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Re: 2つの自閉 (追記) 10664へのコメント
No.10668  Sat, 26 Jan 2002 19:55:31 +0900  aya [この発言にコメントする]

直子さん wrote:

>
>ayaさんのレスにハッとさせられました。私自身も古い自閉症観が残っているようで息子に「俺は自閉症じゃない!人に関心がある」と言い返されたとき、言葉が見つからなかったのです。妙に納得してしまったというか。
>
>確かに一般向けの家庭医学書にはカナータイプの症例が多いですね。息子が中学のときは、まだ私もASについての知識がなかったので、どう説明したらいいのか悩みました。「ガイドブックアスペルガー症候群」の本を手にした時は本当にホッとしました。

 自閉の本質って、人に関心があるかないか、というより、認知、思考、行動の全てが微妙に違っている、というような気がします。難しいですけど。

 そういえば、私も息子さんぐらいの年の頃は、自分がいろんなことができないのかどうしてかわからなくてとても苦しみました。
 なんとかしようにも、どうしたらいいのかわからず、理由がとても知りたかったのです。

 できないことももちろんたくさんあるけれど、できないと知ってたら、違うやり方を見つけることもできます。これができないから、返って他のところはできる、ということもあると思います。(例えば、私は全体の構造を掴んでまとめあげることは苦手ですが、細部に熱中して深めることが、ユニーク、おもしろいと評価されることもあります。まとめるのに果てしなく時間がかかるのはかなしいのですけど。)

 息子さんが、理解して納得していくプロセスをうまくたどれるといいと思います。
 ひとができることができない、悪いだけのものだって思わずに、やり方が違うだけだし、いいところもあるよ、と伝えられるといいのですけれど。


新宿オフ会
No.10667  Sat, 26 Jan 2002 19:20:56 +0900  ”けい” [この発言にコメントする]

こんばんは。けいです。新宿オフ会参加してよかったです。

自分と同じ悩みを共有できたので。アドバイスを下さった
皆さん、有難うございました。

又、機会があったら参加させて頂きますので、またまた
宜しくお願いします。


Re: 2つの自閉 (追記) 10661へのコメント
No.10666  Sat, 26 Jan 2002 16:50:41 +0900  aya [この発言にコメントする]

 昨日から考えていて、非自閉のひとに確かめたんですが、
「あなたは恵まれていてもっとしんどいひとがいるのよ」というのは、
武田さんが書いている、

武田好史さん wrote:

(略)
> 他の人の抱えている「障害」について理解し、汲み取って自分の置かれた立場を理解していくということは、自らの「障害」というものの本質を知るということに関して、非常に重要なことであると私は思います。

というフレーズに自動的に変換されて理解されてるのですね。
私は、言葉のまま受け止めていたところもあるようです。

が、中には、本人のつらさを否定したり、黙らせるために使っている人もいるようです。

 なんか、とても驚きました。
じゃあ、はじめからそう説明しないで、なんで誤解を招くフレーズを使うのだろう?と思って。これは武田さんにというより、今まで聞いてきた発言に対してなんですけど。


>そのようにして、人というのは本当の意味での「生きていく力」「他人に対するいたわりの能力」を回りの人から分けてもらっているのです。

 でも、こうつながるのがよくわかりません。
 なんだかすごく話が違ってしまっているような気がするのですが。


Re: 2つの自閉 (追記) 10661へのコメント
No.10665  Sat, 26 Jan 2002 15:05:04 +0900  タレイヌ [この発言にコメントする]

武田好史 さんwrote:

>確かに、「言葉を話せる=IQが高い=生活能力が存在する」という訳に行かないのが、我々アスペ人の苦悩の始まりであります。
> 私たち全てにとってこのことは大きな足かせです。しかしながら世の中には、さらに重い足かせを持っている人もいます。

