アスペルガーの館の掲示板(旧)

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数学が得意な人へ(2)
No.6348  Fri, 3 Aug 2001 20:51:41 +0900  武田好史 [この発言にコメントする]

 昨日のことですが、何の気なしに高校の数学の教科書をめくっていたら、こんな問題を見つけました。


√6が無理数であることを利用して、1+√2+√3が無理数であることを証明しなさい。

 背理法でということですが、どうもとっかかりがつかめません。
腕に覚えありという人がいたら、ご教示ください!


Re: 私アスペルガ症候群なの 6346へのコメント
No.6347  Fri, 3 Aug 2001 20:37:23 +0900  武田好史 [この発言にコメントする]

壁谷 正史 wrote:
>私が社会に出ても適応できず半年ぐらいで会社を辞めたり、解雇されたりします
>解雇のされたりします。中学高校時代もクラスの仲間に適応できず、いじめられいました。専門家に見てもらったほうが良いのでしょうか。愛知県に住んでいますが
>どこにありますか、東京や大阪に行かないとないのでしょうか。
> 

 その実体自体トップシークレットなので、詳しいことは判らないのですが、愛知県には、中京大の辻井正次さんを中心として、「アスペの会」というASの人のための支援組織があります。


私アスペルガ症候群なの
No.6346  Fri, 3 Aug 2001 19:33:51 +0900  壁谷 正史 [この発言にコメントする]

私が社会に出ても適応できず半年ぐらいで会社を辞めたり、解雇されたりします
解雇のされたりします。中学高校時代もクラスの仲間に適応できず、いじめられいました。専門家に見てもらったほうが良いのでしょうか。愛知県に住んでいますが
どこにありますか、東京や大阪に行かないとないのでしょうか。
 


ありがとうございます
No.6345  Fri, 3 Aug 2001 15:43:45 +0900  Tien [この発言にコメントする]

みなさま、こんな私に、アドバイス沢山にありがとうございます。
感涙にむせんでおります。(;_;)
友達に旅行に誘われいるんですが、「夏は体調が崩れるから行きたくにゃい!」と
言っても、なんか信じていないみたいで、どう回避しようか、
悩んでいる今日このごろです。(多分行かないだろうけど。)
ナッツもトライしてみようと思います。
苦瓜を毎日炒めて食べていて、牛乳も飲んでいるんだけど、納豆が嫌いで全く
食べないのが片手落ちなのでしょうか?
土日は、私の女神様、アンジェリーナ・ジョリーのビデオを
氷室状態の部屋から出ずに見ようっと♪


Re: 夏ばて 6343へのコメント
No.6344  Fri, 3 Aug 2001 15:12:40 +0900  Maria [この発言にコメントする]


 肝心なことを書きおとしておりました。最初に鍋に水を入れてください。でないとスープになりません。(へにょへにょ)

 CFSには効くかどうかわかりませんが、漢方では瓜の仲間は身体の熱を取る作用があるとされています。インドなんかだと西瓜ジュースをよく飲んでますね。

 で、今の季節だと、冬瓜(とうがん)がよいのではないでしょうか。スープに入れて煮ます。ごはんのとろみがついているので、仕上げに葛を引く必要はありません。なお、ごはんを入れるのは身体が水分やイオン(天然にがりのマグネシウム、野菜のカリウムなど)を吸収しやすくするための工夫です。つまりはスポーツドリンクと同じ理屈。つまり、冬瓜のお汁というのは日本古来のスポーツドリンクだったのですね。うーむ、日本人おそるべし。なお、昆布を入れるとミネラル分が豊富になってよいぞ。

 閑話休題。夏野菜なのに冬瓜とはこれ如何に。冬に採れても夏蜜柑と云うが如し。

 意外なことに、胡瓜も煮るとおいしいです。皮が堅いので、ところどころ削って長さ四五センチの六つ割にするか、繊切りにします。

 生姜も身体の熱を取ると言われています。一緒に煮るのではなく、最後に生姜の絞り汁を入れると効果的なんだけど、多少、めんどくさいです。フードプロセッサなんか使うとロスが多すぎます。スライサーがあればそれで細い繊切りにするのがいいかも。もっとも包丁技に自信があるなら包丁でどうぞ。
 この繊切り生姜(針生姜)は、台湾料理というと何かにつけて出てきます。台湾ソーセージに針生姜・白髪葱・豆板醤・ニンニクスライスを添えて、サラダ菜でくるんで食べるとめちゃ辛だけどおいしいです。べつに台湾ソーセージじゃなくて焼肉でやってもおいしいんだけどさ。
 あまり日本では馴染みのない野菜だけど、エンダイブというのがあります。とても焼肉と合います。お試しあれ。芯が太いので別にして、楯に繊切りしておくとよいです。

 閑話休題。エンダイブ(英語)はフランス語でシコラというらしいです。で、チコリ(英語)はフランス語でアンディーブというらしいです。なんなんなんなんなんだー!(←吉本新喜劇のネタ)

 もうひとつ閑話休題。「千六本」というのは、中国語で「大根の繊切り」の意の「センロポ」が訛ったもの。「ロポ」というのは地中海のほうの言葉でアブラナ科の植物を指す言葉。ラテン語で「大根」は「raphus」。ちなみに英語でも「菜の花」は「rape flower」。「強姦(略奪)花」ではありません。「略奪する」はラテン語で「rapto」。勘違いしないよーに。

 『暮しの手帖』93号の『エプロンメモ』に「生姜ごはん」というのが載っていました。米三合に対して新生姜を針のように細かく切ってカップ八分目。出汁に醤油少々と塩を加えて味をととのえ、普通に水加減をして炊きます。

