>いては言うまでもないでしょう。のみこみのいい人間にはまず不可能な学問
>です。
>

この発言を見てふと思ったのですが・……
確かにこの教授の言うとおりでしょう。多分私の指導教授にしろ、他の諸教授にしろ同じことを思っていると思います。しかし飲みこみの悪い人が研究者として大成するのは、大学院にいる私からすれば、おそらくは不可能に近いと思います。それは大学院という世界で生きていくには、研究能力を育てて行くという上では様々な障壁があるからです。
理由① 大学院は（特に修士課程は）修業年数が決まっている。修業年数を
引き伸ばすことは、特にわが国では経済的にも文化的にも困難である。

2年やそこらで修士論文を提出するのは、飲みこみの悪い者には困難な
ものです。もっとも2年で提出せず3年、4年とかけても良いのですが、奨学金が
貰えないということもありますし、何よりも周囲（家族など）がそれを認めて
くれないような状況もあるでしょう。
日本においては「修業年数を守る」ことの方が「成果を上げる」ことよりも
はるかに重んじられる風土があります。（浪人や留年が望ましくないこと（特に
企業の就職では不利になる）だと思われるのは、その一例でしょう。）かく言う私も修士論文は2年で満足なものが書けず、アルバイトしながら3年かけて書こうと思ったことがあります。しかし両親からの猛反発にあいました。特に親父は、2年で提出しないのはまるで自分の責任から逃げていることであるかのように私を咎めました。結果として私は大事な修士論文を、不本意ながら無理矢理2年で提出させられてしまったのです。（かく言う親父は一浪一留ですし、弟もそうです。彼等は遊んでいてそうなったのですが、何故か「能力不足で留年や浪人するのならまだしも、自分から留年するなどということは許さぬ」というわけのわからない理屈が（我が家に限らずほとんどの家では）受け入れられているのです。）このような物の見方をする人はまだまだ日本には多いですし、現実を考えると自分の意志で「時期を遅らせる」ことは困難なのです。

理由② 物の見方の前提を疑うことが、学会や研究者仲間の間でも困難
様々な言葉には定義があります。しかし、もともとの定義を離れてある言葉が
用いられることは、学者の間でも往々にしてあることです。その際にある言葉の
意味を理解するのに大切なのは、言葉に対する感覚を他の学者と共有すること
になります。「理解力のなさ」はしばしば、言葉に対する感覚を共有できないと
いうところに原因があるのです。
特に基本的な言葉（「仮説」「理論」「経験」「歴史」など）の捉え方が一般の人達と異なると、周囲と理解を共有しがたくなるものです。
周りと言葉に対する感覚を共有せずに「「経験的」とはどういうことなのか」「年号と歴史との間には関係があるのか。（戦後の歴史などというが、果たして「戦後」という枠組で論じられる歴史が歴史の全てなのか）」などといった根本的な問いを発するような者は、しばしば誰からも相手にされなくなってしまいます。
私は学会で、ある専門用語の用い方がもともとの文脈を離れて用いられているのではないかという批判を発表者に対して行いましたが、どうやら大顰蹙をかったようです。（「あの発表者に個人的な恨みでもあったのかな、あの人」などと聴衆達は私をうわさしていたようです。）
近年話題になったカーソルの「知の欺瞞」は、私は単なる英米系の学者のフランス叩きにすぎないのではないか（著者は「違う」と言っていますが）と考えています。しかし、アカデミズムの世界は案外（おそらくはこの国のみではなく）学者仲間の間で「感覚的に」共有されている言葉の意味を「鵜呑みに」していくことが要求されている面があり、それに対して疑問を投げかけることは、非常に難しかったりするのです。

理由③ 就職には業績が必要。年齢制限もあり
言うまでもないことです。特に、「学会発表を何回やったか」「何本の論文を
書いたか」ということが問われる中では、「質より量」とあせりの気持ちが出てきます。私も昨年、満足のいかない発表を「焦りの気持ちから」してしまいました。
今のような就職の困難な時代、いつも焦りと不安を抱えているのが私達院生です。
このような環境では、じっくりと物を考えるよりも「器用さ」や「要領のよさ」の
方に目がいってしまいます。

以上の理由は、私自身の甘えに由来するものかも知れません。しかし、私自身はこの大学院というところで、じっくりと腰を据えて研究することに困難を覚えています。

こうもり wrote:
>わたしは発達障害（知的障害と学習障害）と呼ばれている障
>害は、全て認知によって引き起こされると考えていました。つまり、全ての
>発達障害は認知障害に含まれると考えていたのです。

発達障害には、ダウン症、トゥーレット症候群、XYY症候群、クラインフェルター症候群（XXY、XXXYなど）も含まれます。

Mariaさん wrote:

>　つねづねあたしが疑問に思っていることなのですが、「知的障害」と「認
>知障害」と「学習障害」と「精神障害」というのは、それぞれ具体的にどう
>いうことで（あるいはそれ以前にどこでどういう定義がされているのか、あ
>るいはされていないのか）、それぞれがどういう関係にあるんでしょうか。

　Ｍａｒｉａさんは認知障害を知的障害や学習障害とは別ものと考えておら
れるのですか？わたしは発達障害（知的障害と学習障害）と呼ばれている障
害は、全て認知によって引き起こされると考えていました。つまり、全ての
発達障害は認知障害に含まれると考えていたのです。

　
>　そんなわけで、「知的障害」について論じる際には、知性のどの部分がど
>ういう形で阻害されているかを分析する必要がありそうに思います。

発達障害の世界で使用されている「知」と言う言葉は「知性」よりは狭い
意味で使用されているような気がします。発達障害の世界で言う「知」とは
もっぱら情報処理の早さ（のみこみの良さとか習得の早さ）を問題にしてい
るのではないでしょうか？自閉の世界でも共感性の欠如というのは相手の気
持ちを分析できることではなく、相手の気持ちを直感的にすばやく理解でき
る能力のことです。ＷＡＩＳの知能検査を受けた時にも、課題を解いている
最中に検査者が度々ストップ・ウオッチを確認して課題を達成するのにかか
った時間を測定しておりました。で、情報処理の早さという面から見れば、
わたしは間違いなくあまりよいとは言えません。

　ただし、のみこみがよいとか習得が早いということは必ずしもその人の理
解の深さを保証するものではありません。わたしが学生時代に中国史を習っ
た教授の１人は「のみこみがよくすっきりと物事を理解できてしまう奴は研
究者に向いていない。研究で大成するのは頭が悪くて、色々な問題につまづ
いてのめりこんでしまうような奴だ」と度々述べておられました。哲学につ
いては言うまでもないでしょう。のみこみのいい人間にはまず不可能な学問
です。

　情報処理の早さはその本人から試行錯誤というかけがえのない経験を奪っ
てしまうことがあります。逆に情報処理の遅さが経験に基づく偉大な知性を
作り上げることもありえます。

　大人になった発達障害者の情報処理の早さが今から進歩するとは思えませ
んが、情報処理の遅さを経験に変えていく道は残されているように思えます。

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