ええと、横レスです。
「重い足かせ」というよりも「別の足かせ」というほうが、良い気がします・・・・。

種類で言うなら、「聴覚に問題あり!!」という意味で、同系列になリますから、そこでの障害程度を単純に区分しちゃうと、聞こえない(→重い)、聞こえる(→軽い)という言い方しかなくなっちゃうんだけれどね、確かに。

    (タレイヌ)


Re: 2つの自閉 (追記) 10662へのコメント
No.10664  Sat, 26 Jan 2002 13:37:19 +0900  直子 [この発言にコメントする]


武田さん、ayaさん、あさかぜさん、レスありがとうございました。

武田さん、男性側からの意見参考になりました。又、武田さんの就職活動報告や(手帳取得等)の情報も参考になることばかりで、興味深くいつも読ませてもらっています。

ayaさんのレスにハッとさせられました。私自身も古い自閉症観が残っているようで息子に「俺は自閉症じゃない!人に関心がある」と言い返されたとき、言葉が見つからなかったのです。妙に納得してしまったというか。

確かに一般向けの家庭医学書にはカナータイプの症例が多いですね。息子が中学のときは、まだ私もASについての知識がなかったので、どう説明したらいいのか悩みました。「ガイドブックアスペルガー症候群」の本を手にした時は本当にホッとしました。

あさかぜさ〜ん!コメント本当にありがとう。息子が小学生の頃は落ち着いていたので、思春期の変化に戸惑ってしまいました。急に大きな波が押し寄せてきた気がしました。人を求める気持ちが強い子供ほどうつになりやすいのかな、とも思います。余計に人との違いに傷つくというか……。
息子も地獄の底からゾンビみたいに何度でも蘇ってくる逞しさがほしいな(^_^メ)


Re: 2つの自閉 (追記) 10661へのコメント
No.10663  Sat, 26 Jan 2002 13:23:41 +0900  みどり [この発言にコメントする]

武田好史 wrote:
> 他の人の抱えている「障害」について理解し、汲み取って自分の置かれた立場を理解していくということは、自らの「障害」というものの本質を知るということに関して、非常に重要なことであると私は思います。そのようにして、人というのは本当の意味での「生きていく力」「他人に対するいたわりの能力」を回りの人から分けてもらっているのです。

他と自分を理解するところまではまったく異論はありませんが。

で、理解した結果が「私は〜よりは幸せ」なわけ? それが「本当の意味での生きてゆく力」で「いたわり」なわけ?
…私はそうは思わん。


Re: 2つの自閉 (追記) 10646へのコメント
No.10662  Sat, 26 Jan 2002 09:40:43 +0900  あさかぜ [この発言にコメントする]

 直子さん、こんにちは。

直子さんwrote:
>息子は家庭医学書などで自閉症を調べて私にこう言った。「お母さん、俺は自閉症じゃないよ!だって俺は人に関心がある」と。
>息子ASは人に関心があって、自分を受け入れてほしいと望んでいても医学的には自閉者になってしまう。
>心を閉ざしているわけでもないのに。

 辛い時期ですよね。明日は我が身……という気がしてコメントしにくかったです。でも、思ったことを書きます。

 ピンチなんだけど、チャンスに転換していける時期かもしれないな?と思いました。お母さんという理解者がそばについていらっしゃるんだし。身近なサポーターがいないより、ずっと心強いと思います。

 自分に向き合い他者との距離を測っていく思春期は「観察と分析」を深めていくには絶好の機会かもしれません。「自閉症」という言葉ひとつをとっても様々な研究が現在も進行していることや、息子さん自身で納得がいくまで情報を集める方法を伝えてみるとか、いろいろな角度から検討してみる手法を教えてあげることはできませんか?
 固定できず流動的なこの社会に適応していくためのノウハウって、それこそ山ほどあると思うんですよ。どんなことからでもいい、まずは興味を持ったことから始めていけばいいと思っています。人付き合いのためのノウハウ本を買ってきて熟読してみたっていいし。そこに書かれている事柄を鵜呑みにするのではなく、批判ができるくらいに読みこなせたらかなりのもんだと考えていいかも……。