 えー、夏と生姜とくれば「甘酒」。げー、と思うかも知れないけど、甘酒とは昔、暑気払いに飲んだものでありました。「おいっ、甘酒屋っ! 熱いかいっ?!」「熱いっすよ!」「……なら日陰通れ。」という江戸小咄が残っています。火傷しそうに熱い甘酒にすり生姜をひとつまみ。「もろみ」かなんかを舐めながら(梅干もGood)いただきます。神田明神前の『天野屋』さんの「氷甘酒」は、最初「あの老舗がまさか?」と思ったけど、おいしいです。

 ちなみに、例のアヤシゲな呪文は、ウィリアム・シェイクスピアの『マクベス』に出てくる魔女のセリフ。どろどろどろ。

 (Maria)


Re: 夏ばて 6342へのコメント
No.6343  Fri, 3 Aug 2001 12:23:27 +0900  一穂(いちほ) [この発言にコメントする]


> なんかぼーっとしている・冷房があるお部屋は嫌だということなら、ナッツ類がお勧めです。
> ナッツ類は太るとか・鼻血がでるとか敬遠する人が多いのですが、必須アミノ酸・ビタミン類・ミネラルがいっぱい入っています。
> アーモンドには、ビタミンEがいっぱい入っています
デザート代わりに
>5粒くらいかりかりと食べればよいのではないでしょうか・・・
> またカシュナッツには、ブドウ糖を燃やしたり・神経を落ち着かせるために必要なマグネシウムが入っています。

お、いいことを聞いた。
早速わたしも食べよう。
さっき体重計に乗ってみたら、38.5kg(身長は156cm)しかなくて
一瞬わが目を疑った。
太りたいのに。せめてあと5kgほしい。
どうしたら太るかしら。
…太りにくいのは微熱のせい。
CFSの症状なんだけど、常に37.3℃前後の熱があるので、食べても食べても熱になって逃げてしまう。
ついでに熱のせいで頭もボーっとしてる。
熱があるから、ついうわのそらになりがち。
陽気で頭の悪い子ってかんじで、病気の症状が性格になってる。
皮肉なことに、頭が働かないおかげで親しみやすい性格になって、最近友達が増えた。

鶏の手羽先スープもおいしそう、作ってみようかな。
わたしはどちらかというと料理は苦手、
でも、作る楽しみを知らないからなのかな、って思った。
ごはんはあとかたもなくなっちゃうんだ、
なんだか理科の実験みたいで楽しそう。


Re: 夏ばて 6336へのコメント
No.6342  Fri, 3 Aug 2001 11:45:25 +0900  武田好史 [この発言にコメントする]

Tien wrote:
>こんばんは。私は夏ばてがひどくて、ほんとにつらいです。
>みなさんはどうやって乗り越えていらっしゃいますか。
>ああ、つらいよう。
>変なカキコで済みません。(m++m)

 なんかぼーっとしている・冷房があるお部屋は嫌だということなら、ナッツ類がお勧めです。
 ナッツ類は太るとか・鼻血がでるとか敬遠する人が多いのですが、必須アミノ酸・ビタミン類・ミネラルがいっぱい入っています。
 アーモンドには、ビタミンEがいっぱい入っています。ビタミンEは血行をよくしたり・身体をつくっている細胞を活性酸素から守る作用があるようです。これはテレビで見たことなのですが、1日に必要なV.E.の量というのは、その人が日頃さらされるストレスの量に比例していて、アメリカの研究者の分析によれば日本人が必要な量は10ミリグラムであろうとされています。これはアーモンドだと30グラムくらい摂ればよいということだそうです。まあ、食後のデザート代わりに
5粒くらいかりかりと食べればよいのではないでしょうか・・・
 またカシュナッツには、ブドウ糖を燃やしたり・神経を落ち着かせるために必要なマグネシウムが入っています。


Re: 悪意について 6334へのコメント
No.6341  Fri, 3 Aug 2001 09:58:44 +0900  Maria [この発言にコメントする]

Xanadiiさん wrote:
> 「信じるに足るストーリー」を生成することの困難さ。頭のおかしな人物の
>活躍する短編を書かせたら右に出る者のいない、イギリス人の作家ロアルド・
>ダールという人は、ほんとうにすぐれた「児童文学」の条件としては、まず
>「生き生きとした想像力」を挙げていた。
> いっさいの「悪意」の介在しない、「楽しいストーリー」って、矛盾するも
>のなんだろうか?

 サディズムというのは全体に対する個人への復讐であるように思います。たとえば女性全体に対する怒りを特定の女性に向けるようなね。で、多くの「楽しいストーリー」というのは、しばしばサディズムの発露であったりするのですよ。『かちかち山』とか『桃太郎』とか『猿蟹合戦』とかいった復讐譚がしつこく語り継がれている(しかも子供向けのお話として)のを見てもそうだったりするのね。

 だから、我々はしばしば「サディズム」という色眼鏡をつけて物語を見てしまう、ということをしてしまいます。で、あたしは『赤ずきん』というお話は、もともとはこの人間の傾向を逆手にとったミステリー……というか、中世ヨーロッパには珍しくなかった、怪談仕立ての艶笑小話だったのではないか、と考えています。

 オリジナルの『赤ずきん』(『おばあさんの話』といいます。ついでながら、世界最古の『赤ずきん』とされるペローの『小さな赤ずきん』が収められている『ペロー寓話集』の原題も『ガチョウおばさん(マ・メール・ロア)のお話』です)では、狼はわざわざ「十字の辻」という不吉な場所に現れて、赤ずきんに「お前は縫い針の道を行くのか、それとも留め針の道を行くのか」という質問をします。これは、「いずれにせよ痛い目にあうぞ」という、遠回しの警告なのですね。
 これに気がつくと、狼の行動というのは、赤ずきんを襲おうとしているにしてはどこか妙。ベッドで待ち伏せをするなんていうのはその最たるものです。で、オリジナル・ストーリーでは、赤ずきんに「服を脱いで、ベッドにお入り」とかいって命令しています。
 で、赤ずきんは赤ずきんで、ストリップ・ティーズまがいのことをしてたりするのね。「脱いだエプロンはどこへ置けばいいの?」「暖炉の火にくべておしまい。もう必要ないから」とかいった会話があって、赤ずきんは着ているものを全部暖炉の火にくべてしまいます。

 そう。『赤ずきん』というのは、赤ずきんが狼にプロポーズするお話だったのですよ。

 ですから、最後のあの場面も、

 「ねぇ、おばあさん、おばあさんの目はどうしてこんなに大きいの?」
 「それはね、おまえをよく見るためだよ」
 「ねぇ、おばあさん、おばあさんの口はどうしてこんなに大きいの?」 
 「それはおまえにいっぱいキスするために大きいのだよ」
 「ねぇ、おばあさんの腕はどうしてこんなに太いの?」
 「それはね、おまえをしっかりと抱き締めるために太いのだよ」
 「ねぇ、おばあさん、おばあさんの尻尾はどうしてこんなに立派なの?」
 「それはお前を悦ばせるため……って、違うだろっ!」
 「だってほら、こんなに大きく立派になって」
 「触るなぁーっ!」

とかいったお馬鹿な場面だったのではなかろうか、と思うわけです。

 あたしたちは、「善意にかこつけた悪意」を見破ることに汲々とするあまり、善意というものを信じられなくなってしまいました。こういう、「悪意にかこつけた善意」の物語というのも、あっていいんじゃないかな、と思います。

 (Maria)


おいしそう!
No.6339  Fri, 3 Aug 2001 09:34:37 +0900  Tien [この発言にコメントする]

Mariaさん、早速のおいしそうなアドバイスありがとうございました。
毎年夏はあんまり無用には、外出しないようにしているくらいなのです。
鶏のコラーゲンも体によさそうですよね(^.^)
冷たいスープにして作ってみようかな、と思います。
ありがとうございました。


(o^w^o)
No.6338  Fri, 3 Aug 2001 04:24:48 +0900  一穂(いちほ) [この発言にコメントする]

Mariaさん、武田さん、お返事ありがとう。
今は死にたいほど苦しんではないです、ご心配かけてしまったかもしれません、でも大丈夫です。
私は、正常と異常の境目のような脳味噌の持ち主なのかもしれないな〜と、すこし考えをかえてみました。
子供のころはかなりヘンな子だったけど、もう今はだいぶマトモになったのかなぁ。
それか、もしかしたらADDの可能性もあるかもと思います。
でも考えこんでもしょうがないか。

カウンセリングは以前受けてました。
今は中断してます。
武田さんの言う通り、対人関係にエネルギーを使いすぎてるところはたしかにあります。
もっと、ありのままの自分で生きられたらよいなと思います。

しかし、私はすっかりこの掲示板を気に入ってしまいました。
文章読むだけでおもしろい!
こんなBBSはじめて。
スープの作り方も、読んでるだけで楽しいよ。

なんだか、ここ、わたしの彼に雰囲気が似てます。
彼は表情がなく、いつもたんたんと話し、毎日同じ行動を繰り返し、詳しい分野にはすごく詳しくて、本当にかわってます。
おもしろい人です。
感情がなくて冷たい人みたいに見えるけど、本当はとても優しくて、お茶目な人です。
でも彼は自分で人には心を開かないって言い切ってるし、わたしもあまり入りこまないようにしてます。
めったに目も合わせてくれないシャイな人です。
そういえばよく、へんな言葉あそびをしてる。
文字を入れ換えると意味がかわる言葉を見つけるのが好きみたい。
彼はちょっと自閉症よりな人なのかも?しれません。
でも本人はそれで困ってないけど。
まさしく一匹狼型ってかんじだな。
自分ではひきこもりだって言ってるけど、ちゃんと仕事もしてるから、ひきこもりじゃないわよねん。

でも、本当にいろんな人がいるし、いろんな人がいていいんだし、わたしはわたしらしく生きればいいんだな〜って思いました。
CFS自体、結構辛い病気なので、悩むと体に悪いから、あんまり悩まいようにしよう。


Re: 夏ばて 6336へのコメント
No.6337  Thu, 2 Aug 2001 22:56:41 +0900  Maria [この発言にコメントする]