 自分のことで恐縮ですが、わたしのように孤立無援で放られっぱなし、身近な母にどんなに話したって何も理解してもらえないという状態から、「自分を助けられるのは自分だけ」みたいな、ある種「当たって砕けろ方式」で生きることを学ばざるを得なかった人間になるのは、あまりほめられたことではないと思っています。(ま、これはこれでしぶといんですがね。地獄の底から何度でも蘇ってくるゾンビみたいに)

 「人に関心がある」というのは、いいことだと思います。息子さんを理解し支えてくれる人が、一人でも多く現れてくれることを願わずにはいられません。


Re: 2つの自閉 (追記) 10652へのコメント
No.10661  Sat, 26 Jan 2002 09:09:20 +0900  武田好史 [この発言にコメントする]

aya wrote:
>ちょっと気になったので…。
>>
>>>私は「あなたには自閉症という軽い障害があるのかもしれない」と、正直に話をした。
>>>息子は家庭医学書などで自閉症を調べて私にこう言った。「お母さん、俺は自閉症じゃないよ!だって俺は人に関心がある」と。
>>>息子ASは人に関心があって、自分を受け入れてほしいと望んでいても医学的には自閉者になってしまう。
>>>心を閉ざしているわけでもないのに。
>>
>>「あなたは言葉を理解できるぶんだけ、養護学校に通っているような自閉症の子よりも幸せなの。」とでも言って聞かせてください。ASの子はは「なぜ」「どのように」だけがどうしても解りませんが、重度の自閉症の子は、これに加えて「いつ」「どこで」「何を」「誰と」ということも、理解することが困難なのです。>
>自分より大変な子がいることと、自分がしんどいことには因果関係はないと思うのです。
>もっと大変な子がいて、だからあなたは幸せな方に入るのよ、と言われてしまうと、本人の苦痛をなかったことにされてしまうような気がします。
>というより、私がそう言われると、そう思ってしまうだけなのかもしれないですが。
>
確かに、「言葉を話せる=IQが高い=生活能力が存在する」という訳に行かないのが、我々アスペ人の苦悩の始まりであります。
 私たち全てにとってこのことは大きな足かせです。しかしながら世の中には、さらに重い足かせを持っている人もいます。
 例えば聾者の人たちは、「聞こえない」ということで、幼少のときから音声言語に触れることができないので、コミュニケーションという面では著しく不利です。手話・口の動き・筆談という「視覚による」情報しか受信できませんので、「後から車が来た!」という認知できないということや、「・・のガソリンスタンドで灯油とガソリンを間違って入れてしまったので、回収を行っています!」という防災情報が解らなかったり、「コミュニケーションに配慮します。来ていいですよ!」という企業でなければ就労することができません。
 他の人の抱えている「障害」について理解し、汲み取って自分の置かれた立場を理解していくということは、自らの「障害」というものの本質を知るということに関して、非常に重要なことであると私は思います。そのようにして、人というのは本当の意味での「生きていく力」「他人に対するいたわりの能力」を回りの人から分けてもらっているのです。
 多少彼には辛いでしょうが・・・


愛好家賛成 10643へのコメント
No.10660  Sat, 26 Jan 2002 09:06:30 +0900  あさかぜ [この発言にコメントする]

武田好史さん wrote:
>そう、だから学者にはならなくっても、ちょっとずうずうしい「愛好家」でいたいです(^O^)。

 武田さん、ありがとうございます(^O^)/♪♪
 そのときの気分で何が好きになるかわからない「好奇心のかたまり」なわたしですが、「愛好家」めざして元気出します!


Re: たてがみ通信2 10649へのコメント
No.10659  Sat, 26 Jan 2002 08:05:39 +0900  pennpenn58 [この発言にコメントする]

あんく wrote:
>だって自由に駈足が出せるようになったら、イースター島へ行って、モアイ像たちの間を駆け巡ることになっているんですもの(笑)。ほかにもたくさん、行きたいところがある。待ってろー!

こんにちは、私もなぜかモアイにひかれています。ところであの南海の孤島にも馬はいるのですか?


おしゃべりできない
No.10658  Sat, 26 Jan 2002 01:55:00 +0900  tasuk [この発言にコメントする]

とつぜんおじゃまします。
最近ASのことを知りここへ辿り着きました。

皆さんにお伺いしたいのですが、おしゃべりしたくても
できない人っていますか?またASにはその様な傾向は
ありますか?

私は人並みに誰かと仲良くしたいとか、楽しくおしゃべりしたい、と
思っているのですが、いざおしゃべりの輪の中に
入ると、頭が空白になり、なにもいえなくなってしまいます。
しゃべらないので、つまらない人だと思われ、
そのうち話し掛けられもしなくなり、疎外感を感じて
いつも嫌な思いをしてます。

ごく少数の仲の良い人とはわだかまりなくおしゃべりを
楽しめるのです。
大人数、あまり面識のない人だと、さらに話せなくなります。
何か話そうとすると、言葉が出てくるまでにすごく
時間がかかります。
同じような人いらっしゃいますか?


Re: 関西オフのお知らせ 10495へのコメント
No.10657  Sat, 26 Jan 2002 00:13:37 +0900  こうもり [この発言にコメントする]

こうもり wrote:

> 不肖こうもりは2月9日〜11日の連休中に大阪に遊びに行く予定が
>あり、MLの知り合いと示し合わせて、2月10日(日)の正午から関
>西(おそらく大阪の難波地区)でオフ会を開く予定でおります。
>
> まだ、予定が決まってないのですが、参加したいという人がおられた
>らこの掲示板か下記のメールアドレスに連絡していただければ幸いであ
>ります。
>
>(連絡先)成人LDの会seijinld@msg.biglobe.ne.jp
>
> 正式な告知は後日アップします。個人的には関西にお伺いする機会が
>あまりないので、関西のみなさんとお会いできることを楽しみにしてお
>ります。では

 不十分ではありますが、正式告知です。今回は現地コーディネーター
さんの都合もあり、詳細はメールでお知らせすることになります。

(2月10日オフ会の予定)

-----
10:45 集合 阪神梅田駅の改札前(地下になります)
11:00 店へ
店にはできれば14:00ぐらいまでいる予定です。
14:00 まだ未定
16:00 終了予定
-----

 参加を希望する方、詳細を知りたい方は下記のメール・アドレスまで
連絡をください。

(連絡先)seijinld@msg.biglobe.ne.jp


Re: 明日のカッコウは・・・ 10644へのコメント
No.10656  Sat, 26 Jan 2002 00:00:37 +0900  グルンサ [この発言にコメントする]


明日のオフ会待ち合わせ場所では、私は

うえ:クリーム色をうすくしたようなダウンジャケット
した:ジーパン

…の予定です。(なんつー書き方だ(--;)。)

もっとも、私の場合、そのカッコで南口を探し回ってるかもしれませんが…?

P.S. 武田さんの書き方をちゃっかりまねしました。すみませんね。


Re: たてがみ通信2 10649へのコメント
No.10655  Fri, 25 Jan 2002 23:44:56 +0900  タレイヌ [この発言にコメントする]

あんく さんwrote:
> あんくです。昨年10月から始めた乗馬、今日はじめて「かけあし(駈足)」に挑戦しました。いやー「爽快!」の一言でしたね。ジェットコースターのような独特の浮揚感があるので、好きな人にはたまらないと思う。

大学時代、馬にのってた、タレイヌです。
調教師になって、馬と寝起きしたかった・・・・・でも、夢で終ったわ。
そうね、早足、軽早足より、駆け足が、気分いい!!知ってる。

> 馬場ではいまだ「ともだち」はできないです。いつもひとりきりです。でもめげないつもり。

自分の馬がもてたら、一人じゃないって!