Tien さん wrote:
>みなさんはどうやって乗り越えていらっしゃいますか。
>ああ、つらいよう。

 夏ばての原因はいろいろありますが、水分不足、イオンバランスの変調、胃腸の不調、自律神経の失調などがけっこう影響します。そこで、「手羽先のスープ」。

1)大きめの鍋を用意する。
2)手羽先、生姜のスライス、葱(大ざっぱに切ったもの)を入れ、残りごはんを少々入れる。なお、人参の端っこや乾涸びたじゃがいも、半端な玉ねぎ、キャベツの芯などの屑野菜もあれば入れてもいい。あれば、ローレル(月桂樹)も入れる。ローズマリーを入れてもいいけど、使いすぎに注意。
3)「苦労も苦悩も火にくべろ、燃えろよ燃えろ、煮えたぎれ。
   お次は蛇のぶつ切りだ、ぐらぐら煮えろ、釜のなか。
   カエルの指先、イモリの目……」
 と唱えながら(←やんなくていいです)、ぐつぐつ煮る。脂が浮いてくるので、あくすくいで取る。
4)スープだけを濾す。手羽先は残していい。残りごはんは跡形もないはず。
5)塩(できれば天然塩)で味を整え、できあがり。胡椒、ターメリック、シナモンなどを入れてもよいが、胡椒は粒胡椒を最初から入れておくとよい。すだちやレモンなど、柑橘類を絞って入れてもいいし、黒酢少々で酸味をつけるのもGood。青み(スープ・セロリー、イタリアン・パセリ、コリアンダーなど)を散らしてもいい。

 なお、屑野菜ではなく、椎茸・ペコロス(小さな玉葱)・ポロネギ・じゃがいも・にんじんなどを入れてポトフにしてもおいしい(ただし夏場はちょっとしんどい)。かぶ・葱は煮すぎるとデロデロになっちゃうので、だし用(葉のほう)と食べるほう(根のほう)を分けるといい。大根を入れてもいいけど、すりおろして入れちゃうのもいい(フードプロセッサでガーッとやる。わざわざ手でおろす必要なし)。

 隠し味に厚削りの鰹節を加え、醤油と山椒を仕上げに加えるのがオリジナル・レシピ。

 これ以外にも、夏キャベツとベーコンのスープ、というのがあります。作り方は似たようなものなので省略。

 (Maria)


夏ばて
No.6336  Thu, 2 Aug 2001 22:23:57 +0900  Tien [この発言にコメントする]

こんばんは。私は夏ばてがひどくて、ほんとにつらいです。
みなさんはどうやって乗り越えていらっしゃいますか。
ああ、つらいよう。
変なカキコで済みません。(m++m)


Re: 語用論 6332へのコメント
No.6335  Thu, 2 Aug 2001 21:36:29 +0900  Mr.Moto [この発言にコメントする]

Xanadiiちゃん wrote:
> 「すみません、市役所へ行く道を探しているのですが...」
> 「ああ、そうですか、ではどうぞ、お探し下さい」

 世の中には、「抵抗すると殺す」と被害者を脅して縛り上げておいてから殺す強盗がいる。確かに嘘を吐(つ)いてはいないが。で、「日本人はバカだ」とかいって笑っているのだ。

 日常推論はおおむね善意によって支えられている。それが犯罪にかかわるものであっても。「人質を返してほしかったら三千万円払え」という要求があった場合、その三千万円というのは「人質を返してもらうことの対価」として支払われるものだ、という合意が犯人との間に成立していると考えるはずである。

 「悪意ある犯罪者」というのは、犯罪者である以前にキチガイである。こういう連中はプロの犯罪者よりも始末に悪い。

 なお、「子供を返してほしかったら三十万円払え」というちょっと微妙な要求をして逮捕された奴が、「あれは『営利誘拐』ではなく、『人質を返してほしいという意志』を確認したかったのだ」と主張したらどうなるか、というネタはちょっと法律上の問題として興味がある。この場合、子供が主犯で犯人が共犯であるケースと、犯人が主犯で子供を教唆した場合で解釈が違うが、前者は軽犯罪で処理されるとしても、後者の法的解釈はちょっと面白いことになりそうな気がする。

 (Mr.Moto)


Re: 悪意について 6306へのコメント
No.6334  Thu, 2 Aug 2001 20:26:43 +0900  Xanadii [この発言にコメントする]

Maria wrote:
>
> 最近思ったこと。
>
> 「サリー・アン課題」って、「いじわる」を理解しているかを判定するテストじゃありませんよね? で、この問題文には、アンは籠がサリーの所有物であるとか、ビー玉がサリーの所有物である(らしい)とかいったことを知っている、といったことは書かれていません。まあ、この時点で「所有する(もっている)」ということの意味について議論するのはやめておきましょう。で、おそらくは元の問題には、『(いじわるなアン!)』といった字句は入っていなかったはずです。で、「いじわる」でない子供は誰のものともわからないビー玉を自分の箱の中に入れてしまったりはしないわけです。
>
> ですが、「サリー・アン課題」は、重ねて言うけど「意地悪な子供が悪戯をする」という「状況説明」を見出せるかどうかのテストではないわけです。
>
> だとすると、この課題において、「アンはサリーが箱の中にビー玉があると知りうると信じるに足る事実を知っていた(それがどういう理由かは不明にせよ)からビー玉を箱の中に移した」と推定しておかしくないわけです。
>
> たとえば、こんな問題はどうでしょう。
>
> ある人が、昼休みに高いビルの窓から下を見ていました。すると、以下のような光景が目に入りました。
>
>1)警官A・Bがパトカーである建物の正面に到着した。
>2)警官Aは正面入口から建物の中に入った。
>3)警官Bはパトカーを裏口に回した。
>
>質問)では、警官Aは正面入口から出てくるか? それとも裏口から出てくるか?
>
> この問題が「サリー・アン課題」と同じ構造をしているとしたら、答えは
>
> 警官Aは正面入口から出てくる。
> 理由)警官Bがいじわるだから。
>
>ということになるはずですよね?
>
> とはいえこの場合、この建物で何が起きているのかも分らないし、警官Aと警官Bの間にどれほどの意志の疎通があるのかが定かでないというのもあるし、「警官はふつう無線機を持っているという常識を考慮に入れていいのかもわからないから答えの出しようがない、という意見もありえます。
>
> ですが、「具体的にはよく分からない」という状況がまずあって、警官Bが裏口に回ったということから、「警官Bは警官Aが裏口から出てくると信じている」という推測が出てきて、「ならば警官Bにとって、警官Aが裏口から出てくると信じるに足る根拠があるのだろう」となって、「警官Aと警官Bの間で、警官Aが裏口から出てくる予定であるという合意がなされているのだろう」という推測も成立つわけです。
>
> だったら、「アンはサリーが箱の中にビー玉があると知りうると信じるに足る事実を知っていたからビー玉を箱の中に移した」という推測だって、間違いとはいえないでしょう?
>
> あるいは、こんなのはどうでしょう。
>
>1)教授は患部の切除と縫合を行なうと、手術室を出てソファーに横になった。
>2)手術助手は切開部の縫合を行ない、患者をICUに移送した。
>
>質問)数時間経って、教授は目を覚ました。教授は手術室へ向かうか? それともICUに向かうか?
>
> 答え)手術室。
> 理由)手術助手がいじわるだから。
>
> ……違うって。
>
Chipさんのとこでも書いたけど、「フィクション」の“作法”の、得体の知れなさってやつかもな。

 「信じるに足るストーリー」を生成することの困難さ。頭のおかしな人物の活躍する短編を書かせたら右に出る者のいない、イギリス人の作家ロアルド・ダールという人は、ほんとうにすぐれた「児童文学」の条件としては、まず「生き生きとした想像力」を挙げていた。
 いっさいの「悪意」の介在しない、「楽しいストーリー」って、矛盾するものなんだろうか?

> うちのJoshyaさんは、「自分の悪意や意地悪を考慮に入れて行動されると攻撃的になる、悪意を持った意地悪な人」を上司に持つという悪夢のような状況を何度か経験しています。こういうのを「棒を挙げて犬を呼ぶ」といいます。行けば叩かれ、呼ばれて行かなかったらもっとひどく叩かれる。最初から叩かれる覚悟で行くと、「その目はなんだ」とかいって叩かれる。しょうがないから「叩かれる」という結果を考慮していないふりをして行く。そうすると「問題意識が足りない」とかいって叩かれる。
> 対決姿勢を漲(みなぎ)らせて行く、という手もあるのだけれど、それをすると「職場の和を乱す」「躾けがなってない」とかいってまた叩かれる。
>
> ……あーあ。
>
 Joshyaさんの上司は、あれこれ言っててもうJoshyasさんという存在そのものが、気に入らなくなってしまっているんでしょうねえ。

 しかし以前、某女性誌の行った、対人関係(の難しさ)に関するアンケートで、回答の中のひとつに

#「キライな人にも嫌われたくない」

っていうのがあって、あれにはブッ飛んだなあ。


Re: ニキリンコさんを応援する方へ 6330へのコメント
No.6333  Thu, 2 Aug 2001 19:24:29 +0900  Xanadii [この発言にコメントする]

Chipパスワード忘れた wrote:
>ニキリンコさんの講演会の予定をご存じの方は教えてください。
>みなさん、知りたがっています。

 おめーっちは...(-_-)何もかもごっちゃにしてしまっているぞ。

 恐らくこの人、「フィクション」の“作法”と呼ばれるものに対して、何か誤解をしているのかも知れないね。自分の耳目に入る情報に対して、“平面的解釈”をしてしまうっていう。たとえば「ニキ・リンコ」・「浅見淳子」という文字情報を、同一線上に置いてしまったり。極端な場合「ニキ・リンコ」がペンネーム=フィクションであるという情報それ自体を根拠として、単直に存在自体が「フィクション」であるという、自分独自の仮説を引き出してしまっているといったところか。
 もちろん私にはまるっきり分からないまま言っていることだからね?Chipさん個人の精神史・生活環境その他の事情に関しては。どんな人だか知るよしもない。ただ、Chipさんあなたのやっていることは大変危険なことで、あなたの一連の書き込みはニキさんとやらへの有効な一撃どころか、それがそのまま自分にはね返ってしまうかもしれないよ、ということを、老婆心ながら教えてあげたいってこと。

 とある物事に対して「頭から疑ってかかる」というのと、「頭から否定してかかる」っていうことは、まったくの別物だ。「否定する」というのは、どうしても受け入れがたい現実に対して、目をそらしてしまうことで、「こういったことははじめからなかった」と自分に言い聞かせようとする心の働きだ。KILROYのおやじも、以前似たようなことを書き込みしておられなかったか?なぜ受け入れ難いのか。そこがほんとはいちばん大事なポイントなんだけれど、ここではっきり言ってしまうのは、Chipさんに対して余りにも酷だし非礼極まりないことだ。私も今回それが目的で口出ししてきたわけじゃない。