馬の気持ちを考えて、顔(いや、あの大きな目)をみていても、感情の動きが読み取れず、自分の方が、落ち込んで悩んでいた・・・・。3ヶ月ぐらいして、夏の合宿に行くようになった頃、体全体で、表現している事に気付き、気にならなくなったのでした。犬などの方が、読み取りやすいですよ、目が訴えるからね。(草食動物のほうが、肉食動物より、感情表現が穏やかに、感じます)

頑張って練習を重ね、モアイの間を、駆け抜けてください!!

   (タレイヌ)
あの―、たてがみ通信1って、あったんですか?見逃しているようです、ごめんなさい。


Re: 2つの自閉 (追記) 10648へのコメント
No.10654  Fri, 25 Jan 2002 23:23:09 +0900  直子(旧マザー) [この発言にコメントする]

オレンジブルーさん wrote:

>成人すればするほど、ヒトとの距離は離れてしまって「なんで私は自閉なんだあ!!」と騒ぎ立てて泣き叫んだ時は、逆に悲痛な顔で怒鳴られてしまいました。
>そして、「親の寿命を減らさんといてくれ」と頼まれました。
>
>ありのまんま書いてしまったつもりです。
>いちいち言わなくて良い事書いてしまってすみません。。
>私の時と似てたので。。。

オレンジブルーさんレスありがとう(^O^)
めっちゃ嬉しかったっす!!(笑)
オレンジブルーさんの親御さんは、オレンジブルーさんときっちり向き合っておられて、素晴らしいと思う。

オレンジブルーさんのカキコは息子に言われているようで、ビンビン胸打つものがあるよ。ああ!親がもっとしっかりしなくては、と反省してしまう。

最近息子の甘えがひどくて、私も我慢の限界に達したときは爆発するけど、しっかり向き合っていますよ。

はぁーきつい!と弱音を吐きたくなったりするけど、子供の気持ち受け止めてあげられるのは親だけなんですよね。
これからもよろしくね! ってなんか変?


Re: 自閉と失語 10650へのコメント
No.10653  Fri, 25 Jan 2002 22:54:11 +0900  Maria [この発言にコメントする]

Nobusan wrote:
> 質問の直接のお答えは、自閉症方面の人との会話は曖昧な物言いはペケということで理解してもよろしいでしょうか。

 えー、そう言ってしまうとすでにして「普通の人」と「自閉症方面の人間」との認識のギャップに落っこちてしまうのですね。「普通の人」にとって明々白々な表現であるものが、自閉症方面の人間には曖昧この上なかったりもするわけです。

 普通の人にとって、一つ一つのコトバの意味は、ほとんど「みんなが使っている使い方」を天下りにそのまんま引っ張ってきたようなものなのですが、自閉症方面の人間にとって、一つ一つのコトバの意味は、「みんなが使っている使い方」から、帰納し抽象することで推定されたものなのですよ。
 そんなわけで、「普通の人」にとってのコトバというのは、「外なるコトバ」であり「コミュニケーションの道具としてのコトバ」であり「共通のコトバ」なんですが、自閉症方面の人間にとってのコトバは「内なるコトバ」の延長であり、「思考の道具としてのコトバ」であり「個のコトバ」なんです。だから、自閉症方面の子供はいろんなコトバを創作すると言われます。

 ところがですね、以前この『アスペルガーの館の掲示板』で武田好史さんが「そういう『自分だけのコトバ』というのがありますか?」みたいなアンケートをしてみたところ、ほとんど「思い当たらない」という意外な結果が出てしまいました。つまり、「コミュニケーションの道具としてのコトバ」として通用しないコトバは、消えてしまうのですね。これは、自閉症方面の人間の沈黙が、コミュニケーションの断絶に対する絶望のあらわれではないか、という仮説をちょっとだけ支持するようにも思えます。

 ……ですが、おそらくは自閉症方面の人間の密度がめっちゃ高いと思われる「ハッカー(いわゆるコンピュータ犯罪者ではなく、魔術的なコンピュータ使いども)」の世界では、この「個のコトバ」が「個のコトバ」にとどまらず、「コミュニケーションのための道具としてのコトバ」として機能してしまうがために、「ジャーゴン(俗語)」として通用してしまうのですよ。

 つまり、「ソフトウェア開発」というのは、「ある事象・現象を端的に表わす表現を捜す」ことにその本質があったりするのですね。で、説明に苦しんでいる事象・現象がほぼ共通しており、その帰納・推論・抽象のプロセスがとてもよく似通っているので、誰かの「個のコトバ」(=「内なるコトバ」)が表現として発せられたときに「それや!」(なぜか関西弁)ということになり、「コミュニケーションのためのコトバ」(=「外なるコトバ」)として定着してしまうんです。

 たとえばの話、「ロジカル」とか「美しい」というのは、「よくできている」「うまくできている」とほぼ同義語として使われています。「うーん、ロジカルだ」とか「美しいなぁ」というのは、ほとんどハッカーの口癖のように使われています。
 もう一つ、「つまらない」(口語的には「つまらん」)というのがあって、これは「論理的帰結として当然の形であって、それ以外の可能性がほとんど考えられない」場合を言います。だから、「うーん、つまらんプログラムだ」というのは、プログラムの完成度の高さを褒めているのね。で、逆に「はっはっは、こりゃあ面白れぇわ」というのあからさまに馬鹿にされているわけです。とはいえ、「予想に反してロジカルで分りやすいので、認識を改めさせられる」みたいなプログラムは「おお、これは面白い」と賞賛されます。で、なおかつプログラムが短くすっきりしていると「エレガント」。「誰でも思いつくし分りやすくもあるんだけど長大でどんくさい」のが「エレファント」。
 あと、「ワイルドカード」とか「デフォルト」とか、「ハッカーだったら初めて聞いても一発でわかるコトバ」、あるいは「初めて聞いてもすでに日常語として認識されてしまうコトバ」というのがあります。「あいつの味覚はデフォルトが醤油でワイルドカードがマヨネーズだ」「おれのデフォルトは塩胡椒にレモンだな。コロッケに塩胡椒とレモン。海老フライに塩胡椒とレモン」「刺身に塩胡椒とレモン。意外に悪くないかも。」「ハワイ料理にありそうだな」「目玉焼に塩胡椒とレモン。天麩羅に塩胡椒とレモン。なるほど。けっこうワイルドカードだな」

 そんなわけで、自閉症方面の人間同士だと、言葉の使い方が「普通の人」と微妙にズレていて、そのズレ加減が似通っている場合が割合に多く、「言うよね?」「言いますねぇ。」みたいなことになりがちです。

 そんなわけで、「相手が自分と同じ意味で同じ言葉を使っていると思わないこと」「相手がその言葉をどういう意味で使っているかをつねに考えること」「相手と自分の言葉の使い方が違うときに、自分のほうが正しいと決めつけないこと」が重要です。

 外国人の言う「スシ」「スキヤキ」「テンプラ」「テリヤキ」と日本人にとっての「寿司」「すき焼」「天麩羅」「照焼」が同じものとは限らないでしょ? 蛸のかわりに海老が入ってたり鰒が入ってたりする「たこやき」があったりするんだけど、食べると確かに「あ、たこやきだ」と思います。だけど、蛸は水っぽく、タネには舌が痺れるほどグルタミン酸が入っていて、中はぐじゅぐじゅ外はべしょべしょ、そんでもってソースが甘ったるいだけの代物、とかいうと「こんなん『たこやき』ちゃうやん!」と怒ってしまうのね。「蛸が入ってるだけで『たこやき』だっちゅーなら、『たこやき』やのうて『焼き蛸』やんけっ!」みたいな話にも、なります。「あの、蛸の頭のようなくりくりっと丸い可愛らしさ、外はカリッとしてて中はジューシー、だしの効いたうま味、ぶりぶりシコシコとした歯ごたえ、それが『たこやき』の本質だっ!」という意見も、あるわけです。