 結論からいって(結論とか言っといて例を出すわけだが)「ドナ・ウィリアムズはいなかった」とするのはそのまま『自閉症は存在しない』とするのに等しい。なぜか。かつて「ナチス・ドイツによるホロコーストはなかった」と断じた人物がいた。つまりホロコーストは存在せず、その犠牲となったユダヤ人もいない、ということだ。しかしそのことでつじつまが合わなくなってしまう部分は多い。じゃあナチスはユダヤ人を殺さないで、いったい何をしていたのか?消滅したユダヤ人はどこへ行ってしまったの?パタヤ・ビーチでヴァカンスをエンジョイしていたとでも言うつもり?それが正しいとしよう。そうなってくるともしかしたら、ナチス・ドイツだってほんとは存在しなかったのかも知れない。じゃあヒトラーの台頭も三国同盟も、さらにはミッドウェー海戦も上海事変もスターリングラードもパール・ハーバーもフロイトもアインシュタインもヤルタ会談も侵略戦争も軍慰安婦も神風特別攻撃隊も一人一殺も原爆投下も人間宣言もケロイド(順不同)もぜんぶぜんぶ、みい〜んなありませんでした、すべては夢でしたって、オチをつけるわけ?夢だというなら、いったい誰の見た夢なんだね。その夢を見ているやつの身体の外側では、いったい何が起こっているというのだね。それらをすべて証明してから、何々はありませんでした、フィクションにすぎませんと言っていただこうかってことになっちゃう。
 
 なにかを否定し、事実を破壊しようというこころみは、つまりそういうことになってしまうのだ。第二次世界大戦がなかったというのなら、じゃあ金融恐慌がはじまったとされる1931年から終結宣言があったとされる1945年まで、いったいなにがあったわけよ?ホロコーストはなかったというデマを流したのは、あんがい恐慌のきっかけを作ってしまった、おろかなひとりの銀行員のおっちゃんかも知れないねってこと。

 Chipさんも変な勘繰りをされたくなかったら、まずは勉強のし直しじゃないかな。「フィクション」の作法については、上記のようなカン違いによる「悲(喜)劇」が起こってしまわないためにも、フィクションとノンフィクションをうまく隔てる、なにか“法則”や“技術”といったものがあるはずだ、と洞察した、色々な意味考え深い人々がそれぞれ打ち立てたのが、“文芸理論”というジャンルであります。そのほんの一端を紹介するとしたら、う〜んどうだろ。あまりに専門的で複雑怪奇すぎず、素人の人たちに“寄り添った”考え方を表明している人...ってことで、西江雅之ってきたら唐突か?


 ...またもや、変な話をしますけれども、たとえば「残酷」とは何かと言ったら、国語辞典では、理由なく苦痛をあたえて平気な様子、とか書いてある。生きている人間は、そこからスタートするわけです。すると、ある人は「残酷」というものはそんな表面的なものではなくて、テレビで残酷なシーンを一家団欒で見ている家族がいるけど、そっちのほうがよほど残酷だと。ところが、その一家団欒といっても、一家団欒をやっているのは人間だから、残酷とは本当は人間であること自体だと言う人もでてくるかもしれない。しかし、人間といっても、女が産むんだから、残酷とは、女なのではないだろうかと。いや、単なる女のことではなくて、母なのだとなる。こういうふうに、既成の意味を問い直すこと、これが生活のなかの意味ですからね。(辺見 庸『屈せざる者たち』角川文庫・章タイトルは“世界はのっぺらぼうで波打っている”)

 この引用部分ですら、私個人にしてみれば比較的“退屈”な範疇に入ってしまうのよね。
 この本ってさ、じつはかなり話題になった対談集だし読まれた方も多いだろうけれど、もうちょっとだけ引用しちゃおうかな。お次は串田孫一、章タイトルは“日本人は大事件を笑い話に変えてしまう”。


 僕はいいかげんなことを書くからね。今日はいい機会だから、小説家でもある辺見さんに伺いますが、小説というのはフィクションを書くわけですから、小説のなかの話をだれも本当だと思って読まないでしょう。ところが、僕の随筆について、「あれ、本当だったのかい」というふうに聞かれることがずいぶんあるんですよ。そういうときは、ごまかして本当のことにしてしまう。すると、何年かたつと、実際にあったように記憶しているんですね。小説家の人はフィクションと実際にあったことの整理をうまくできるものですか。

 これに対して辺見氏がなんと答えたかは、未読・既読にかかわらず、皆様ご自分の目で確かめていただきたい。

 それにしてもここまで、自分の“手の内”を見せてしまえる人たちって、もう、怖いものなんてないんじゃないかって思えてきてしまう。健全なる知性とは、「突っ込みがいのある文章」をものする人たちのことを言うのかもしれない。

 「ていうかそいつら、いくら貰ってるんだか。Xanadiiきさまは、やつらの手先なのかよ」なんて、ま〜だほざくやつがいたら、もうその人物は、心の中まで“妖怪”になっちまってるっていうことで、いくらこの私でも、“妖怪”の面倒まで見る余地はありません。好きにしてくれってことで今日はここまで。

 あ、ついでにいえば『屈せざる〜』は、古本屋でもけっこう在庫あるみたいだから、そういったとこでお求めになれば、辺見氏に印税は入らないですよ...ってそういうのを書かずもがなと言うんだよな。 


Re: 語用論 6326へのコメント
No.6332  Thu, 2 Aug 2001 17:21:09 +0900  Xanadii [この発言にコメントする]

Maria wrote:

> 都会の人に道を聞こうとして声をかけると、たいていはびくっとしてさっさと逃げ去ろうとします。確かにこれでは、聞こうとした側はショックです。傷ついてしまうのも無理はありません。
> しかし、それは声のかけかたが間違っているのだということを、声を大にして言いたい。
> (中略)
> だから、「あ、すいません」で間を置いてはいけないのです。
> 「すいません、○○にはどうやったら行けますか?」
> と一息で尋ねてしまうのです。
> (中略)
> これに気づいてからは、尋ねた人全員に親切に教えてもらっています。嫌がる人などは誰一人いません。

> (Maria)