 下戸だって「お酒が好き」というひとは、います。「お酒の席の雰囲気が好き」という意味で、ですけどね。昼下がりで客も空(す)いたお蕎麦屋さんの隅とかで、お年寄りが一人で、お銚子一本をちびりちびりと、口の中でころがすようにして楽しんでいるのを見ると、「ううむ、やるものだ」と見愡れてしまうのね。自分は呑まないけど、そういう人にお酌するのが好き、というひとはふつうだと思う。

 そんなわけで、相手がどんな気持をその言葉に込めて喋っているかというのを、よく考えながら話を聞く、というのは、「相手が自閉症方面の人間だから」ということではないはずです。で、これができない人は、「人の言葉尻ばかりを捉えるイヤな奴」とみなされたりするのだな。逆に、言葉の使い方が無神経で粗雑な人に対しては、つい言葉尻を捉えたくなったり、話をするのがイヤになってしまうものです。

 と、いうわけで、まずは自分の文章、人の文章をじっくり読むことからはじめてはどうでしょうか。会話より読み書きのほうが、じっくり吟味するにはやっぱり楽なので。

 (Maria)


Re: 2つの自閉 (追記) 10651へのコメント
No.10652  Fri, 25 Jan 2002 22:37:55 +0900  aya [この発言にコメントする]

ちょっと気になったので…。
>
>>私は「あなたには自閉症という軽い障害があるのかもしれない」と、正直に話をした。
>>息子は家庭医学書などで自閉症を調べて私にこう言った。「お母さん、俺は自閉症じゃないよ!だって俺は人に関心がある」と。
>>息子ASは人に関心があって、自分を受け入れてほしいと望んでいても医学的には自閉者になってしまう。
>>心を閉ざしているわけでもないのに。
>
>「あなたは言葉を理解できるぶんだけ、養護学校に通っているような自閉症の子よりも幸せなの。」とでも言って聞かせてください。ASの子はは「なぜ」「どのように」だけがどうしても解りませんが、重度の自閉症の子は、これに加えて「いつ」「どこで」「何を」「誰と」ということも、理解することが困難なのです。

自分より大変な子がいることと、自分がしんどいことには因果関係はないと思うのです。
もっと大変な子がいて、だからあなたは幸せな方に入るのよ、と言われてしまうと、本人の苦痛をなかったことにされてしまうような気がします。
というより、私がそう言われると、そう思ってしまうだけなのかもしれないですが。

人を求める気持ちがあっても、やり方が違うのでなかなかうまくいかない、というようなことだと思います。
医学書の説明だと、古い自閉症観が載っているかもしれないので、ちょっと心配です。

直子さんの息子さんが、自分とうまく折り合いをつけられるようになるといいのですが。


Re: 2つの自閉 (追記) 10646へのコメント
No.10651  Fri, 25 Jan 2002 21:53:28 +0900  武田好史 [この発言にコメントする]

直子(旧マザー) wrote:
>>
>息子は思春期に入ってどんどん人に興味を持つようになった。友達をほしがった。
>だけど、自分なりに友達を作ろうとしても、うまくいかず少しずつ抑うつになってしまった。
>息子は中学生の頃から躁状態のように、急にはしゃいでバカ笑いをすることが目立ってきた。

そのころまたは最近彼には、「誰か好きな子ができた!」ということはありませんか?
 私もそうだったのですが、案外男の子という生き物は、そういったときについ舞い上がってしまって、そのような振る舞いをしてしまうことがあるものなのです。