 「すみません、市役所へ行く道を探しているのですが...」

 「ああ、そうですか、ではどうぞ、お探し下さい」

 お久し振りであります(か?)。‘MariaをつついてMotoを出す’Xanadiiめでございます。
 上の用例は、私の大学時代「語学論」の講義で「語の用法を完全に取り違えている=つまり発話内の情報の軽重について話の受け手は注意を払っていないことになってしまう」として挙げられていたものです。相手は「道探しフェチ」じゃねえだろっての!というのがひとつ。
 もうひとつ、「私は市役所へ行きたい」→「でも道がわからない」→「はやく正しい道を見つけて辿りつかないと、市役所が閉まってしまうかも。またはこのようなことで手間取ってたら、他の用事が済ませられなくなる」→「トイレだって行きたい。メシだってまだだ。おたおたしていたらもらしたり飢え死にしたり、えらいことになるよう。困ったよう。わあ〜ん、母ちゃ〜〜〜〜〜〜ん」...とまあここまでいかなくとも発話者内の事情や心情を、いくらかは察することが出来ていなかったら、親切には教えてあげられないんだろうな。
 
 かくいう私も「道訊かれ」体質。初めて降りた駅で道を訊かれ、中国で西洋人からインフォメーション係と間違われ...どー見たって観光客ってナリをしているにもかかわらずだ。「分かりません」‘Sorry,but I'm new here.’ばかりで「親切さ」を発揮してやるいとまもなし。たとえ知っていたところで「土地勘」「方向感覚」は自分ではあるつもりで、道に迷ったことはほとんどないにしても、人に教えるとなるとやはり別物なんだよなー。

 「道を人に訊く」って、いがいと不満足な結果に終わることも多い(しかもそれこそ「危険」でもある)のに、なぜわれわれは凝りもせずやっちまうんだろ。
 
 やっぱり「人間関係」がやりたいってことなんだろな。


Re: はじめまして。 6327へのコメント
No.6331  Thu, 2 Aug 2001 15:32:35 +0900  武田好史 [この発言にコメントする]

一穂(いちほ) wrote:
>わたしは、CFS(慢性疲労症候群)の患者です。
>ASについては診断されてないし、検査も受けてないので、みなさんと同じ人種かどうかわかりません。
>けど、診断基準を読んでいると、共通点が多いです。
>どういった診断名がつくかつかないかわからないけど、私も、たぶんなんらかの特種な脳ミソの持ち主だと思います。
>今、壁にぶつかって、この先どうしたらいいのか途方に暮れています。
>・・・
>病院に検査を受けにいった方がいいかな。
>ASって病院ではどんな検査をするんですか?
>自分から言って、検査ってしてもらえるのでしょうか。
>
>私は人との接し方がワンパターンで
>人と話すときは、やたら陽気なので
>悩みがあるようには見えないんです。
>どんなに具合が悪くても、いつも元気だねって言われます。
>
>でも、本当の感情を出せないだけなんです。
>おかしいとか、人の気持ちがわからない宇宙人だとか、気持ち悪いとか言われて
>奇妙な目で見られていつもイジメられてました。
>だから自分を隠すようになったんです。
>
>・・・病院の先生に何て言えばいいんでしょうか。
>みなさん、教えてください。

こんにちは。
 私もやはり専門家ではないし、君に会ったことはないので、君が障害を持っているのかどうかはわかりません。
 ただ一つだけ言えるのは、君はわりと人と接することに対して、とてもエネルギーを使い過ぎてしまいやすいところがあるのかなということです。
 かくゆう私もそんなことで悩んでいて、引きこもり中です。
 こんなふうにいろいろと考え込んで、疲れて意気消沈してしまっている若者は、君だけではなく、今の日本にはありふれた存在になってきています。「引きこもりカレンダー」の作者のように、「みんなでのんびりして、GNPを下げましょう」
というのには、ちょっと閉口しますが、そうでなくても、「鬱になったら身体を休める」というのはそんなに犯罪視すべきではないと思います。

 もしとても辛くて、「もう死んでしまいたい」と考えるようだったら、ためらわずに病院にいって、投薬治療を受けたほうがいいです。精神科の薬というと「恐ろしい!」と感ずる人が多いのですが、お医者さんから言われた量・回数を守ったり、飲んだ時間や副作用と思われる徴候・生活の状態の変化を記録しておきお医者さんに見せるようにするなどのことをしっかりすれば、まず大丈夫です。だいたい
薬は、主剤+副作用止めといった形で出されるのが普通です。
 
 またASの専門医については、地元の保健所・福祉事務所・社会福祉協議会に聞いてみるとよいと思います。ただ今のところASだからといって、療育手帳がもらえるという訳ではありません。神奈川はそうでもないようですけど・・・


ニキリンコさんを応援する方へ
No.6330  Thu, 2 Aug 2001 13:06:23 +0900  Chipパスワード忘れた [この発言にコメントする]

ニキリンコさんの講演会の予定をご存じの方は教えてください。
みなさん、知りたがっています。


Re: はじめまして。 6327へのコメント
No.6329  Thu, 2 Aug 2001 12:12:38 +0900  Maria [この発言にコメントする]

一穂さん wrote:
>ASについては診断されてないし、検査も受けてないので、みなさんと同じ人種
>かどうかわかりません。
>けど、診断基準を読んでいると、共通点が多いです。
>どういった診断名がつくかつかないかわからないけど、私も、たぶんなんらかの
>特種な脳ミソの持ち主だと思います。

 この『アスペルガーの館の掲示板』には、「私はひょっとしてアスペルガー症候群なのではないでしょうか?」という方がときどき訪れてまいります。

 ところがですね、自閉症方面のナニというのは(←苦渋の表現)とても診断が難しいのね。で、自閉症方面のアレというのが「病気」であるとすると、本人に著しい苦痛がないとか、生活に重大な支障がないとかいうと、仮に自閉症方面のナニだという傾向が顕著に出ていても、「病気ではない」ということで「正常」ということになり、「あなたは自閉症方面のソレではない」と診断されることになってしまいます。まあ、この「診断を下される」というのは人によって善し悪しなのですがね。

 そんなわけ、自閉症方面のナニとまぎらわしいソレについて、ひととおり説明しておきたいと思います。専門家の方に限らず、どなたでもご意見等ございましたらお寄せくださいませ。ぺこぺこ。

 で、自閉症方面のナニとまぎらわしいソレというのはおおむね以下の通り。なお、LDについてはコメントできるほど詳しくありませんので、除外しています。
 なお、「社会的引きこもり」はまた別枠ということにします。単に誤解によってごっちゃにされているだけだから。

1)聴覚障碍(子どもの場合。障碍)
2)ADD(子どもの場合。障碍)
3)緘黙(子ども〜大人。性格の偏り)
4)破瓜型精神分裂症(青年期以降。精神病)
5)単極性うつ(幼年期以降。気分障害)
6)離人症(思春期以降。神経症)

1)聴覚障碍
 障碍。「言葉の遅れ」(正確には、発語の遅れ)によって、生後数カ月以内に発見される。診断は容易。

2)ADD
 障碍……なんでしょう、たぶん。発語の遅れがあんまりないというのと、アイコンタクトがある、というので診断可能。他者認識はちゃんとしている。薬である程度症状は抑えられる。

3)緘黙
 「発語の遅れ」あるいは「遅滞」が典型的な症状といえば症状なのだけれど、じつは原因はさまざま。運動障碍が原因の言語障碍(代表的なものは、吃音)が原因で、喋るのが怖くなったとか、自分の思っていることをどう表現していいかわからないとか、相手にどう判断されるかが不安で喋れないとか、緊張のあまり発話のコントロールがままならないとか、そんな感じ。
 言葉の発達や智能の発達、他者認識なんかはちゃんとしていることが多いので、よっぽど生活に支障がなければ病気とはいえないものです。そんなわけで、「性格の偏り」。
 なお、緘黙に類するものとして、「コミュニケーション不全」というのがあります。つまり、心を開いて語り合うことができない。社会的ひきこもりにつながることも多いです。
 で、これがけっこう多いのね。『アスペルガーの館の掲示板』を訪れる方にも、この「コミュニケーション不全」を「ASかな?」と疑ってらっしゃる方は多いように思います。有効なのはカウンセリング。メールによるカウンセリングというのは、じっくり考えて表現を練ることができるのでいいかもしれません。そんなわけで、文章力は身につけておいたほうがいいぞ。

4)破瓜型精神分裂症
 典型的な精神病。症状としては、「もの」と「意味」の乖離です。自転車を見て、「はて、これは何をするものだっただろうか?」とかいって悩んでしまったりするのはけっこう典型的。吉田戦車の『感染(うつ)るんです』的世界でございます。
 「ぬ」と「め」と「ね」を見比べて、「うーむ。」とかいって悩んでしまったりとか、そういうのはASにも共通する部分があるんだけど、分裂病の場合は青年期を過ぎて「発病」するものであるのに対し、自閉症方面の場合は「物心ついた頃からそうだった」という違いがあります。

5)単極性うつ
 人間関係のしがらみその他、あらゆるものがイヤになったりとか、ひがみっぽくなったりとか、嫉妬深くなったとか、「うつ」の症状はさまざまです。単に「気分の落込み」とかいったものではありません。薬が効きますし、治療もそれほど難しくありません。もっとも再発も珍しくありませんが。
 「なんか調子がおかしい」とかいったら、「心療内科」「精神神経科」等を受診されることをお勧めします。カゼみたいなもんですから、さっさと治すにしくはありません。

6)離人症
 かつてヒステリーと呼ばれた病気の一形態。現在は「乖離性疾患」と呼ぶそうです。無関心・無気力・無感動。なぁーんか世界というのが、スクリーン一枚隔てたようによそよそしく、他人事みたいな感じがする。
 精神的な苦痛や疲労が原因で、精神的エネルギーが消耗しきっちゃっている状態のようです。「燃えつき症候群」なんていうのもこの一群。児童虐待の被害にあった子どもなんかにも多い症状です。
 「うつ」とほとんど同じなんですが、薬が効きにくいのと、カウンセリングが有効、といったあたりが違います。仕事熱心な人とかに多いのであんまり有効なアドバイスではないのだけれど、とにかく世俗を離れてのんびりして、カウンセリングを受けながら自分を見つめなおすというのがいいと思います。
 なお、ASやLDやADDが原因でこの離人症を起こす(こういうのを二次症状といいます)ことも多かったりします。これって、こじらせるとコミュニケーション障害を併発して社会的ひきこもりに移行しちゃうこともあります。けっこう特殊な例ですけどね。普通に会社勤めをしていた人が病気等をきっかけにひきこもりに移行しちゃうのはこのタイプではないでしょうか。
 ただし、こういう人の悩みというのはかなり実存的に深いものだったりします。なまなかなカウンセラーだとキレてしまったり一緒にずぶずぶと沈んでしまったりするから怖い。うちのJoshyaさんはこのタイプで、自伝的小説を書く、という方法で乗りきりました。なんにせよしんどいものです。

 (Maria)

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