>クラスの子に「なんだよ急に!お前バカか!シンナーでも吸っているんじゃないのか」と言われショックを受けて悩んでいた。
>ある時、「お母さん、俺って障害者? それとも精神病?」「俺、なんでこんなに変なんだ?」と息子に詰問された。
 僕も小学6年生のとき、なんとなく『思い出し笑い』をする癖があって、担任の先生に「おまえ、分裂病かもしれないぞ!」と言われて、すごくショックでした。

>私は「あなたには自閉症という軽い障害があるのかもしれない」と、正直に話をした。
>息子は家庭医学書などで自閉症を調べて私にこう言った。「お母さん、俺は自閉症じゃないよ!だって俺は人に関心がある」と。
>息子ASは人に関心があって、自分を受け入れてほしいと望んでいても医学的には自閉者になってしまう。
>心を閉ざしているわけでもないのに。

「あなたは言葉を理解できるぶんだけ、養護学校に通っているような自閉症の子よりも幸せなの。」とでも言って聞かせてください。ASの子はは「なぜ」「どのように」だけがどうしても解りませんが、重度の自閉症の子は、これに加えて「いつ」「どこで」「何を」「誰と」ということも、理解することが困難なのです。


Re: 自閉と失語 10618へのコメント
No.10650  Fri, 25 Jan 2002 21:17:22 +0900  Nobusan [この発言にコメントする]


Mariaさん wrote:
 そんなわけで、「自分を突き放して考える」訓練をしてください、というのが、アスペっ子の親御さんに対する第一のアドバイスということになるでしょうか。子供を突き放しちゃったら駄目だよ。つかまえておこうとするのをやめるのは大事だけど。
>
ご助言ありがとうございました。なにせ私、息子命、家族命で生きているようなNP(Neurotypical)シンドロームの典型なものですから、自分を突き放しても、次の瞬間、自分がバックスライド式に跳ね返ってくるというか、自分が自分に取り込まれて落ち込みがさらに激しくなってしまうのです。まあ、慣れると言うことを信じて何度も挑戦してみます。

質問の直接のお答えは、自閉症方面の人との会話は曖昧な物言いはペケということで理解してもよろしいでしょうか。この掲示板によって、NPたる私は、相手が誰であるにせよ、会話の時は意識せずに曖昧語を駆使していることが解ってきました。この曖昧語の正体は、理解するのに「心の理論」が必要となるものらしいですね。
「右」「左」なんかは人の位置や、方向によってまさに「心の理論」を必要とする曖昧語の典型ということになります。しかしながら、このような曖昧語は、一方で、キープレフト、右側通行を守りましょうといったふうにこの語がなければ膨大に場面を設定して条件付きで説明しなければならないものをいとも簡単に相手に説明してしまうことが出来るという魔法のような言葉でもあります。NPはどれが曖昧語で、どれが意味の曖昧さを許さない語句なのか、簡単に判断することが出来無いという障害を持っています。曖昧さのない客観的語句のみで会話をするというのはNPにとっては確かに外国語に近いものだと思います。それは自閉傾向の人にとっては曖昧語を駆使した普通人の会話が外国語のように理解できないのと同じことであると思います。どうやら我々は、似て非なる言語を混在させる形でコミュニケーションしようとしているのかもしれません。自閉傾向の人のために曖昧語を省いた新しい言語体系を手話のような形で作らなければならないのかもしれません。

これって飛躍ですか?


たてがみ通信2
No.10649  Fri, 25 Jan 2002 20:40:06 +0900  あんく [この発言にコメントする]

 あんくです。昨年10月から始めた乗馬、今日はじめて「かけあし(駈足)」に挑戦しました。いやー「爽快!」の一言でしたね。ジェットコースターのような独特の浮揚感があるので、好きな人にはたまらないと思う。
 馬場ではいまだ「ともだち」はできないです。いつもひとりきりです。でもめげないつもり。だって自由に駈足が出せるようになったら、イースター島へ行って、モアイ像たちの間を駆け巡ることになっているんですもの(笑)。ほかにもたくさん、行きたいところがある。待ってろー!

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